『至誠一貫』と書きました。(110㎝×35㎝)(画像処理でフィルター掛け)
お手本は、テレビ時代劇専門チャンネルで放映されていた
「遠山の金さん」のお白洲(おしらす)(奉行所の罪人取り調べ所)に
掲げられている扁額(横額)からです。
それも松方弘樹さんが金さん役をやっているときのものです。
この頃は地上波テレビが全く面白くなくなり、
ケーブルテレビの上記のチャンネル等をちょこちょこ見ています。
ある日このドラマを見ていましたら、番組終盤の山場でこの4文字が目に留まりました。
堂々として、(もっともらしくいえば)正邪を裁く場にふさわしい字で、
思わず書いてみたくなり追っかけてしまいました。
ドラマのタイトルには真似したくなる字もありますが、
ドラマの中の扁額などの字は、あったとしてもチャレンジするのは珍しいかもしれません。
ドラマの中の扁額などの字は、あったとしてもチャレンジするのは珍しいかもしれません。
このテレビでの「遠山の金さん」、テレビ朝日さんの説明(web版)によると、
1970年、初代・中村梅之助さんから始まり、
途中の中断はあるものの、七代・松平健さん(2007年)までと続き、
その中で長めに続いたのは、
四代 杉良太郎さん(4年、131話)、五代 高橋英樹さん(3年、198話)、
そして六代 松方弘樹さんは約10年間(1988年~98年)(219話)となっているようです。
額『至誠一貫』の言葉は初代の時から、それこそ“一貫”してこの文字が掲げられています。
ただその筆跡は代によって変わり、また同じ代の中でも途中で変わっています。
松方弘樹さんの場合も(自分がネット上確認できた範囲では)、
微妙に違うのが少なくとも3種類はあるようで、
そのうちのⅠ枚をお手本にさせていただいた次第です。
実はこのお手本となる文字をネットで探すにしても、
4文字揃ったものはなかなか見つかりませんでした。
結局Youtubeで、部分的にこの書が出ている画面を探し、
それを写真にとり拡大、集成してお手本にする・・・という作業でした。
『至誠』とは“きわめて誠実なこと、またその心、まごころ”をいい(明鏡国語辞典)、
「至誠一貫」、「至誠通天」などの熟語で使われ、幕末の志士 吉田松陰の座右の銘でもあったようです。
丁度この4文字を練習しているとき、
大谷翔平選手が米大リーグという大舞台でAリーグMVPを受賞したとのニュースが。
受賞後の、彼の特集番組などを見ていますと、彼の図抜けた能力もさることながら、
その言動には野球に関連するすべての人や物や事象へのリスペクトに満ち溢れていました。
大谷選手は異次元過ぎて、彼にこの言葉が合うのかどうかは分かりませんが、
誠実・まごころ一筋という観点からみれば、
彼の野球への姿勢こそは、『至誠一貫』そのものではないか、とも。
作品は力強く歌舞伎役者が見栄を切った時のように堂々としていると思います。遠山の金さんがこれが目に入らぬかと言った時の感じですね。
それにしても何時ものことながら良くお調べになっているとこれまた感心します。
大谷選手素晴らしいですね。心身ともに異次元の世界で頑張られていると思います。
戦後間もない時代の娯楽、勧善懲悪もの映画は、水戸黄門、銭形平次、大岡越前など多いですが、金さんの桜吹雪には目を奪われたもののお裁きの背景扁額に焦点を当てることはなかったです。
解説を読んで、書を見ると「なるほど感」満載でした、作者の多様な視点とチャレンジ精神にはいつも感心させられていますが、時代劇も視点を変えると面白味が増しそうです。