汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 女の想い

2011年02月27日 | 初期中期の詩
小声で語りける 女の背中が物憂い
小雨に彼女の肩は濡れ 滴る後悔の臭い
いくら呼び掛けても失って行く 過去を想う事でしか
彼女は自分を保つ事は出来ない
花は揺れるように乾涸び 
現実は呼吸をしている様に振動している
一対の粒子の乱流が 空を藍色に染める 
虹は七色に輝き 女は自分の手首を見つめている
過去の傷痕は何時でも この女に憧憬を見させていた
偽りに浸された思惑に 何時でも流れて行く
景色の移り変わりが この地球に華を添える

女は何時でも夢を見ていた
墜落していく飛行機の中には 蠢いている生命の塊が
最後の言葉を探している
女はまさしくこの境地に於いて 特権的であった
彼女はそうした事柄に 胸を引き裂かれ
罪を犯した事による過ちに ずっと囚われている


コメント

みやすけの唄 明けない空

2011年02月23日 | 歌詞
咲かない花は 心の奥で泣いている
空の彼方でまどろむ あなたの声色に
届く事のない 想いを認める

喜びが空しいというのなら
そこから派生する孤独を 抱き締めればいい

紅い頬をしたあなたの存在が 
云えない言葉の中に 小さな愛を見つけるから

明けない空に 見つけた星の瞬き
宵の流れの中で 膝を抱えるあなたは
薫る潮風に 夢の跡を綴る

虚しさに縛られたとしても
静寂は優しくあなたを 空へと返すだろう

ありきたりな結末に翻弄される
心が悲鳴を上げて 涙が言葉の端々に
見えない希望を 見させるから
コメント

みやすけの詩 男の自由

2011年02月21日 | 初期中期の詩
光に満たされた この部屋が少し憎らしい
悪戯を起こそうと部屋を出て行った子供は
自身を今一度 混沌へと引き渡す為の試練を体験する
風は再び此処へと戻ってくるだろう
新たな命を引連れて それは温かな後光に包まれていて
直接手に触れるにはおこがましい羞恥を起こさせた
例えこの死から逃れられたとしても
無限の苦しみは 次から次へと産み出されて行き
それはやがて本当の死への序章に組み立てられる

人形に宿る困惑が 赤子の涙に時雨の様な寂しさを
湧き立たせるなら それはいとも簡単に滅びて行く
運命の小癪を思わせる
次々に打ち出されて行く混沌とした抽象に
男の手から滲みだした新たな太陽は
何処までも沈没していく 木の葉の様に
その形を誇示している

絶え間ない生き死にの中で 一人の男は夢想に耽っている
その時 自由に空を飛びたい衝動に駆られた彼は
羽毛の生えていない自分の身体に絶望を抱いた
幾末も長くは無い彼の人生の中で 果たして彼は
これから一体何に自由を求めればいいのだろうか
彼は一人言葉を放ちながら 追い込まれた
残り少ない命の灯の蠢きに 小さな溜息を吐いて見せた
コメント

みやすけの詩 いのちの旅

2011年02月20日 | 初期中期の詩
雨は風を呼ぶ 厭わしい雨粒が
未来に花咲こうとしている君の心を孤独にする
それは如何なる事態にも呼応する
君の優しい心は 一切の哀しみを包括するだろう
いとも簡単に崩れ去る 記憶の儚さよ

君はいつも雑然とした部屋の中で
煙草を銜えながら 闇への逃走を妄想していた
その妄想は何処へと蔓延る事無く
君自身の裡へと滴り落ちる

薔薇の花に彩られた 君への愛の印
君がその確かな鼓動を感じ取る時
雨は徒に過ぎ行く時間の流れを横切って行く

雨は全てを記憶する媒体である
冷ややかな水の蠢きに 君は翻弄されながら
太古に感じていた筈の本能の様なものを忘れてしまった
死因の判明しない死体は いつも愛に飢えていた
君が邪な事実だけを容認して
彼に一つも愛情を呉れてやらなかった

言葉が闇雲に宙を彷徨う
消えない偽りに 死体は仄かな希望を見出している
君はいつも怯えていた
君は消えない閃光
君自身に納得のしようが無い 命の旅
コメント

みやすけの詩 罪の味

2011年02月19日 | 初期中期の詩
月夜に馴染めず 日が暮れる度に涙を流している女
彼女はいつも願っていた この男から解放される夢を見ていた
彼女の頬には幾筋もの虐待の跡が生々しく残っている
男は酒乱であった 男の生易しい言葉には幾許かの安らぎが籠っていた
女の情緒に絶えず語りかけてくる 安堵の旋律が漂っていた
女は睡眠を取ろうと横になった 涙が込み上げてくるのを必死で堪えながら
女はいつものように悲愴に暮れては 首を吊る事だけを考えていた
そして日は過ぎて行った 女の手に残る物は 一滴の言葉と
幾万もの星の欠片であった
女の悲壮は其処らに散見している太陽の塊のようであった
太陽は悲惨を語る 彼は幾筋もの奇跡を夢見ていた
夢は呆気なく綻びを見せて 宇宙の中の闇へと消えて行った
闇はどうしようもない絶望から これ以上関わりを途絶えた歓びへと
変異していった 神は己の維新にかけて言葉を探し回っていた
神はこの女の答えを渡そうとしていたのであった
神の温かな眼差し 女にはそれはある意味で異物のように見えた
その異物は煌々と光を放ち その後光は 女の恥部を照らし出した
恥部は黒ずみながら 女の女である恒心を妨げる事は無かった
女は神の言葉を聞きながら 自身の悩みの種を模索し続けていた
男の背中から滴り落ちる血の臭い その芳しさも歓びの裡に変わるのなら
女は自身の闇の中で 自身の屍を見つめるだろう
男はそれからしばらくして死に絶えた
男は自身の傷から逃げる事は出来なかった 男の心の中には
男であるが故の宿命の逃避だけが この毛髪の中に籠められていた
男は一人の亡者であった 男の死体には数々の虐待の跡があった
傷口から溢れ出している膿に 蠅は格好の餌を見出した
男は逃げ惑っていた 男から放つ臭気に 全ての人は唾を吐いた
男のなす全ての理には 様々な恨みの節が踊っていた
それに女は決して気づくはずも無かった
女は極度の味音痴であったから 女は自分の額に描かれている紋章に
気づくはずも無かった 女は常に退廃を語りながら
その裡では常に歓びを求めていた
女に着せられた様々な罪の計らいに 女自身の心の闇が投影される事は無かった
それは哀しき事であった
そして人々は決して二人の哀切を理解する事は無いであろう
コメント

みやすけの詩 女の感情

2011年02月17日 | 初期中期の詩
命が戯れる 静寂の中
雨は予測できない未来を 願い続けている
冷たい流動の嵐が 背中に流れる水を凍らせる
山の頂きになびいている 白いハンカチは
空の果てに 一つの希望を夢見ている

遠ざかって行く人
想い出に縛られて 身動きの出来ない女
皆が狭い檻の中で泣いている
夕日は雨の気配に怯え
鳥は懐かしさに心を奪われている

這い蹲って 雨水の味を確かめている
女の哀しさは 何時とも知れない
甘い情緒が揺らめいている
それは一種の過ち
その白い手で 男の肩に触れる
温かだった彼の背中には 今は
一滴の血でさえ通う事も忘れている

女は途を行く 所々に散在している
赤子の死骸を横目で見ながら
それでも女からは血が吹き出し
大地を潤す

女は泣いている 女の感情には
幾重にも折り重なった死の情動が蠢いている
慈しむ心は闇に呑まれた
それでも女は赤子を産み落とす

この世界に於ける 混乱を避ける為に
この世界が欲望に呑まれる その時を見る為に
コメント

みやすけの唄 追憶

2011年02月15日 | 歌詞
星空はいつも 言葉を探している
君を想うこの気持ちも いつかは海に旅立って行く

消えない記憶は 癒えない傷を造る
冷えた手足に 温かな想い出は ただ辛すぎて

哀しむ君の横顔に 僕は再びためらう
もう少し経てば 揺れる鼓動を 鎮められたのに


大切なモノを 失くした時にこそ
深い森は命を宿し 孤独に語りかけようとする

消えない淋しさは 見えない君を想う
言葉にすれば 遠ざかって行く君との 距離と時間

悲しむ事に馴れても 僕は再び立ち止まる
君は少しだけ 僕を見つめて 微笑んでいるのに

ベッドに身を沈める こんな時 夜はなぜか優しい
コメント

みやすけの詩 視線

2011年02月14日 | 初期中期の詩
白々しい言葉の数々に翻弄される
嘲弄され首を切られた兵士が残した遺言には
血の臭いで書かれた詩篇があった
繕う気概も起こらず はち切れる宙
崖から滴り落ちて行く人間に 女は狂喜の叫びを上げる
葛折りにされて行く記憶の海
その場から逃走しようとして流されて行く怒り
その諸々の魂達が 新たな集落を創り出す
温度を失った地球は 時を彷徨い
女を連れた男に軽い嫉妬を覚える

古に木霊する羽音が懐かしく感じるのは
苦楽を共にした夫婦の絆である

言葉が意識の中で遊行する
手を授けられた赤子は 自らの意思で壁を越えて行く
妊婦であった記憶を 崩壊に近い太陽へと向ける
それは唯一の冒険心である
親子との絆が消え行く再会を忘れ 
それはやがて自我の抑制を振り切る
コメント

みやすけの詩 少年

2011年02月13日 | 初期中期の詩
途切れてしまった記憶
追憶に揺れる君の香りが 今も色鮮やかに
この部屋を覆う
切れ切れに成ってしまった髪
幾つもの編成を経て組み立てられる遺跡を見て
少年はあの頃の涙を想い出している
余分な圧力から逃げたくて 夜を彷徨う
灯りは途の向こうまで照らしてくれるのに
一向に瞬きのしない人形は まだ目覚めないでいる

向日葵が咲いている午後
太陽はやがて宇宙に沈み込んで行く
大きな有蓋に揺られて 其処から派生する命を
ただ眺めている
少年は拾った石を遠くの方に投げ捨てた
まるで臭い物に蓋をするように
その手から離れ去った石は この穹に掛けた希望
少年の心に犇いている哀しみを 函に入れる

煤けた宿の傍で泣いている
少年はまた夢を捨てた
切望に暮れた日は 決して戻りはしない
季節の入れ違いに人は再び立ち返って行く
また温かな飛翔を夢見て
少年はまた一つ 小さな大人に成って行く
コメント

みやすけの詩 空の果て

2011年02月10日 | 初期中期の詩
嵐は寒さを連れてくる
身に沁みる想い 裏腹な気分の波が
穏やかな海に孤独を映し出す

踊る風は 一体何を病んでいるのだろう
眠る子供に 母親は冷たい接吻を施しているのに
この憂う気持ちを 大空へと投げ出したい
そうすれば 命が 焼けたアスファルトのように
ムラムラと蜃気楼を映すのに

エゴイスティックな自分は
雨の日にうずくまっている仔犬のよう
味も判らぬガムを噛み締めては
幾つもの夢を描いて見せた
それはつまらない夢の軌跡

優柔不断な行為に及んで 唇を噛み締める
ネズミは絶望に言い訳をするために
絶えず荒野を走り回っている

人がヒトであるための条件
陽にかざした掌が やがて温度を取り戻す瞬間
雨の音は抽象的な心を慰めてくれる

それが絶えず循環していく地球の涙とは知らずに
世界は今でも沈黙し続ける
コメント