韓国には 月の街 或いは 山の街 と呼ばれる場所があるそうです。
階段を登った高台の地域に貧しい人々が暮らしている地区があり、月により近い街、という意味から、そのように呼ばれているのだそうです。
そういえば、韓国ドラマ、『春のワルツ』をみた時、主人公の女の子が住んでいた風景が思い出され、あぁ、あれが月の街、山の街なんだ、と ぼんやり考えました。
今日、ご紹介するのは、そんな月に近い場所で生まれた実話をもとにした心温まるストーリーがいっぱい詰まった韓国の童話集です。
たとえば、訳者も 「あとがき」で触れているように、韓国人って時に常識では考えられないような突拍子もない、思いつきもしない行動を取ることがあります。
思わず、「えっ!? それって、ほんとうなの?」と聞き返してしまうようなこと。
この童話に登場する人達の行動に目を丸くする場面もあります。まぁ、そこは あくまで童話、つまりはフィクションなのだから、いいとして、宝物とは物質的な貧しさなんて関係なく、人の心の中にあるのだ、ということを再確認させてくれます。
残暑厳しい夏の夜、薄明かりの中で読みながらも 何故か物語の中の雪の情景が浮かんできてしまいます。
挿絵も どこか ほっとさせてくれる、物語にそっと寄り添っているかのよう。
著者は 韓国の教科書にも採用されている有名な作家さんだそうで、イ チョルファン 『月の街 山の街』
韓国では かなり話題になった童話の翻訳版が、ついに日本にも上陸したというわけです。
そして訳者は…誰だと思いますか?
日本で彼の名を知らない人は、恐らくいないでしょう~
スマップの 草なぎ剛 さんです。
音楽活動のみならず、ドラマ、映画、司会、バラエティー番組にも顔を出す剛くん。
そんな彼がどのような翻訳をするのだろうか、と それだけでも話題を呼びそうですよね。
今年、2月下旬に発売された、まだ新刊です。
すでに図書館にも入荷されていますので、一度、手にとってご覧下さいませ。
すず