水曜日。いつもより、定番商品の入荷が多い上に、雑貨の棚替えで、早朝出勤の末永さんは、そちらへ。
「あ~、居た居た!
」
と言いながら調味の荷出しをしていた私に、桃木車副店長は、販売通知を手渡した。
「棚替えの通知が来てるんですよ。新規と・・・それから終売は半額処分の数をここら辺に記入しておいて下さい。次のページには、こんな風に棚を作れって言う表があるんですよ。にこっ^^;」
バックへ行くと、見知らぬ男性がパソコン画面に顔をくっつけるようにして、熱心にお仕事中だ。昨日は雑貨、今日は調味の棚替え要員がここに出入りしている。彼らはパソコンで価格チェックもしていたし、業者さんだと思い、一度はパソコンに全神経を注いでいるような雰囲気も手伝って、挨拶せずに彼の後ろを素通りした。
再び売り場へ行く途中、真横から見ると、
「あれ?店長、こんにちは
」
店長はパソコンから目を離さず「こんにちは」と言った。
その5秒後、店長は回転式の椅子をクルリと半周し、私を真正面から見て言った。
「こんにちわぁ~~~(*^0^*)」
まっ・・・満天の星空に輝くような笑顔である。
只今、笑顔の大特価中・・・は、本来、南副店長の得意技だったと思うが、店長まで・・・。
店長の隣で同じくパソコンの前に居た桃木副店長も、店長の笑顔にウケていた。
「私服だと、誰だか分かりませんね」
「見つからないようにしてるんです、これに集中したいから。見つかると、すぐに話しかけられるから
」
なっ・・・なるほど。
4月1日から、「こんにちは」や「お話の最後」に、(*^_^*)にこっとするのがブームなんだろうか?
今、店長の隣で笑った桃木車副店長こそ、ここへ配属になった日から笑顔で締めくくりを実践している。
新上司の内山さんも、「こんにちは、ニカッ^^*」
高田さんは、「こんにちは、にやっ」
あと、社員でニコッを実践していないのは・・・。
川石さん!
この時、矢木さんのセリフが頭をよぎった・・・。
「グロッサリーの男性陣、全員を女装させたいね!南副店長が一番似合うよ、きっと。川石さんが、一番似合わんよ
ぎゃははあっ~」
いつも真面目顔な川石さんが50の手習いで、
「こんにちは、(ここで数秒の間を取ることがポイントそして・・・*^_^*)にこっ」
を突然、始めたら・・・!?!?
「どっ・・・どうしたの?川石さん??何か、ヘンなもの・・・例えば、笑いが
おさまらなくなるキノコとか・・・食べて、あたったの!?」
矢木さんは、大ウケする事、間違いなし!でしょうが、岸辺さんは、きっと動揺を隠し切れないでしょう・・・ね??