もしも世界が塩害にあい、滅びるとしたらー?
だけど。
もし、
「自分の命と引き換えに、世界を救うことが出来るかもしれないんだ」
自衛官で、大人で。
いざという時、命を捨てる覚悟の自衛官と。
高校生でしかない自分には手が届かない、
いや、その前に、そもそも民間人の自分と非常事態でなければ出会いの接点なんて、なかった筈なのにー。
「行かないで。あなたが生きていなきゃ、世界があっても自分が生きる意味がない」
高校生の真奈は、そう思ってしまうんですね。
純愛ラブストーリーであり、
「好きな相手を失う代わりに、世界は救われる」
それとも
「滅びゆく世界を目の当たりにしつつ、好きな人と最期を迎える」
…
あなたは どちらを選びますか?と問われるのね、作者である有川浩さんに。
人が塩の結晶になる、なんていう奇想天外なストーリーなのに、無茶な感じがせず、最後まで一気に読まされてしまいました。
ほぼ、休憩なしで。
自衛官、秋庭30歳。
彼より10歳年下の高校生、真奈の純愛ラブストーリー。
現役高校生か、大学生の頃に読んでいたら、(無理ですが…なにせ作家と私はほぼ同世代ですから)もっとリアルに感動しただろうなぁ…と。
個人的には、デビュー作である『塩の街』よりも、先に読んだ『空の中』の方が、ずっと琴線に触れました。
数ある有川浩作品の中で、私が一番好きなのは、「空の中」です。瞬とフェイク。今も自分の中で自由に生きているみたい…