汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

最愛の徴

2016年09月30日 | 妖艶の詩
二人の秘密 秘めた瞳に映る 雨
身体を強く打たれ 冷ややかなる視線に 絡みつく口づけ
決して逃れられないように きつく縛られて
朦朧とする意識の最中に 微笑みを浮かべて 鎮む

降り続く雨は 体温を奪ってしまう
壊れてしまいたい その手に誘われ やがて溺れるまで

果てて行く もう想い遺すものなど要らないから
錆びれて行く身体に打ち拉がれ 涙を流す
もう二度と醒めないで 接吻する度に感じるの
痺れる身体が求める声 最愛の徴に滴る 頽廃の香りを

降り止まぬ雨に流されてしまいたい
きっとこの涙は あの世界の凡ゆる深刻を さらって行くから

二人の秘密 秘めたる想いは 雨に濡れ 沈む
言う事を聞かないこの身体は 冷ややかな視線に晒されて
ねっとりと絡みつく口づけに 朦朧とする

きつく縛られて このまま壊れてしまいたい
降り続く雨に心を奪われて 薫る頽廃の渦中で感じるの

やがてこの息が絶えるまで その手を止めないで
きっとこの涙は この世界に沁み渡って行くから
だからねえ もっとちょうだい...

ずっと交わし合っていたい 雨に冷たく打たれながら
降り止まぬ雨は この世界から 凡ゆる無情をさらって行くのに
ねえどうして... ?
うっとりと絡みつく口づけが こんなにも切ないのは きっと
この世界に想い遺した愛を 喪ってしまったから

秘めた瞳 降り続く雨に打たれ 交わし合う口づけは
冷ややかなる視線の最中で いつまでも絡みつく
そこから決して逃れられないように きつく縛られて
朦朧とする意識の最中に 薄く微笑みを浮かべた

頽廃の香り醸す雨は まだ降り止まないまま 願いを隠す
それは二人の秘密 最愛の徴...
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夜空を駆ける流星

2016年09月18日 | 愛の詩
広い夜空を駆ける流星 零れた溜め息
ひとしきりの雨が上がった後の静寂
煌めく露に 花々がきらきらと揺れて 思い鎮む刻

夜が更けて 琥珀の月が昇り始める頃
あなたを抱き締めた

鮮やかな星空が 地平線を横切り 流れて行く
廻り始める運命の刻 その静寂に 煌めく星々の聲を聴いた

今 景色が廻り 運命の刻が動き始める
冷たい月光に照らされ あなたを見上げた
この広い景色の中で はぐれないように ずっとそばに居て

小さく灯火は揺れて その想いに寄り添う
ほんの少しの間だけでも良いから こうして居させて

その手をきつく握りしめて
あなたの わずかな温もりを確かめた
琥珀の月が昇り 唇は重なる
溢れる感情 拡がる蒼穹が 悠久の時へと誘うから

あと少しの時間で あの星空も消えてしまうのなら
せめて今だけ あなたの鼓動を感じさせて

いずれ あなたと居る この景色の中で 果ててしまう
その瞬間までは この生きている体温が 心地良いから
いつまでも こうして居たい

決して この手を見失わないように 抱き締めていて
もう二度と あの夜空には 流れない星があるから
これからもずっと交わし合って居たい
あなたへの願いが 此処にはあるから
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永遠の別れ

2016年09月16日 | 愛の詩
燦々と輝く光の中へと 墜ちて行く
大切な人を亡くした寂しさは 今も此処に ただ溢れていた

幽遠なる季節が廻る 傷を抱えたままの心
静寂と光が重なる 風がなびき 繰り返される 別れ
それはもう 触れる事の無い あなたの指先

もう二度と香る事の無い 包むような優しさ
この寂しさから逃げ出したくて その手を突き放した
困惑の色が あなたのその瞳にかすめる一瞬
行き場を失った手は 薄く 彼方に融けてしまった

燦々と揺れる光の中へと 堕ちて行く
あなたを亡くした寂しさは 今も何処かで 溢れているの?
傷を抱えたままの心 季節が廻る 幽遠なる刻を打ちながら

この虚しさから 目を背けたくて
困惑の涙が 空白をかすめる最中に 抱き締めていた

もう この手を離さないで
傷を抱えたままのあなたは もう此処には居ないから
静寂と光が重なる 一瞬 風がなびき
二度と あなたと巡り逢う事も無い 永遠の別れを知った

この寂しさから逃げ出したくて
その手を突き放してしまった

困惑の色が あなたのその瞳にかすめる あの瞬間を
いつまでも抱き締めていた
この虚しさから 目を背けたくて 逃げたくて
ただ あなたを抱き締めて居たかった

だからお願い もう二度と離さないで...

燦々と輝く光の中へと 堕ちて行く
静寂と光が重なる 一瞬 風がこの耳をかすめ
あなたと もう巡り逢う事も無い 永遠の別れを 今知った
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星々の輝く夜に

2016年09月15日 | 奇想の詩
風の吹く夜 花々が眠りに就く頃
萎れた一輪の花が夜露に煌めいて
流星のように 静かに散って行く

この身が崩落する最中に あの足音を聞いた
もうこの夜に 健やかな眠りは訪れないだろう
もはや失うものなど 何も無いから...

夜風に吹かれ 何処までも澄んだ瞳のあなた
迷子になったこの手を
その優しい眼差しで 救い出して欲しい
ここにはもう 居場所など無いのだから...

この夜の渦中で 聴こえる足音は
延々と さざめいている
もう 何も求めるものなどは 無い筈なのに...

どうして...

夜が深々と 柔らかな帳を迎える頃
満開の星々の輝きを湛えた夜空が墜ちて来て
この手に 安らぎを添えてくれるから

ねえ 何処までも 朽ちて行こう
もう生きる心地さえも 感じないくらいに

星空が燦々と その輝きを増す頃になると
産まれた命は 冷たい涙を落としながら 息絶えて行く

足音はずんずんと迫り この身を掻き乱して
拡まり行く夜空は 煌々と星々を照り返している
迫るその聲は 永く心を蝕み
その吹き荒れる雑音に 思わず耳を塞いだ

ねえ どうしてだろう...?

萎れた一輪の花は夜露に融けて
やがてその姿見を喪ってしまう
星々の輝く夜
いずれ他の花々も
静かに 永い眠りに就く時が来るから...
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夕暮れの積雪

2016年09月15日 | 悲哀の詩
指先に感じる
この身体が優雅に溶けて失くなる 心地を
幼い肌に 映る 積雪の風
この仄暗い夕暮れの空が 覆い尽くされるまで
どうか待っていて欲しい

まだ見失いたくはないのに 儚く萎れていく
花々の相に揺られ まるで永遠の夢路

もう二度とは 這い上がれない
静寂の濃霧に咳き込む

ふと見上げれば 星々が渦を巻いている
深々と吹雪く雪で 撹拌された姿で
あの蒼穹は脆くも 壊れてしまうから

やがてこの刻も 瞬く間に消えて
何もかもが あの手の中で 墜えてしまう

涙は くすむ夕空を映し 小さく震えた
その陰に雪の明かりが散らつき 心狼狽えてしまう

何処にも行かないで
眠りに就くまで ずっと...

深々とせせらぐ雪は 燦々と輝きながら
夕闇の彼方へと落ちて 溶けてしまう

眠りに就くまで ずっと
この手を離さないでいて
遠い積雪が 冷たく響く渦中
この震える身体が哀しいから

もう二度と 触れる事もない その寂しげな瞳
あの涙は 今でも夕闇を湛え 震えているから

やがてこの命も
夢の裡へと 薄れてしまう

触れ合う指先に感じた 雪の重さ 生きる心地
その手はいずれ夕暮れの彼方へと
消えて行ってしまうから
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雨脚のリズム

2016年09月14日 | 愛の詩
歩いていた この路の上で そっと 繋いだ手
傷つけられて 降り出した雨に 打たれた頬が痛い
ずっとこのままで 巡った願いが あの空に返り咲くのなら
一体 この手は あなたに何を伝えられるのだろう

降りしきる雨に 交わす眼差しが滲む
吹き抜ける風に 刻む鼓動
そこでは雨脚のリズムだけが早る ような気がしたのに…

沈んで行く 身体が温もりを求めるように 深く
いずれこの手は あなたの元から はぐれてしまうの?
そう深い意識に語りかける姿が なんだか切なくて
ぎゅっと抱き締めてしまう
傷つけられて いずれ はぐれてしまう その瞬間までは

吹き抜ける風に 雨脚を早める
それは一時一時を刻む 鼓動のような… 気がした
そっと握り返した手は 確かに温かかったから
一体この眼は あなたの耳に 何を伝えられるだろう

あの時 雨脚のリズムだけが 早った そんな気がしていた…
そこに見失った感情が 何処かにあったのだろうか

それでも雨は止まず この心を 掻き乱してしまうから
ねえ さみしいよ…

ねえどうして?
あなたはあの時 一瞬 この手を握り返したのだろう
ねえ 教えて?
あなたとはそれでもはぐれてしまうから
もうこれ以上 二度と出逢う事も無い… そんな気がした

吹き抜ける風に 雨脚と共に刻む 鼓動
あの時 この手が見失ったあなたが
今でも あの路の何処かで泣いているのだろうか

そこでは雨脚のリズムだけがあった
ような気がしていたのに…
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