レンギョウ
今日も一段と暖かい陽気が訪れた。朝から、直ぐにウォーキングに出ることにする。ホカホカ陽気に誘われて、桜の開花はさらに進んでいる。家々庭のパンジーやなどの春の花が輝いている。
家に帰り、読みかけていた遠藤周作「男の一生」を読了した。久しぶりに小説を読むことの楽しさを味わうことができた。
サンシュユ
木曽川のほとりで腕白盛りの時を過ごした前野将右衛門が蜂須賀小六とともに、豊臣秀吉に仕えた。秀吉の活躍とともに前野将右衛門も、三木城主、出石城主と出世する。しかし、天下人となった秀吉は、甥関白秀次の廃嫡を画し、秀次の一族郎党をすべて抹殺する。それに連座して前野将右衛門も切腹して生涯を終える。
この小説の書き出しは
「外は静かに雪が舞っている。真っ暗な部屋の隣から魂にしみ入るように笛がきこえる。嫋々たるその笛の音を聴きながら、実は私はこの小説の最終場面を心の原稿に書いていた。」
この「嫋々たる笛の音」というのを一度聴いてみたいものだ。
そして小説の最後は
「物語は終わり、今は黄昏、私は河原に腰を下ろし、膝をかかえ、黙々と流れる水を永遠の生命のように凝視している。」
心に沁み入る闇笛、人の世のはかなさ、永遠に流れる木曽川、読了後、しばらく言葉が出なかった。
ハクモクレン
夕方、この春から大学院博士課程に入学する友人二人と出会う。もちろん二人とも退職してからの大学院入学だ。働きながら勉学に励んできた二人の努力に頭が下がる。一人は、社会福祉関係、もう一人は公共政策関係の分野を3年間かけて研究するという。話は、東北関東大震災から、原発問題、それから二人の専門分野、さまざまな学者の言説など。勉強家の二人なので、私などとは読んでいる本の量が格段に違う。今日も、本ばかり読んでいて人と話していないから、ということで出かけてきたというから驚く。
知的生産の技術発行の著書「知の現場」が話題になった。
フランスからサルコジ大統領が来日。原子力発電所を国策として全世界に売り込んでいるフランスにとって、福島原発の事故処理の遅れが原発の売れ行きに暗雲をさすことに不安を感じているのだ。アメリカ、フランス、日本の原子力発電所御三家の今後の行方はどうなるのであろうか。
今日で退職後、丸1年が過ぎた。