秋は夕暮れ 夕日のさして・・・
清少納言の枕草子書き出しの秋のところの文言です。
11月に入っても夏日が記録されるなど、猛暑が続いた今年でしたが、
それでも秋は確実に訪れてくれたようです。
すぐ近くのマンションの、庭園通路沿いの光景を描きました。
絵としての出来栄えはともかく、ほぼ原風景に近い光景(10月末)です。
赤い梅もどき(?)の実、黄茶色づいた欅(中央奥)、茶紫の渋いハナミズキ、落ち葉、
そして何より夕日と、秋の風情は満載です。
そして何より夕日と、秋の風情は満載です。
一応意を用いたのは、色の配置、遠近感そして光と影。
点景人物は、この絵では入れない方がいいかなと。
自然は、赤と緑、黄色と紫など補色関係と、絶妙な色の組み合わせを準備してくれていました。
両者を強調すると目が疲れますので、黄色と紫はやや抑えめに。
遠近は、通路の幅で自然に形成されていますが、右手前に樹木を置きました。
最も腐心したのは光と影です。
画面ほぼ中央、ひと際光が当たった通路の曲がり角付近が光の境界で、
画面左奥が西になります。
斜め逆光の木漏れ日がこの庭園に差し込み、秋色を深めている・・・そんな雰囲気を。
紅葉の色彩バランス、紅、黄、橙、緑も残り西陽があたり鮮やかな、まさに錦の織り成す自然美、日本人に生まれて良かった、を感じる作品です。
素晴らしい自然の構図を生かすひと工夫、右手前に太めの樹木を描き込み、逆光を印象付ける光線(木漏れ日)、特にさり気なく描かれている道端の落ち葉、とても好きな雰囲気です。
西日の木漏れ日が何とも言えず良い雰囲気を醸し出していると思います。
配色も自然とは言いながら絶妙ですね。
小鳥の声を聴きながらゆっくり歩いてみたい気がします。