古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

筆(イタチ毛大筆の練習)(翁の戯言 ロシアによるウクライナ侵攻その2)

2022-03-07 06:59:57 | 書道

『筆』なる文字を書きました。
(半切ほぼ1/2ほど(35×65cm)大、画像処理でフィルター掛けを。)

お手本は、先に『義』を書きましたのと同じ高塚竹堂先生の「書道三体字典」(野ばら社)
にある字の行書体です。
筆もその時と同じイタチ毛の大筆(穂長8㎝ほど)で、
2年弱前、家内のお友達がお亡くなりになった時、形見にいただいた筆です。
紙の大きさは前の“義”より一寸大きく半切1/2弱に一字を書きました。
今まで書いた字の中では最も大きな字になります。
仮名は仮名の良さがありますが、漢字一字だけをこの大きさに書くと、
何か落ち着いた気分になるものです。
留意しましたのは、何と言っても『筆』の字、
拙ブログの書道でも水彩画でもお世話になっている特別に大事なものです。
それなりに構えました。
イタチ毛もこの大きさになりますと、線の太細の変化に苦労しましたが、
ここは羊毛筆で練習した“筆を立てて(小休止して)筆先を揃える”という手法によりました。
これでも練習数十枚、おかげで墨汁が一気に減ってしまいました。



[補記]
翁の戯言
ロシアによるウクライナ侵攻(その2)

今、世界も日本もウクライナ情勢で持切りです。
CNNテレビは殆ど一日中このことを流していますし、日本のメディアも新聞、テレビともトップ扱いです。
遠くて日ごろは関心の薄い国々のこと、分かりにくいことだらけですが、
あえて単純化して、
二つの戦争に区分してとらえてみるのも一案かなと思います。

一つは当面、目の前で起こっている「ロシアによるウクライナへの侵攻」であり、
もう一つは底流をなす「米ロの戦い・経済戦争」です。


 
まず一つ目の「ロシアによるウクライナへの侵攻」についてです。
その内容は連日報道されています。
プーチン当面の侵攻目的はウクライナの非軍事化、中立化とされていますが、
その背景にはより大きな目的(例えば旧ソ連邦、旧大ロシア帝国、大・小・白ロシアなど)
があるのではと取り沙汰されています。

戦況は当初の予想からは遅れて、本日(3月7日)朝現在、
首都のキエフは陥落せず、大統領も継戦意志を表明しています。
ロシア軍の攻撃も、民間人・施設を攻撃したり、原子力発電所を攻撃したりとかなり荒っぽいものになってきています。
100数十万にも及ぶ難民が周辺国に避難しているのも大きな問題となっています。
米欧即ちNATOは直接的な派兵はせず武器などの支援にとどめ、
このためウクライナは外国人を含めての志願兵を募っているとのことです。

この侵攻に関する報道はロシア側の不当性や残虐性が繰り返され、
圧倒的に劣勢な戦力比のなか、勇敢に戦うウクライナ国民の姿が映し出されています。
また、世界各国からロシアへの批判とウクライナへの応援の声が集まっています。

ただ米民主党尖兵役であるCNNの報道は、ある明確な意図をもっての報道
であることは、先の米国大統領選でいやというほど見てきましたし、
日本のメディアも欧米(それに中国も)の意向を受けたものが多く、
見る側も、逆にこちらからフィルターをかけて見るべきでしょう。

戦争の帰趨は予測できません。
日本国内では早く降伏した方が一般国民への被害も少ないのではないか、との声がありますが、
これは、彼らの中に自然に発露する愛国心や自分の家族などのため
命を懸けて戦うウクライナ国民に対し、大変失礼千万なことであり、
例え降伏してもあのロシアのこと、虐殺されるか、捕虜として収容され餓死するかだと思われます。
あるいは、後述します様にロシア本国が怪しくなったときの交渉材料に利用されるかもしれません。


 
二つ目の「米ロの戦い・経済戦争」についてです。

こちらも単純化して言えば、
冷戦末期、ソ連邦はアメリカから軍拡競争という“経済戦争”を仕掛けられこれに負け、ソ連邦は解体しました。
そして30年を経て今回、ロシアはウクライナへの侵攻を受け、今までかってないほど強烈な“経済制裁”を課せられることになりました。

ソ連邦が解体したあと、旧ソ連圏だった国々が雪崩を打って西側に組み込まれてきました。
ウクライナもその地理的位置から
親ロシア政権が出来たり親欧米政権が出来たりを繰り返してきたようです。
米国はウクライナに対しても関与を進め、
2004年ブッシュ(子)政権支援のオレンジ革命を経て、
2014年オバマ政権(副大統領バイデン)時には特に強くテコ入れし、それ以降親米色が強くなり、
近年では自らもNATO入り希望を公然と行うようになっていました。

ロシアから見たら、最後の橋頭堡たるウクライナがNATOに組み込まれることは、
即、自らへの脅威と感じ、断じて許せなかったのでしょう。

 しかし今回の侵攻を受け、米(NATO)は、
自分たちが直接ロシアとの軍事衝突することを避け、
米・英・EU・日として、SWIFTとよばれる国際銀行間通信協会から
ロシアの金融機関を排除するという経済制裁で対抗しました。

ウクライナに“NATOへ来い来い”と誘いに誘い、結果ロシアに侵攻されたら、
(武器等の支援はしてやるが)戦闘行為はウクライナだけでやれ、ということでもあります。
梯子を外されたウクライナ大統領の「NATOよ助けてくれ!」との悲痛な声が聞こえます。

 そしてこの侵略への制裁がSWIFTからの排除です。
これは金融の核兵器とも呼ばれるそうで、
ロシアの主要な武器である資源のやりとりも計算され尽くされたもので、
既に影響も出始めています。

いうなればアメリカは(ホットな戦いでなく)冷戦が終了したときと同じように、
再び“経済戦争”でロシアを追い詰めた格好になっています。

侵攻が長引けば国力が絶対条件でしょうが、
ボデイーブローを受けたロシア本国が、これから国力や体制を含めてどうなるか大変注目されるところです。
外国メディアのロシア国内での報道統制が強められましたので、情報が入りにくくなることでしょう。
本当に最後の最後、窮鼠猫をかむどころではなく、白熊最後の大暴れ!があるかもしれません。

ロシア側との仲介役の模索も一方では始まっているようです。

ところで、この
『ウクライナにNATOへの誘いの餌をぶら下げ、
ロシアをして手を出すほかないほどに追い込み、
手を出したプーチンに、
NATO自らは手を汚すことなく、
SWIFTからの排除等という経済制裁で最後のとどめを!』

という全般シナリオがあったとすれば、
別の言い方をすれば、二つの戦争が見えないところで繋がっていたとすれば、
一体誰がこのシナリオを書いたのか、気になるところです。
もうしばらく情報収集を続けたいと思います。


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2 コメント

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Unknown (mori)
2022-03-07 07:22:32
素晴らしいですね。
堂々としていて、なおスムーズな筆運び、力強さ・・・私はこの様な字が大好きです。
書道教室の額になりそうですね。
ロシアによるウクライナ問題、仰る通りだと思います。
ウクライナが物理的暴力にどこまで持ちこたえられるか、ロシア経済が今後どのような展開になりそれをロシア国民がどの様に感じるのか、またそれぞれの国がどの様に絡むのか・・・
返信する
Unknown (サガミの介)
2022-03-07 07:41:22
仮名文字の優しさを多く見てきたので、この雄々しく勢いと存在感がある書は圧巻です。
穂長8㎝のイタチ毛の大筆、使いこなすには修練が必要なのでしょう、いつも感じる作者の多才な挑戦を讃えたいです。
ウクライナ戦争に見る世界の動きには驚きと怒りと悲しみが交ります。
影で裏で陰謀があるとすれば白日の下に晒さなければ犠牲になる弱者は救われないです。
解説を期待しています。
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