一日の終わり、夕暮れ時から深夜にかけて~ 読書をするとしたら、最も多いのがこの時間帯。坊ちゃん忍者は4日もかけて少しずつ読みましたが、アラビアンナイトは昨夜から一気読みでした。知らない、或は一度も読んだことがない著者の本を読んでみようと思い、借りた本の内、2冊目がこれ!『新アラビア夜話』夜、寝る前に誰かに語ってもらっているような気分になる文章なので、まさしく夜読むにはもってこいの一冊です。
「これで(とわがアラビア人の著者はいう) 「クリームタルトを持った若者の話」は終わる。…途中、略。「自殺クラブ」の会長の冒険の続気を知りたい方は、「医者とサラトガトランクの話」をお読みになるとよい」(60ページから抜粋)2007年 光文社 訳者:南條竹則 坂本あおい
最初にこの本を手に取った時点では、アラビアンナイトの続編かな、と思っていたのですが、千夜一夜物語ではなく、著者はイギリスの詩人であり作家。(1850-1894)『宝島』が代表作。
本家の千夜一夜物語は、訳者の解説によると、フランス人のアントワーヌ・ガランによる翻訳が1704年に出て、ヨーロッパで爆発的人気となり、その後、タケノコ式に趣向をまねた?アラビアンナイトが出版されたそうです。
ボヘミアの王子、フロリゼルと大佐が身分を隠し、ロンドンの夜の外出先で、冒険というより生死をかけた騒動?に巻き込まれるという冒険物語。相手が王だと知らず、「クリームタルトを食べてくれたら…」と皿を差し出す若者。そこから予想も出来ぬ事態へと話が進んでいき… ひくにひけない、逃げようにも契約を交わしてしまった…さて、どうする? 一話読んだら、もう一話、更に一話と読み進めてしまう。だって、一旦は完結した話とはいえ、「あの人の、その後は?」やっぱり知りたい、となる。
いずれ本家の千夜一夜物語も機会があれば読んでみるとして~
ついついクリームタルトが食べたくなる、でも、こんな怖いことに巻き込まれるなら…と、今後は ちょっと躊躇してしまうかも? そんな新アラビア夜話、是非、寝る前に一話、どうぞ~