古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

古筆・書家による夢・ゆめ​(翁の戯言 ロシアによるウクライナ侵攻その1)

2022-02-28 06:59:17 | 書道
前回の「らしい文字」との関連で、
古筆や書家による『夢・ゆめ』の字を集めてみました。(作者の尊称略)


「夢」は自分がいつもお手本にしている松本芳翠先生と
明の時代(1,600年前後関ケ原の頃)の董其昌という書家の字を選びました。
正統派と申しますか、明るく、“夢がある”雰囲気を感じるからです。

仮名の方は上掲の上の方から

本阿弥切  ゆ(遊)め(免)ぢ(遅)に(尓)も露 
高野切第三種 よのな(那)か(可)はゆめか(可)うつ(徒)つ
杉岡華邨 無常の夢ぞ(所)さめ(免)
桑田三舟 ゆめ(免)さませ
熊谷恒子 あさき(支)ゆ(遊)め(免)み(三)し

・・・となっております。
感嘆しながら上の貼り付け作業をやりました。
今回の拙コメントは無しであります。


[出典]
松本芳翠:行書手本
董其昌:角川 書道字典
本阿弥切:「本阿弥切古今集」(仮名古典の学び方2 二玄社)
高野切第三種:「高野切第三種」(日本名筆選5 二玄社)
杉岡華邨:「杉岡華邨 書と人」(ビジョン企画出版社)
桑田三舟:「書の心 かなの美」(NHK出版)
熊谷恒子:「書道 かな」 (マコ―社)


[補記]
(翁の戯言)
  ロシアによるウクライナ侵攻(その1)

久しぶりにと申しますか、凝りもせずと申しますか、
自分なりの纏めと勉強のため、「翁の戯言」を述べさせていただきます。
一昨年秋の米国大統領選挙以来のことです。

ロシアがウクライナに侵攻しました。
まさかと思っていたことが起こっています。
冷戦が終わりソ連邦が解体したあと、
旧ソ連圏の諸国がNATO入りして東方への拡大が進み、
ウクライナはロシアからすれば最後の橋頭堡であったに違いありません。

プーチン当面の狙いは軍事的に現政権を転覆させ、
この国を再びロシアのコントロール下に置くことでしょう。

ロシアという国の極悪非道ぶりは、我が国も嫌というほどに経験済みです。
広島に原爆が投下された直後に、
旧ソ連は結んでいた中立条約などお構いなしで対日参戦し、満州や南樺太を攻撃、
何と終戦の詔書が出された8月15日を過ぎた後もなお千島列島や北方四島を攻め続けました。
それどころか57万5千人にのぼる日本人を捕虜としてシベリアで長期にわたり抑留しました。
うち亡くなった方は1割にあたる5万8千人と言われています。
国際法規も国家間の条約も人道上の道義などあったものではないのです。

今回の侵攻をみて、
ソ連時代のハンガリー動乱(1956年)やチェコ事件(1968年)におけるソ連軍の侵攻を
想い起しました。
自分の勢力圏にある国に対しても、
その秩序維持のためには平然と武力をもって侵攻してくるというこの国の行動原理です。

今回の侵攻に際しプーチンが行った演説に
“軍事分野でロシアは現在、世界で最も強力な核保有国の一つであり・・・”
の文言がありました。
核を保有する大国の大統領が核による恫喝を平気で公然と嘯いているということです。

ロシアは今回の侵攻に当たり、侵攻した場合の米国や英国、EU/NATO等の動きは計算済みでしょう。
米国は事態が危うくなると自国の大使館員などをウクライナから退去させ、
ウクライナへの直接の派兵はないことを早々と意思表示していました。
米国の派兵が無ければNATOもありませんし、国連などは最初から無視していたでしょう。

昨日(日本時間27日)、米欧主導でSWIFTと呼ばれる国際銀行間通信協会から
ロシアの金融機関を排除することが決定されました。
ロシアは相手の輸入国から天然ガスなどの代金回収が出来なくなり、
ロシア経済へは深刻な打撃を与えるだろうと観測されているようです。
SWIFTからの排除は金融の核兵器とも呼ばれているようです。

そもそも論で言えば、NATOがここまで拡大したのも、旧ソ連圏諸国からロシアが嫌われたからであり、
アメリカが表に裏に関わってきたからでもあります。
後に述べます米国政府やバックの勢力の狙いも、
最後の最後、ロシアにウクライナへ手を出させて、
それへの強烈な経済制裁という手段をもってプーチン潰しを図る・・・
との見方もあるようです。

ただロシアとしては、経済制裁を受けてもそれを上回る安全保障上の意義を認めての侵攻でしょうし、
皮肉ながら制裁慣れしたロシアのこと、
対中国をはじめとする代替手段を相応に準備してのことだとも思われます。


一方、ロシアの主敵である米欧をプーチンはどう見ているか、
その底流部分を、あえてプーチン側に立って見てみようと思います。

米国の影響下にある日本のメディアはロシア批判一色です。
しかし、こちら自由主義側は本当はどうなっているのか、
どんな問題が内在し表面化しているのか、
先の米国大統領選挙を通じ見ましたように、
日本のメディアは、自由主義と言いながら既に自己批判が出来なくなっています。
そんな中、相手方プーチンが、こちら自由主義の現状について、
極めて的を得た指摘をしている演説があるのです。

それは、YouTube 「ウクライナ情勢 林千勝氏の見解」 (ニュートラル河合氏編)で、
林氏が紹介されている、昨年の「ダボス会議でのプーチン演説」です。
自分も、日ごろは見たこともない在日ロシア大使館から出されているこの演説全文を
プリントアウトし、これを参考にさせていただきました。

演説の細部は次回以降にしますが、ここでは、いわゆるグローバリズムの問題点などを
実に明快に述べています。
相手の欠点はよくみえる・・・ということでしょうか。

集権的な世界秩序の構築(同演説でのプーチンの言葉)を目指すグローバリズムは、
一昨年の米国大統領選挙で、
不正もかまわず剛腕を発揮した国際金融資本家を中心とする勢力(バイデンのバック)が主導するもので、
それぞれの地域や伝統や文化や歴史を大事にしようとする勢力を、
それこそ手段を尽くして排除しまくっています。

アメリカではアメリカ第一を掲げたトランプが狙われ、
今のロシアのプーチンも彼らの排除対象ということのようです。
(更にその次は習近平???)

プーチンの闘いは彼らとの闘いでもあるということのようです。

ワルとワルとワルの闘いといったところでしょうか。

今回、ウクライナの状況を知るのにCNNをよく見ました。
先の大統領選挙ではバイデン側のメディアの尖兵役を演じたテレビです。
バイデン上げ・トランプ下げの偏りが余りにひどく、しばらく見ていませんでしたが、
こういう戦場などの現場の情報は日本の報道機関など足元にも及ばず、
さすがと思わせるところがありました。
(ただ、今回はCNNの立ち位置を知った上でです。)

グローバリズムの尖兵役CNNがよく“ONE WORLD”とのCMもどきを発信しています。
“一つの世界”とか“世界統一”とか聞こえはいいようですが、
彼らのいう一つの世界の実体がどういうものなのか、知っておく必要があります。

「一握りの大金持ち中心の絶対的支配者のもとに、
その他大勢は奴隷のようになってしまう」
・・・そのような世界ならまっぴらごめんですが、
どうやら世界はその方向に向かっているようです。
プーチンのダボス演説などを参考にしながらもうしばらく勉強してみたいと思います。

勉強しても“詮無いこと”ながら・・・です。


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2 コメント

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Unknown (mori)
2022-02-28 07:24:22
夢は希望のある言葉ですね。何時の世にも正に欲しい言葉です。
書家によって色々な表現があるものだと感心しつつ、私はイメージとしては董其昌の夢が好きです。
ところで、今までの歴史の流れ、それぞれの国の事情はあるのでしょうが、その解決策を一方的に軍事に訴えたことはやはり暴挙と言わざるを得ないと思います。そう言うことによって罪のない人々がどれだけの被害を受けるかは過去の体験が教えるところです。
しかしながら世界の国の中にはその様なリーダーが必ずいることを日本国民もしっかり自覚をして早く平和ボケから脱却することを願っています。
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Unknown (サガミの介)
2022-02-28 12:09:54
夢と希望は、いつでも心に持ち続けたいものです。
漢字の素晴らしさは、字を見ただけで心もその雰囲気を味わえることでしょうか。
特に松本芳翠先生の「夢」から「ゆめ」を感じます。
夢と希望を打ち砕くプーチンの暴挙、許されるものではないですが、国防を真剣に考えない国はこうなる、の見本を見せつけられていると感じなければいけないと思います。
自分で守る強い意志と努力、強固な同盟により、ならず者だらけの周囲から自由と平和を維持したいものです。
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