汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

静かな海辺

2017年04月29日 | 奇想の詩
流れ着く 大きな海辺に 独り
鮮やかな夜空が 星々の聲に煌めいている
吸い込まれそうな宇宙 流れる悠久の唄

揺れる波に身を任せ やがて沈む
もうあの唄は聴こえない
虚ろになって行く意識に語り掛ける

此処は何処

世界が暗闇に閉じられてしまう
独り 寂しさに懐かれながら
宇宙に吸い込まれた ベールに包まれし命

ただ 待っている
眠りに就くまでは 誰か
透明な海辺に 彷徨う 独り
鮮やかな夜空に 暗闇が打ち寄せて 閉じられて行く

此処は何処

世界が 星々の聲に彩られて 沁み渡る
虚ろになった意識 ただ 待っている
透明な宇宙に吸い込まれて
霧消して行く この命も何もかもが

鮮やかな海辺に 横たわる
悠遠なるこの路は 星々の輝きに彩られ
果てしなく続いて行く 何処までも 何処までも

終わらない さざ波の揺蕩う聲が 寄せては返し
戻れない 時間を刻む 刻々と
あの宇宙へと 沁み渡るように 深々と降り積もる

此処は何処

静かな海辺 独り 彷徨う
さざ波の揺らめく音が 寄せては返す ただ静かに
星々の明かりがきらきらと燈る 夜空

此処は 一体...
浜辺に打ち上がった 貝殻
虹色に光る その亡骸に
燦々と輝く宇宙の聲を聴いた ような気がした

虚ろな意識の最中 ふと見上げた夜空
さざ波の中に煌めいている 星々の陰
聴こえた 宇宙に沁み渡って行く 悠久の唄が

そう あの場所には きっと
何かが...



コメント

眠りに就くまで

2017年04月04日 | 奇想の詩
眠りに就く しんしんと深く沈むような
光を纏い 永遠の夢を見ながら

琥珀の月が 高く昇り 柔らかに微笑む
「此処においで」
今に 琥珀の光が 帳を迎える

此処は夢の満ちる 渚
そして満潮を迎える時刻 やがて その優しさが
凡ゆる世界の愛を焼き尽くすのだろう

静かに消えて行く 焔
この世界を照らす琥珀の陰は そうして
穏やかなその眼を 優しく殺めて来たから
もうこの世界に 安かな居場所など無い

此処は夢の満ちる 渚
朧な光 蒼穹を照らし 月影がふるふる嗤う
写し出される破壊の影 優しき眼が可憐に散り
ばらばらになって やがて消えて行く

光の海に揺蕩う 姿亡きあなた
琥珀の輪郭に反響する 聲が聴こえる
もうすぐに その瞬間は訪れるのだろう
夢の鼓動が充ちる刻 扉は今拓かれた

遠く揺らめいて 煌々と水面に浮かび上がる
何もかもが崩れて行く その膨大な光景に
優しく微笑む あなたの姿が
それは深い眠りの最中に 爆ぜる 遥か永遠への光

此処にはもう既に あなたは居ない
水面に浮かぶ優しき旋律 流れ行く時の夢路

海中を昇る気泡 今にも消えてしまいそうな
優しい瞳をした あなた
それは悲しげな夢を辿る 月の軌跡
傷を抱えたままの運命に 翻弄されるがまま
やがてその瞬間は 訪れるのだろう

「此処においで」

滲む月影 冷たい風に吹かれ 翳む世界
海中を昇る気泡 永遠を夢見て ゆらゆらと彷徨う

そして 安らぎを求めて 眠りに就く
今宵も 琥珀の光に照らされながら
深く もう二度と此処から醒めないように
ずっと 永遠に


・纏い まとい
・翳む かすむ
・揺蕩う たゆとう
・蒼穹 そら
・聲 こえ
コメント