汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

言葉にならない想い

2016年11月12日 | 愛の詩
もう少し この手を握って居て
あと少し この温もりに浸って居たいから

ねえ どこにも行かないで...
降り出した雨に打たれ 奪われる体温
もうこれ以上は 触れる事もままならない

どうして 触れていると感じるの?
不意の寂しさ 鮮やかな一瞬が駆け巡る 記憶の中で
めぐり逢ったあの時の 震えるその声を確かめようとしていた

不器用な微笑みが言葉にならず 空回る
伝えたい感情を 幾つもの夜を越えて 始まる朝のように
巡り巡り 判らなくなって とても苦しいから

ねえ こうして居られるのは きっと
その頰に伝う涙の本当の意味を知らないから
言葉が見つからないまま 深く傷ついて 何度も泣いて
いつまでも忘れない あの時の笑顔を噛み締めていた

もうこれ以上 嘘を吐いたままではいられない
その頰に伝う涙の 本当の意味を教えて?

すれ違う人々の波の中で 立ち尽くしている
泣いている事にも気づかれず 押し寄せる孤独に怯えながら
ひっそりと隠した感情を抱えて 必死に訴えかけていた

言葉にならない想い
もうこれ以上は 傷つけたくはないから
どこにも行かないで...
めぐり逢ったあの時の その声の意味を確かめようとしていた
ねえ その頰に伝う涙の意味を教えて?

もうこれ以上 嘘をついたままでは居られないから
人々の波の中を掻き分けて この想いを伝えようとした
それでも すれ違う人々の中で もうその姿は無かった
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蜘蛛の糸

2016年11月11日 | 妖艶の詩
澱んだ空に漂う暗雲
おびただしい雨に 身体が覆い尽くされる
雨に打たれ乱舞する花びら 黒色の薔薇が 可憐に燃えて
盛る火花は 空しく宙に弾け飛ぶ

朦朧とする意識 その燃え上がる火炎に 心が思わず躍る
降り続く雨は 生温い涙のように 悲しい...
身体中に貼り付く 黒色の花びら 溢れ出る吐息
降り止まぬ雨に埋もれ 息絶えて行くその声に
思わず耳を塞いだ

しっとりと降る雨 その淋しい瞳は
壊れ行く愛を物語る

降りかかる宿命 蜘蛛の糸に掛かった蝶は もはや
その身体を狙う無数の視線から 逃れられない
焼き付けられた刻印 あなたが咽び 苦しむ程に
黒色の愛は 可憐に燃え上がる

ねえ... この冷たい指先で もっと愛してあげるから
硬い糸の中 そんなに可愛い眼をしないで

おびただしい雨に 重く 埋もれる身体
徐々に窒息して行く姿が 何だか愛らしいから
ぎゅっと抱き締めていてあげる
絡まったままのあなたが もがき やがて息絶えるまで 永遠に
だからこれ以上は もう...

雨に打たれ 融ける顔の輪郭に沿って 流れ出る涙が切ない
愛おしい その手を決して 離しはしないから
その愛くるしい瞳を もっと感じさせて...?

せめて この命が続くまで もっと...
何もかもが 亡くなっていく
この凄惨な時間を忘れていたいから
もう どこにも行かないで...
この黒色の愛で 抱き締めていてあげるから
冷たい糸の中 そんなに可愛い瞳をしないで...

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恋の終焉

2016年11月11日 | 悲哀の詩
せめぎ合い 塞ぎ込む あなたを愛するが故に
腐食した恋に せがむ 無情なる雨に打たれながら
横顔に掛かる髪 せせらぐ刻に身を任せて
このまま消えてしまいたい もう何も要らないから...

ねえ 見つめ合う度に 震える心 苦悩の涙に果てた願い
せめて聴かせて? 愛する本当の意味を
この手に掛けられた魔法 もう 握り返す事も無い
運命の渦中で 潰えてしまう あなたが微笑んで居るから...

まるで総てが幻だった
腐食した愛を抱き締めながら 眠る
無情なる恋に揺れ動きながら それでも求めた
横顔に掛かる髪に隠された 本当の気持ちを

ねえ 知ってる?
この胸の裡にわだかまる想い 濡れた肌に写る哀しみも
生温い雨粒の伝う 想い秘めたる この虚ろな瞳も
未だ 恋してる事を

二度とは触れられぬ この熱くたぎる想いよ
あの空に解き放て 冷たい雨に濡れた肌が恋しい
脱ぎ捨てられた過去に 重ね合う 寂しげな瞳
もうこれ以上は 触れ合う事もない
幸せな恋の終焉 あの時 あなたは言った

「触れ合う度に感じるの...
この心の隙間 まるで悠遠なる宇宙を漂うような
愛の極致 でも 拡がる不安に呑まれてしまいそう...
ねえ 教えて? この胸の鼓動は 確かな愛ゆえなの?
それとも... 見境の無い距離に 心を失っているの?」

あの瞬間 あなたは云った
幸せな恋の終焉 一度喪った心はもう戻らない

愛する意味を教えて?
本当は もうこれ以上 傷つきたくはないから
ねえ あなたの雨に濡れた肌も
その 想いを秘めた虚ろな瞳にも
未だ 恋してるから...
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