フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

フルート二重奏「プレ演奏会」

2012-11-29 | フルート

今日は12月8日のフルート二重奏の演奏会本番に向けて、「プレ演奏会」を行った。蓼科のTMTMさん宅に朝10時に集合。野鳥が好きなペンション「銀の森」の奥さんは、早速、ベランダに出てやってきたヤマガラを掌でお出迎えしていた。「どうも見慣れない人だな」と首をかしげるヤマガラ。

観客が4人揃ったところで、私とOhimajiさんは、本番通り演奏することになった。最初に、Duoの名前を紹介する、チラシをOhimajiさんが作ってきてくれて皆さんに披露した。「八ヶ岳ダンディーズ」といきたいところだが、少し恰好がよすぎるので「八ヶ岳ダン爺ーズ」と名乗ることになった。これなら、皆さんに納得していただけるであろう。

全12曲を通して演奏し、聴いていただいた。「ダニーボーイ」と「チリビリビン」がなかなか合わないので苦労した。これは、もう少し練習しなければならない。

その後、しばし休憩タイムで、「銀の森」さんが作ってきてくれた「アップル・パウンド・ケーキ」を食べながら紅茶をいただく。

TMTMさんの奥さんから、ステンドグラスの作り方について話を聞く。下絵を描き、型紙に移し、それで色ガラスを切り抜き、5ミリのテープを張って、ハンダ付けするなど、思っている以上に複雑な作業工程があることが分かった。これは、力作の「ランプシェード」だ。

その後、もう一度練習してからお昼となる。TMTMさんの鳥団子鍋は、熱々で、昆布出汁がきいて実に美味しかった。

食後は女性たちが、付近にハイキングに出かけたあと、強弱やrit入れる練習を重ねた。

それが終わってから、Ohimajiさんから紹介していただいた、近くにある「夢風林」さんを訪ねた。

ここのご主人はなんでも自分で作られる方で、敷地内には色んな建物が建っている。全体は会員制のキャンプ場となっている。

暖房は薪ストーブオンリーというだけあり、所狭しと、薪小屋が並んでいた。あたりが薄暗くなってきたので、そこで一同解散することになった。

 


久保田チェンバロ工房を訪ねる

2012-11-27 | 日記

今日は、10月20日の「ミューズの調べ」コンサートでお世話になった、久保田チェンバロ工房にお礼を兼ねて訪ねることにした。

清里からは、中央道須玉~八王子JCT~鶴ケ島JCT~関越道所沢まで2時間少しの距離だった。思っていたほど時間はかからなかった。久保田チェンバロ工房がある、埼玉県新座市は東京都との県境にあり、あたりは、ぽっかりと長閑な畑が広がっている。

最初に、「ミューズの調べ」コンサートについてお礼を言うと、久保田さんは「大成功でしたね」とおっしゃっておられた。職人さんが忙しく作業をされているなか、丁寧に工房の中をご案内していただく。

久保田さんにお会いして教えていただきたいことが2点あった。1点は、チェンバロのバロックピッチとモダンピッチをスライドさせる機構(トランスポーズ機構)について、第2点は、チェンバロとピアノとの関係、についてだ。

この二つの点については久保田彰著「チェンバロ」のなかで書かれていることだが、それを実際に確かめたかったのだ。

先ず第1点目の「トランスポーズ機構」についてだ。これはいわゆるバロックピッチを現代的にどのようにとらえるか、ということに関係している。

久保田氏の著書では、次のように語られている。
「現代のオーケストラ・ピッチal440hzは20世紀前半に国際会議で定められた規約で、それ以前は各国、地方で異なった基準ピッチで演奏されていました。昔は統一する必要もなく、音楽家は臨機応変、フレキシブルな対応をしていたのでしょう。」バロック時代は、演奏家はある国や町に行けばそこのピッチで演奏するし、他の地方に行けばまた違うピッチで演奏していたらしい。ピッチの違いにかかわらず自らの演奏技術の腕を披露していたと言われている。

「古楽器復元ムーブメントが、現存するオリジナル楽器の精密な寸法測定に基づいて行われるようになったとき、そのピッチの不統一もそのまま再現される事態になって、チェンバロなどの鍵盤楽器は、ピッチの基準設定には不都合な状況がおきました。」要は、ヴァイオリンやフラウトトラヴェルソ、リコーダーなどは、様々なピッチに容易に対応できるが、鍵盤楽器はピッチの違いに直ぐには対応できなかった。

「そこで、古楽器演奏についてはひとつのモデル・ケースとして、バロック楽器は現代ピッチより半音低いal=415hz(にしましょう?)と便宜的に決められました。しかし、これは一種の妥協案であり、一時的には古楽器のスタンダード・ピッチとなるかに思えましたが、研究が進むにつれ、古の音楽がすべて低ピッチではなく、むしろ高い地方、あるいは半音よりも更に低い地域や時期なども認識されるようになりました。」

「現代のチェンバロは故意に付加された鍵盤シフト構造によって、その双方のピッチに対応できるように制作されていますが、その根拠は曖昧であり、オリジナルの厳密な再現という問題に逆行していると言わざるを得ません。」

「個人的にはこのような事態は健康的な考えとは思えず、可能ならば、解消できる方向に向かってほしいと願うものです。」

久保田氏はこの様に、その著書ではっきり述べておられる。実際のチェンバロではどうなっているのだろうか。

右端に「半音上げ下げする空間」が空けられていて、鍵盤は半音分移動することによってモダンピッチと便宜的に設定された「バロックピッチ」を弾き分けることができる。この便利さがオーセンティシティ=真正性に欠けるのだ。

実際に鍵盤を上げて、目の前でシフトしていただいた。私は、ピアノは全てモダンピッチに統合されていて、バロックピッチのピアノなどないですね、というと、久保田氏も、チェンバロもそうあるべきである、とはっきり述べておられた。それが、今のような「トランスポーズ機構」があるというのは、あくまでも、需要と供給の問題であり、更に言えば、それがないチェンバロは実際の市場では買う人が少ないという現実があるからである。もちろん、チェンバロがモダンピッチでモダン楽器として演奏されることにも問題は無いのだ。お聞きすると、こうした付加機構は、故障の原因にもなりやすく、チェンバロのトラブルの90%は「トランスポーズ機構」の誤った使用に起因するとのことであった。今後、歴史的に正当性のあるチェンバロが生まれることを期待したい。

第2点目の「チェンバロとピアノとの関係」について

これについても久保田氏はその著書の中で明快に書いている。

「チェンバロが音楽史の表舞台から消えた理由については、永い間、俗説に支配されていた。ピアノの発明によって、音量的に不利なチェンバロが淘汰されたという説は、以前から教科書や楽器解説書などによって流布されて、いまだに多くの愛好者に、この誤った認識は刷り込まれてしまっている。チェンバロの実践的研究の立場では、衰退の要因は市民革命など社会事情や、音楽の趣味の変化によるもので、ピアノの音量増大傾向は、チェンバロ衰退の時期からかなり後の時代に起きる現象である。この機会に訂正されるべき事項として期待したい。」

言われるとおり、チェンバロはピアノの音量に放逐されたものではなく、身分社会当時の貴族の富の象徴として、第3身分(市民階級)の社会変革の対象となった点、並びに市民が求める音楽が変化したことにあるのである。実際、チェンバロではベートーヴェンのピアノソナタは、演奏不可能であろう。

久保田氏が非凡であるのは、チェンバロとピアノとの関係を、そうした解説だけに終わらずに、実際に初期のピアノはどういうものであったのかの研究を重ね、しかも、当時の設計図を分析して、独力でそれを作り上げた点である。それが「クリストーフォリ・ピアノ」である。それを制作してからも、更にそれより250年も古いアンリ・アルノーの設計図を基にごく初期のピアノの試作品が、工房にあったので見せていただいた。弾いていただくと確かに、ピアノの様に弦を叩いて音が出るのがわかる。これは世界でこれ一つしかないとのことである。

そして、久保田氏制作の「クリストーフォリ・ピアノ」で、ドメニコ・スカルラッティの曲が演奏されたCDも紹介していただいた。聴いてみると、チェンバロの響きに似ているのだがやはり違う。チェンバロではなく、強弱のあるピアノの響きがきこえてくるのだ。


久保田氏は、自ら制作しているチェンバロとピアノを対立する楽器としてとらえるのではなく、次のように語っている「私はクリストーフォリ・アクションによるピアノの制作体験によって、それまで完全に断絶していたチェンバロとピアノの間にある深い溝に一本の橋が架けられたような、自分の意識が双方に自由に行き来できるような充足感を得ることができた。」

久保田氏の心はあくまでも史的事実に忠実で且つ広いのだ。こうした点について素人の私の質問にも誠実に応えていただいたのが嬉しかった。

来月からは広島で「ルドゥーテのバラ展」があり、そこで久保田氏制作のチェンバロが演奏されるので、広島に行くのですよ、と言われていた。実に忙しく日本全国を飛び回っておられるのだ。

 

 


和風創作料理教室と「秋の酵素作り」

2012-11-26 | 趣味

今日は朝から冷たい雨が降っている。「晴耕雨読」よろしく、終日読書とフルート三昧に過ごすことにしよう。
妻は朝から、月1回の和風創作料理教室に行った。皆さんでわいわい楽しく料理を作った後は、それを食べるという、和やかな集まりとのこと

今日のメニューは、左から右まわりに

揚げサバのごまみそ和え、きのこの黒酢煮、柿のゴマチーズオーブン焼き、サツマイモ、ココナッツ干し葡萄のコロッケ、キュウリの仙台漬け、ホウズキ味噌の清まし汁(鴨肉と餅入り)、豆腐のいそべあん、というもの。

それらを少しずつ持ち帰ってきて(汁は除く)、夕食の時に味見をした。柿のゴマチーズオーブン焼きは、見た目に面白く、味もいい。あとはサツマイモ・ココナッツ・干しブドウのコロッケが、不思議な味がした。もう少し沢山食べたくなろうというものである。

家に戻ってくると、今度はFさんと一緒に、「秋の酵素」作りに励んでいる。
使った材料は、果物(リンゴ、柿、ラフランス、ミカン、ユズ、キーウィ)、野菜(ズッキーニ、サツマイモ、ニンジン、ジャガイモ、大根、ショウガ)、豆類(モロッコいんげん、小豆、ウズラ豆、大豆、花豆)、それ以外にもカボチャやクルミも使ったとのこと。

それらを銀杏切りし、樽に入れていく。1K溜まるとその上に1K砂糖をふりかけ、

また切った材料を重ねていくというやりかたで、最後に発酵助成剤を付け加える。この後は適宜かけ混ぜて発酵を促進させていき、発酵し終わるとできあがるとのことだ。


津金りんご祭りと北杜市合唱祭

2012-11-25 | フルート

朝から青空が広がるいい天気になった。雪を纏った赤岳が美しい。

今日は三代校舎のある「おいしい学校」でりんご祭りがあるというので出かけることにした。りんご祭りの一番の狙いは美味しいりんごを格安でで手に入れることにある。会場には二つのコーナーがあり、一つは無選別で大小の玉が袋詰めしてあるもの。もう一つは、選別していて、玉が揃っているもの。どちらとも一人3袋、3箱までとなっている。

フルート友達のFさんとその友達もご一緒に行く。会場には8時過ぎに到着した。驚いたことに二つのコーナーとも、9時30分から始まるのだが、既に長い列ができていた。並ぶと福引券がもらえて、何がしかのお土産があたるとのことだ。テレビ局がやってきて実況放送を始めた。

私は選別コーナーに並ぶ。これには、5キロと10キロに分かれ、更に玉の大きさや味により、細かく分かれている。皆さん、大きな玉が狙いで、それらは直ぐに売り切れてしまった。売り切れると×の表示が出る。私の前に並んでいる方は、上野原から毎年買いに来ている方。去年までは朝の6時から並んでいたが、今年は、ゆっくりしたとのことだ。

9時30分から列が動き始めた。これでりんごを買える、と思いきや、そうではなくて、ここでは残されたりんごの中から自分の欲しいものを注文するだけだ。その後、今度は実際の販売コーナーへ行き、そこで注文票を出して代金を払うことになっている。その販売コーナーでは、またまた並ばねばならないという、我慢比べのようなりんご祭りだ。ようやく10キロの優を3箱、5キロの優と良3箱を購入する。(Fさんから頼まれたものの含めて)

それらを車に積んでから、福引き会場へ行くと、蕎麦もしくはほうとうの食事券1人前が当たったので、それを食べに行く。三代校舎の大正教室が食堂になっている。

食堂の前でもう1人前のチケット(500円)を買って中に入り、夫婦で蕎麦とほうとうを食べ比べた。

昼からは、高根図書館の横にある「やまびこホール」で「第7回北杜市合唱祭」があるので、それを聴きに出かけた。入場は無料だ。小学生から、年配の方まで、多くの人たちがいろんなコーラスグループに分かれて参加していた。それぞれのグループから特色を生かした楽しい演奏を聴かせてくれた。

敢えて言うなら、「女性合唱団フォンテーヌ」が文句なく聴きごたえのある演奏だった。混成合唱団では「小淵沢エコーコーラス」が良かったかな。何よりも「北杜市・明野少年少女合唱団」の澄んだ美しいハーモニーは実に感動的だった。

皆さん楽しく歌っているのを聴いていると、私たちも歌いたくなってくるというものだ。最後に全員で「ふるさと」を歌うことになったので、思いっきり声を出して歌うと何とも言えない清々しい気持ちになった。


フルートDuo練習と谷桜

2012-11-24 | フルート

今日は、いい天気になったので、朝食後1時間ほど散歩する。散歩道は、落ち葉の絨毯になってふかふかだ。かさこそという足音しか聞こえない初冬の森の中の静けさを楽しむ。

昼からは、Ohimajiさんに清里に来ていただいて、ペンション「ミュー」さんで、フルート・ドュオの練習をする。「ミュー」さんのダイニングルームは薪ストーブを焚いてくれていて暖かかった。

前回の練習が終わってから、Ohimajiさんから、演奏時間が少し短いようなので、あと2曲を追加しましょうか、という話があった。追加したのは「アニーローリー」「チリビリビン」の2曲だ。この「チリビリビン」のテンポ・リズムがなかなか慣れにくくて苦労した。少し練習を積む必要がある。

とりあえず、全12曲を通して演奏してみる。その後、曲の配列とパート決めを行う。それから、本番を想定して通して演奏する。演奏時間は20分ぐらいなので、曲紹介やおしゃべりなどを入れると、与えられた時間内に収まりそうだ。もう一度、「チリビリビン」「ダニーボーイ」「オーソレ・ミオ」など、合いにくい曲を何度か練習すると5時になったので、散会する。次回は、蓼科のOhimajiさん宅で練習することになっている。

練習中に大泉のりゅうちゃんの奥さんから妻に連絡が入って、今日大泉にやってきたから、夕食をご一緒しませんかというお誘いだ。「やりましょう!」ということになって、早速家へもどり、適当に夕食の素材を用意して出かける。りゅうちゃん宅へは八ヶ岳大橋を渡ると20分ほどで行けるのがいい。

今日こちらに着いてから、早速おでんを炊いてくれていて、鍋に溢れるばかりのおでんが出されてきた。
熱々のおでんを頬張りながら、再会を祝して乾杯だ。りゅうちゃんは、谷桜の一升瓶を用意してくれていたので、二人で差しつ差されつ美味しい地酒を味わった。

このほど奥さんは二胡の発表会があった。それが、なかなかのきびいしい教室とのことで、生徒さんの発表は音階演奏。ピアノの平均律とは違う二胡の音律で、一つ一つの音を正しく演奏するのがなかなかのむつかしいとのこと。美しい和音を響かせることの大事さを練習されているようだ。

その後、私のフルートの話になったので、私はフルートの構え方、指運びなどにおいて、「如何に力を抜くか」苦労していると語ると、それが、りゅうちゃんがやっている「ゆるゆる体操」と話が一致した。ソーシャルダンスをしているりゅうちゃんからは、力を抜いて、背筋を伸ばした姿勢から身体を押し出していく運び方とも、話が通じる、オリンピック100メートルで優勝したボルトの走り方にはトカゲのような上体のひねりがある、など面白く、なるほどと言う話を聞かせていただいた。

今年の冬には一緒に、スノーシューやスキーをやりましょうかと声を掛け合って、楽しい夕食会がお開きになった。