汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩

2011年10月27日 | 初期中期の詩
跡形もなく消えた 影の生命 囚われ人は駆け回る
大地に殺められた 羊は群れを成して襲い掛かる 秘境の奥底で

見え隠れするあなたの胸に 白い肌が透き通る
日陰に隠れたあなた 私を抱擁する腕が冷たい 症状が酷くなる

モノクロの世界の中の あなたの声色の美しさ 私は血迷う群れの一員
差し出す手の 白い吐息の掛る 季節は冷たい硝子に映る 虚しさの意味
あなたは私を抱いて 悦びをむき出す それ以上の愛を求める

異常を持ち出し 正常に挑みかかる 怪訝な瞳が 私の鼓動を打つ
寂びれた季節の刹那 大地は裂け 血が噴き出す 妖艶なあなたの白い肌
魅せられた私は ただ のた打ち回るだけ 絶望が混沌を呼ぶ
静寂の脈打つ 山は赤く染まる あなたは小さく頷いている
動けない 私は囚われの身 美しい顔のあなた 舌這わせる
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みやすけの詩

2011年10月27日 | 初期中期の詩
埋もれる砂の中に 産まれたばかりの赤子 首を絞めて殺す
零れた露が 無意識の中に入り込み 鬱蒼と蔓延る 草原のように
湿原が広がる 無意味に 渇いた喉を潤すには まだまだ水が足りない

ピエロが嗤う わさわさと鳴る草村 裡の熾烈を隠す 臆病さゆえに
鉄塔の色 無色を装う心が泣いている 風が凪ぎ始める

恐らく それ以上の意味を 与えてはくれないだろう
雪の滴る無情さ 蒼い宙が唸る 寂しさを紛らわす それ以上の嘘のために
ふと見上げる 戦闘機が飛来し 爆弾を落とす 小さな犠牲の中で

迷い 探し回った 終点はもはや沈没している
水は急き立てるように 流れる らせん状の鬱然 陶酔に塗れる排水溝

全ては連続している 高く舞い上がる 蒼空へ 飛翔の彼方に 未知がある
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みやすけの詩

2011年10月25日 | 初期中期の詩
世の流れに 赴いた 赤く薄らぐ
朝日に照らされた街中 絶え間ない眠りの中の静寂

夢は擦れ違う 人と人を結ぶ 景色に溶け込む
恐れを抱いていた あの頃を淋しさに結び付ける

当たり前の日常の 細やかな悩みも 鬱蒼を抜けた
この先を行く 未来があるから 過ちを繰り返した あの日

僕らは 奇想の中で育まれる 愛を信じている
心の奥の柔らかな部分を愛撫して 瞳が天を仰ぐ
夜は明けていく 星達の演奏の果てに 見える明日が怖い

つまらない妄想の 尽きぬ怒りを 溶解したい
ふりだしに戻った駒 辺りは朝焼けの包まれる
暗く悠遠な星空にさよならを云って
明ける太陽の微笑みが 僕の頬を照らす
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みやすけの詩

2011年10月20日 | 初期中期の詩
水面に映る あなたの死相 孤独は造られた
この草原を行く 一人の旅人 彼は見つめる 赤い夕陽を
心に射す 暗鬱な狂気の影を 旅人は言った

「私が恐れているのは死ではない それは死に張り付いている思想だ」と

旅人は死に行く生命の旅路の途中に居た 命は朽ちて行く
それは鬱然とした美しさを造り出した 彼は魂に微笑みかける
僅かな温かみも消失した この世界の中で泣いている生命の声色
彼は心の中心へと向かう恐れを 掻き出そうとした
それは命を削る作業にも思えた 熱くなる心臓の鼓動
体中からは汗がほとばしり出る そうして無情の時は過ぎて行く
彼は恐れた 死の意味について 彼はあらゆる想像を働かせ
この狂気に立ち向かった 心を邪推する悪魔の存在
彼は悪魔と戦った 何千年も昔から続いていたかのように
それは絶えず彼の生命を削り続けた 赤い夕陽が暮れて行くのを見ながら
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みやすけの詩

2011年10月02日 | 初期中期の詩
蒼い空 全てが深閑となって 森は風にざわめく
あなたの声に誘われて この森にやって来た 山彦の虚ろな響きが聴こえる
あなたの唇に重ねたのは 私の可憐な恋心 そして小さな恥じらい
囁きだした霧雨が霧を造る 何か素敵なものを隠そうとするかのように
私は心躍るように この道なき道を歩いていく 駆け出したい気持ち
しかし 何処に行けばいいのかが判らない 判然としない感情
まるであなたに抱く愛着のように 雨脚はどんどん早くなる

あなたに羞恥に似た気持ちを抱いたのは ついこの間のこと
零れ落ちるかのような麗しい瞳 そして すすり泣くかのような微笑み
どれ一つ取っても 私が抱く愛情は 掛け替えのないあなたの存在を際立たせる
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みやすけの詩

2011年10月01日 | 初期中期の詩
朝露の冷たさ 冷ややかな空気の流れ
あなたは私に囁いた つぶらな心に湿る想いを 空には流れる雲
溌剌とした私の態度の 情けなさ あなたは孤独を行く まるで後悔するように
肩越しに判る 哀切に満ちた幼心が 私を通して 流れる時間を

矛盾を抱えたあなたの瞳 その宇宙を駆け巡る 光 脆さを胸に抱いた
実体の無くなった想い出が 私を涙に誘う あなたが壊れそうな思いでいる
寂しげな微笑み 造られた楽園の中で 廻る夢の儚さよ 五月雨はついこの間のこと

あなたは寒そうな肌の色をしている 琥珀色のその肌を 私の涙で濡れる
あなたの微笑みは空虚な心を映し出す鏡 それは私の表情を 切なくさせる鏡
刹那な夏の幻想のような響き やがて時間は過ぎ 秋の紅葉を迎える

連れ添って歩いた道のり 二人だけの現世での夢 淡い太陽が 茜に染まる
冷たい風が吹き始めたのは ついこの間のこと 割れた空き瓶が 道の上に転がる
あなたの手を取って見上げた視線 虚無の向こうの世界を見る 私たちは愛で繋がる
季節は巡り行く あなたと私を残して 憂愁を奏でる 枯れ葉の舞いが 
無欲な青年の無為を叱った 訪れる事のない安らぎを 待ち続ける虚構の時間

当てもなくさ迷い歩いて 調子付いた心が あなたの唇を奪う 瞬間の冷めやかさ
その時 抱いた羞恥に 頬は紅く染まり 哀愁の恋に 胸は引き裂かれる
愛欲を求める情緒が たとえ淫乱な夢に変わってしまっても 
二人の間を流れる空隙は 晩秋の季節に 淡い色影を落とすだろう
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