汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

相対する心

2023年01月07日 | 奇想の詩

不自然に 相対する心

見せつけて この手のナイフを

振り翳して 吠える


美しく歪む 景色に心色めく

その手が この生命 摘むまで


微風の吹く夜に

煌びやかな終わりを感じた


寒空に聳える

美を連想する


その目に湛える 鮮やかなる死相を

心に灯して そっと潰える

記憶の海を潜り 独り

闇の凍える 寂れた唄を歌う


その手から溢れる想い

不可思議なる この闇が

あなたを覆い 呑み込んでいくのは

この寒空に流れる 星々の

夢のような愛を この胸に感じたから


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まがいもの

2022年08月24日 | 奇想の詩

流れ行く 

咲き始めた花に埋もれて

沈む 夕暮れ


足元に満ちるのは

無数に乱れる手


幻想の最中

膨れ上がる 身体

しわがれた声

無数の手

矛先は あなたのその瞳


愛を与える

愛しき眼差しに

潤む涙

色鮮やかに 噴き出す

まがい物の希望

寂れた景色が 刻々と

沈んで行く


色鮮やかな

死相 苛む 生命

生を懐き 膨れ上がる

まがい物に埋もれて

寂れたあなたが 刻々と

花 開いて行く

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詩 祈る

2021年12月04日 | 奇想の詩

祈る 

ひらひらと

せめぎ合い 不確かなる

闇の世界へと

噴き出して 和やかな唄に

言葉を染める

 

苛立ち 降り頻る

雨に揺られて

爛れ陥ちる

この胸の皮膚を抉る

焼け跡

 

自然の理なら いっそ

これが宿命なら

尚の事

この手を放して

無為と静寂が木霊して

見上げた

破壊と因果が 交差して

尽きぬ生命の

息吹に手をかける

 

爛れ ただれ

抉る えぐる

 

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詩 夢みたい

2021年07月16日 | 奇想の詩

晴れ渡る

あの日の陰がうつらうつら


しゃがみ込み

袖が風を誘い 花が笑う


流れる 一抹の刻を 幾つもの

宙を描く放物 なぜ夢の跡は


この胸の裡を抉るのだろう


寂しげな瞳に

ねぇ どうして

鮮やかな 穹は 永久の約束を描くの

華々しく いじらしい

花々の散る 姿


雲間に翳る

花びらは 幾つもの宙を描いた

夢の跡


晴れ渡る

あの日の理由が


しゃがみこみ うつらうつらと

夢現を誘う 花の薫り

眠れぬ夜を いつまでも

この手の中で 抱きしめてあげる



穹→そら


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叙事詩

2020年05月18日 | 奇想の詩

この世界は 混沌

虚な響き 紛う 白髪の光

照らされて 托鉢の木々が揺れる

 

輝かしい 憂鬱なひと時は

揺籠の中で 拡がって行く

 

騒々しい 波風に煽られ

涼やかなる 湖畔の静寂

この手にすくう

白水の心地 涙に燻る 寂れた時間の綾

それは 永遠の夢路

 

かつての夢に

潰えた 風の旋律

愛猫に唆され その尾に導かれる

 

繰り返される

迷宮への路のり それは何処の風に

退廃の香り 一抹の不安に駆られ

この命 黄葉に散る

 

定めに抗えず 退廃への一途

再び訪れる 眠りの瞬間に

一抹の不安

 

鮮やかなる 色彩に

紅葉色めく伽藍は かつての静寂に

訪れし 夕闇に 優艶の湖

艶やかな 波に揺られ 湖沼は震える

 

夜闇の声音 微かにそよぐ平穏に

釣鐘は鳴り響く

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この手に引かれて

2020年05月16日 | 奇想の詩

海底の奥底へ

誘う この手に引かれて

 

陽明のちらつく

ここは未知なる 巣窟

あらゆる場所が 流転している

 

此処にあるわずかな小波さえもが

起承しながら 転結する

 

永遠の終わり

静寂の源は いつまでも

霧消と雲散を繰り返して

現れるものたちが 総て

まるでいたちごっこのような

夢と現

 

夢現

 

そう 走馬灯の街並みは

海底深くに沈んで 雲散霧消

 

起承転結の業を背負い

まるで生き急ぐ 

のれんに腕通しのような

静寂に総て溶けて行くように

 

夢現

 

夢と現が交差して

やがてすべてが消滅してしまうまで

斜交する陽明 ちろちろと

この手は

海底のさらに底へと誘う 

 

 

 

 

 

 

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詩 黒い雨に

2019年02月06日 | 奇想の詩



鳴り止まぬ 雨音
滞る 足音はさめざめと泣く 景色
降り出した 黒い 憎しみの煙霧

鼓動の荒ぶ 心模様に
身体が張り裂けて ねぇ
言葉はもう ニ度とは話せないの?

送葬の風は 軋む宙に満ちる
延々と続く 群れに 飛沫する黒い雫
怨恨さえも忘れた
その顔には 永遠の眠りを下さいと
懇願している

苛む 仄暗い 午後の兆しの中で
耄碌の時代を映し出す

戦い 永久の眠り
永遠の歌を 謳う 此処は何処?
永久に 眠り 黒い雨に 踊りながら
言葉も もう話せないから

"あなたが憎い"

降り出した 雨は 心 躍る
煙霧に咽び 泣き
波状の風は 幾たびの過ちを
祓い落とすから

"ねぇ ちょうだい"

喪った言葉 張り裂ける身体
黒い雨に濡れて 寂しくて
もう このまま 眠ってしまうの?
夢に見た
午後の太陽 赤く染まる この地を
眺めるように まるで さよならと
その手を振り払ったかのように

仄めかす 暗雲 立ち昇る
降り出した雨 黒い雫 滴る
この身体は もう何も感じないから


ねぇ どうして?
降り出した 黒い雨に 身体躍る
黒く焦げた 涙を噴き出す

ねぇ どうして?
この世界に飛散した 光の中へと
燃えて散る
鮮やかな 死相が入り混じった
送葬の群れを

赤く張り裂けた身体
もう 言葉は話せないの
ねぇ どうして?
ねぇ どうして?

ねぇ どうして?
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詩 声に唆されて

2018年11月05日 | 奇想の詩



別つ瞬間を想う
身体 強張りし 響音に偲ぶ声
雨音の清 静寂と心音が 揺れる

抱き抱えた ままのその命
滾る水音 絶え間の無い 心拍
消えた 路跡 波状の憂鬱
盲滅法の悪戯

巡り逢い 別れ道に
今宵誘う やがてその手に魅かれるまで
抱き抱えた ままのその命
やがて穿つ 闇の戸口 響音を偲ぶ
声に唆されて

雨音の清 静寂と心音が乱れて
消えた 路跡 憂鬱の雨に 波状の蔭を
やがて穿つ あの闇の裡まで

壊してあげる
孰れ 静寂に還える 瞬間の
無垢な生命
やがて穿つ 闇の戸口 その心音を偲ぶ
声に唆されて

偲ぶ しのぶ
滾る たぎる
唆されて そそのかされて
孰れ いずれ
穿つ うがつ
響音 きょうおん
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詩 宵の湖畔

2018年10月20日 | 奇想の詩



雨音の滴る 澱んだ風景
時雨さめざめと 吹き付ける 陰鬱な風雲
行燈の陰 灯る 黄昏の時間に
妖しく光る 草々 朧ろな 月影との共振

震えている 騒々しい雲間の月は
流し目の描く 弧状の仕草
鮮やかなる 湖面 波状の揺らめきに

頭を垂れる 穂
遡上する 刻の 流れに逆らいながら
湖畔の宵は 燦めく光と斜交い 翳り行く

意気消沈の 風景に 射す月明かり
零れ落ちる 雨音
湖水の反響 染み染みと
光点々 揺ら揺られ
撹拌と混合を繰り返しながら
やがて 時間の意味さえ 失って行く

雨音滴る 澱んだ風景
光点々と 湖面は波打ちながらも

拡がりし響音 さめざめと泣くように
夢幻と漆黒 綻び散る 象形
撹拌する光 反響する景色の中で
まるで 相対するように
射す 静かな月明かり

頭を垂れる 穂 深緑の季節
遡上する 刻の 流れに逆らいながら
湖畔の宵は 燦めく光と斜交い 翳り行く



燦めく きらめく
翳る かげる
斜交い はすかい
撹拌 かくはん
響音 きょうおん
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福音の聲

2018年07月22日 | 奇想の詩



塞ぎ込んだ夜には そう
充ち満ちる海原に 手を伸ばす

さざ波を遡行し 夢半ばの刻
静寂の音 波に揺られ
やがてその身体 呑まれるまで

夢 遥々 福音の聲
星空の下 眠りし 宇宙の鼓動を感じる
ここはどこ?
無明の瞳が 松明に揺ら 揺られ
言葉紡ぐ 拡がる 余情の波に 心満たされ

記憶の 奥底に潜り行く
紋様が躍り 艶やかなる 声に唆され
朱に交わる 色 紅き 記憶に
身体 綻びながら 夢の中で弾け飛ぶ
無闇な象が 夜闇に列を成す

この不釣り合いな想いを
あなたのその手の温もりに 遺したまま
そっと消えて この夜の帳 沈むまで

どうか 消えないで

夢 遥々 福音の聲
星空の下 眠りし 宇宙の鼓動を感じる
あなたは誰?
無明の瞳が 松明に揺ら 揺られ
言葉紡ぐ 拡がる 余情の波に 心満たされて

記憶の 奥底に潜り行く
紋様が躍り 艶やかなる 声に唆され
朱に交わる 色 紅き 記憶に
身体 綻びながら 夢の中で弾け飛ぶ
無闇な象が 夜闇に列を成すまで

さざ波を遡行し 夢半ばの刻に
静寂の音 波に揺られて

さざ波を遡行し 夢半ばの刻
静寂の音 波に揺られながら
やがてその身体 呑まれるまで

どうか 消えないで

塞ぎ込んだ夜には そう
充ち満ちる海原に またこの手を伸ばす
から



遡行 そこう
聲 こえ
無明 むみょう
松明 たいまつ

余情 よじょう
唆され そそのかされ
象 かたち
帳 とばり
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