汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

哀に塗れるほどに欲情する

2015年06月29日 | 妖艶の詩
閉ざされたこの場所から 伸ばす手が
想い沈む 不覚なる刺激に 悶え苦しむ
行き場所を失くした 感情
苛まれて この手を握る力が 虚しく 抜けて行く

ただ傍に居たいのに 
水面から浮き上がる 波紋の渦が
首を絞めつけて 言葉を遮ってしまう
強張る身体が 研ぎ澄まされていく中で
徐々に あなたを想う感覚に支配されて行く
この想いが張り詰めたように 血が騒ぎ始める

あなたの手に覆い尽くされる
瞼の冷たき感触
肥大化する自意識の
肉体に宿る悪魔が 哄笑する
高く舞う 羽に 色めき立つ涙
この感情は さらなる 犠牲を求めて飛翔して行く
感染した 愛に 蝕まれて
あなたの鼓動を 貪り 哀に塗れるほどに
欲情して行く 身体が 我を見失う
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瓦解の調べを紡ぐ

2015年06月29日 | 悲哀の詩
空白の時が 押し寄せる
波の白い息遣い そこには薄明の月が 狼狽える
見つめ合い あなたを選んだ この指が
満たされぬ間に 空を切る

打ち拉がれて 涙の流せない 安らぎの中で揺蕩う
不始末の愛に 飛び火する 感情
戸惑い 堕ちる あなたの瞳の 胡乱な輝きに浸されて
この想いは果てし無い 夢の中へと 霧消して行くのに

まだ消えない
寂れた身体が発する 臭いに釣られ
羽ばたいて来る 天使に 頭を垂れた

帰らない 記憶の困惑
決して戻れない 道を 今歩む
遠くせせらぐ月影の 冷たい吐息
あまねく天の声に 耳を塞がれて
どこまでも朽ちていく
この身は 瓦解の調べを紡ぐ
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短歌 3

2015年06月27日 | 短歌
鼓動する海鳴り潜む胸の奥瞳に問うはあなたの姿

揺れる舟そよぐ海原嵐の眼彷徨い果てる嗤う月の夜

町陰に偲ぶあなたの顔浮かぶ風に吹かれし弔いの鐘 ※偲ぶ→しのぶ

騒々し空に暗黒撒き散らす寂れ人影豪雨の跡で

泣き叫ぶ暗雲の道風なびき町の崩壊友引の朝

安らかな寝顔の陰に木漏れ日の散る花の相永遠の旅

艶やかに舞い散る仕草誘惑を象る瞳風下の哀

心地良く沈む鼓動に降り積もる海雪の声流浪の闇へ

笑い合い暮れなずむ一瞬見つめるも心静かに 交わす接吻 ※一瞬→とき

手を取りて火照る花の散りゆく間交わす視線に映る蛍火
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溶け行く輪郭から流れ出る喧騒

2015年06月27日 | 奇想の詩
寂れた町 溶け行く輪郭から 流れ出る喧騒
奏でられし リズム 町の灯りは煌々と 唸り続けて
人々の陰を 押し流して行く

やがて散り散りになった 人々が溶けて行く
町の喧騒は 華々しい 旋律を奏で
溶け合う人影が 重なるように 降り積もる
唸り 熱微睡む 赤い肉体は 交わり合い
跡形も無く この町の形を 溶かしていく

寂れた町が 音を立てて 崩壊するとき
あなたの胸の内には 確かな鼓動が 発生する

人々の 声が 煌々と 唸り続けて
寂れた町の存在を 掻き消して行く
この熱のうねりに 身体は 高揚する

あなたの声が 掠れたまま 夥しい人影に流されて
喉を締め付けられながら 窒息して行く
町の喧騒は 夥しい人影に 煌めきながら
あなたの存在を 掻き消してしまう
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光の中で息絶えるまで

2015年06月27日 | 妖艶の詩
胸元の薔薇 刺々しい肌の傷に 滴る吐息
わだかまりを抱え 記憶の隅に 隠れていた情景が
嗤う あなたの口元に 蘇る

一瞬の煌めきに ほとばしる 感情の綾を
辿る指が 悲しそうに 滑る
想い焦がれ あなたの肌に遺る 傷に 接吻する
張り詰めた感情が 鼓動を高め
鮮やかなる 光の中で 息絶えるまで

ずっとそばにいて欲しい
その眼の奥に輝く 虚しさは 何処までも深く
この身体の芯まで 食い込んで来る

さらなる奥地へ 行きたい
甘い香りに そそのかされて
あなたが微笑む その幻想の彼方まで
いつまでも揺蕩っていたい

終わらない瞬間に 酔い痴れ
裸のままの 薔薇が 散って行く その時まで

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肉体への迷宮

2015年06月27日 | 妖艶の詩
弾ける言葉の 瑞々しい
滑らかな 口溶け
その唇に 燻る 感情は
視線の流れる方へと 堕ちてゆく

視線を交わし 身体を求めて
あなたの声に 陶酔した唇が
呼吸のリズムに重なり合う
愛蕩ける 暗黙の瞳に触れ
渇くこの身体が 悦びに満ちる程に
あなたは 寂しげに 微笑んで 涙を流した

その涙の 醸す 寂しさに
触れたくて この身を捧げたい
強く抱きしめる度に 感じるの
ねえ 愛を知る程に 離れて行く あなたの瞳は
もう 二度とは 感じられないの

あなたに溺れ くちづけ交わす その眼には
鮮やかなる死の匂いが 立ち込める

ねえ この身体が 溶けるまで
あなたの優しい声を聴かせて
渦巻く この心臓の高鳴りは
身体交わる最中の 吐息に呼応する 肉体への迷宮
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短歌 2

2015年06月21日 | 短歌
手を招く淀む白月渾沌の我見失うままに連れ去る

繋いだ手見つめ紛うは風下に消ゆる蜉蝣声に出せずと

白波の立つ瀬に貴女俯いた顔にくすむは愛亡き姿

熱帯夜踊り明かすは胡乱な瞳茹だる叫びにしなる肉体 ※瞳(め)

一滴想い知れずと流れるは琥珀の涙浮かぶ月影

小波に揺られし霞果てし無く幻想混じる朧な瞳

風の中振り向き様に舞い上がる枯葉の陰に見つめる瞳

温かいその手につられ張り詰める瞬きの瞬間触れ合う心 ※瞬間(とき)

風下へ消える眼差し冷酷な時間を行き交う不意のくちづけ ※時間(とき)

抱き締めて融け合う愛に感じるの知り行く程に離れる心
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短歌 1

2015年06月21日 | 短歌
最果てに待ち侘びるのは恋情と覚す体温掠める涙

予期せぬと身体溶け合う恋情に覚束ぬ手の観る月の夜に

潮の音眠りに落ちた流る葉のあなたの声に満たされるまに

黄昏に沈む瞳の暮れなずむ想い流離う河川の光り

触れ合えば悲しみの待つこの絆触れられぬ距離だから判るの

確かめる貴方の向く眼いずれ逝く季節の中でまた還る時

静寂の街影融ける赤月に燃ゆる花弁残像の刻

春時雨舞う花びらに霞み行く想い象る接吻の跡

優しき眼月影揺れる湖に沈む涙と弔いの花

寂しげに見つめる貴女その手には萎れた薔薇の恥じらいの微笑
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あなたの身体の中で眠っていたい

2015年06月19日 | 奇想の詩
せめぎ合い 空白を埋め尽くす 感情の澱
淀み 明かりの届かない場所に 降り積もる
鮮やかな あなたの表情が 雨に塗れて 膨れ上がる

感情の波に 襲われて 崩壊する
ここは 鼓動が渦巻く あなたの心の中

犇めく 言葉の形象が 喉を締め付けている
胸にこだまする 涙の音が 鼓膜を揺さぶり
鮮やかなる 色彩の渦巻く 音色が滲み出す

振動する 何もかもが壊れていく中で
欲動する 鼓動の高鳴りは あなたへの想い

噴き出す 感情が すべてを呑み込んで行く
犇めく言葉が 色褪せて その形象を失う

流れ行く この想いと 共に融解して
あなたの身体の中で 眠っていたい
鮮やかなる あなたの声に抱かれて
永遠に眠っていたい
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空白の時を奏でる光

2015年06月19日 | 奇想の詩
触れる手の冷たさ 空白の時を奏でる 光
空一面に拡がる 暗雲の群生
地上を濡らす 涙の雨に打たれ 歪む顔の輪郭

流れて行くのを ただ見ている
この雲の先には 滞ったままの 風
そよぐ葉の揺らめき 喧騒の世に咲く 儚き死相の輝きよ
果てない空が 流れて 時間の波が 空白の鐘を鳴らす

やがて この手の導く未来に 鮮やかなる花が咲く頃
あなたの冷めた笑顔が その花びらの散る姿に 塗れる

一雫の波紋が拡がる 煌びやかな 花火
舞う火花の騒々しい 町のリズムが 鼓動している
揺蕩う波 拡がる瞳孔に 入り乱れる光
すべてはこの町の沈鬱なる 情景
鮮やかなる血に染まる 身体が 横たわる 町の死相
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