汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

音楽レビュー 「MOON-月亮心-」 チェン・ミン

2012年08月02日 | 音楽レビュー
MOON-月亮心-
チェン・ミン
EMIミュージック・ジャパン

 

 

そこにあるのは、透明な世界、そして寂寞。それは、この楽器自身が持っている生命力の強さの証しだと思った。

この楽器が音を奏でる空間、それは、音色という言葉が、実際の色を帯びているような感覚だ。

そこには、確かな音楽という生命があるように思える。

それぞれの音色というのは、それぞれ輪郭がぼやけている、というよりも果てが無いといったイメージの中で、

その重層感を持ち、確かな存在の光りを放っている。

それは、歴史の河を流れていく、人々の様々な感情のようにも見える。

この楽器が奏でる、それぞれの寂しさ、鷹揚さ、そして空虚さなどには、人が生きていく中で感じていく感情の根源があるように思えた。

人がこの旋律に触れたなら、そこには確かな生命力を感じることが出来ると思う。

その力が、彼女の謙虚でいて、うっとりするような甘い感性と、しっかりと呼応しているようにも感じました。

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音楽レビュー NHKスペシャル「宇宙~未知への大紀行」 東儀秀樹

2012年04月12日 | 音楽レビュー
NHKスペシャル「宇宙~未知への大紀行」
クリエーター情報なし
EMIミュージック・ジャパン

 

広い宇宙を感じた。それも存在することの哀切さ、それでもここに居るという核心に満ちた感情。そして穏やかさが微睡む優しい気持ち。それは、この宇宙という存在を、受け止めたときに感じる法悦のような感情だと思った。自分が存在する世界を素直な感情で受け止めること。それこそが、人が幸福を感じる、一つの途なんだと感じさせられた。

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音楽レビュー 「アンダー・ザ・レーダー」 ダニエル・パウター

2012年04月11日 | 音楽レビュー
アンダー・ザ・レーダー
クリエーター情報なし
Warner Music Japan =music=

 

そこには、哀愁がある。しかし、決して絶望しているのではない。それでも想い続ける、確かな強かさが滲み出ている。もしかしたら音楽という手段では限界があるかもしれない。そういう不安の感情が、幽かに見え隠れしている。それでも、迷いながら、しかししっかりと前を向きながら、それを信じて歩んでいる。そんな感覚。この世界を生きるということの意味は、わからない。でもそこには、確かな人への想いがある。果たせない哀しみ。たとえ願ったとしても訪れないかもしれない安らぎの世界。それは幻想なのか。それでも彼は、迷いと決心の狭間で、殺伐とした世界の道を歩んで行く。前作に比べて、確かな成長のあとが残る作品だったと思います。

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音楽レビュー 「ダニエル・パウター」 ダニエル・パウター

2012年03月17日 | 音楽レビュー
ダニエル・パウター(初回限定スペシャル・プライス)
クリエーター情報なし
ワーナーミュージック・ジャパン

 

そこには、不安がある。彼にとって、この世界はあまりにも大きすぎて、殺伐としているのだろう。しかも、その不安をうまく表現することのできない彼のもどかしい情緒の困惑を感じる。そこは灰色の茫漠とした、無機質な世界の秩序だけがある。曲が進むに連れて、不安は増すばかりだ。この世界に生まれて、その意味を模索しているような感覚。しかしそれでも、一点の小さな光のように、人を信じ想い続ける感情があるのを感じる。それは、彼が本質的に持っている、優しさだと思った。

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音楽レビュー 「プラネタリウム」大塚愛

2012年03月17日 | 音楽レビュー
プラネタリウム (DVD付)
大塚愛,愛,Ikoman
エイベックス・マーケティング

 

色とりどりの感情を感じる。それは、とても繊細な流れだ。穏やかなようでいて、とても激しい。それでも、心根は、とても静謐だ。まるで星空を見上げて吐く一息のように。彼女の感情の根幹には、サラサラとした蒼い寂しさがあるように見える。それは、必死に何かを掴み取ろうとしても、砂のようにこぼれ落ちていくような情景だ。何かを失う哀しみ。それでも、決して悲観したりせずに、穏やかに、そして優しく、この大きな世界を見守ろうとする意思のように。もしかしたら過去に彼女は何か、永遠のような、そんな夢を見ていたのかもしれない。そう、安らかな永遠を。この曲の作名が物語るように、それは、永遠を夢見るという、淋しげな感情のように聴こえる。自分という存在の儚さ。それは、プラネタリウムに映された星空のような幻の姿。そして、いつか風が吹けば砂塵のように散っていくかもしれないという寂しさ。彼女の持つ感情には、このような景色があるのかもしれないと思った。

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