汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

詩 隠していて

2021年12月04日 | 悲哀の詩

隠していて

この心の何処かに

花びらの舞う 心地を

暗い森を彷徨いながら

鮮やかなる夢へ

その声に誘われ やがて朽ちる

この想いは もう叶わないの

握っていて

どうか この広い世界の中で

取り残されないように

もう2度と 還れないのなら

あなたの瞳に写る寂しさ

この手に見せて

咲いた花々は 世界を照らす

涙と引き換えに

心に熱を灯すから

騒々しい 花々の躍る

永遠の眠りに懐かれて

あなたの呼吸を幽かに感じるの

せめて ここに居させて

色とりどりの

夢の潰えた 花吹雪に

心満たされた

引き返す波のような

淋しさを包まれながら

あなたを探した

華々しい

永遠の眠りに包まれて

暖かく この胸を染めるから

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赤く灯る海

2017年03月23日 | 悲哀の詩
何も無い この道の奥には
忍び寄る 気配に心怯え 鬱ぎ込んだ 人影がある

侵食されて行く 身体の稜線が恐怖に震えて
皆 ばらばらに裂けてしまった
此処は何処? 塞がれた眼に 滴る甘い声音

何処までも果の無い 煌々と輝く海原
覆い被さる波に呑まれ 潰えて行く

どうして? 涙が止まらない
流されて やがてこの肉体をも 引き裂かれて
赤く灯る海面に 月光の優しい眼差しが 写る

何処までも果の無い道
闇に煌々と揺れる海原は 甘くその聲を燈す
やがて見失う 意識が変性して
艶かしく躍り出す海原 さざ波が揚々と弾けて
引き裂かれていく肉体

どうして? 涙が溢れ出してくる
引き千切れ ばらばらになり 生き絶えた
赤く燈る海原に 浮く 無数の肉片
喪った声を求めて 彷徨う
行く宛ても無いまま 海底に沈殿して行くように

やがて見失い 変性した意識が 踊り出す
引き裂かれた肉体 それは鮮やかなる死の臭い
血に赤く染まった海原に纏う
漆黒の蒼穹には 星が雄大に煌めいている

どうして?
誰も居なくなったこの地で 泣いている
行く当ても無いままに 沈殿して行く命は
引き裂かれ ばらばらになって 跡形も無くなったのに

どうして?
忍び寄る気配に怯え 心が鬱ぎ込んでしまうのは

どうして?
もう 誰も居なくなってしまった この地で
忍び寄るあの気配に怯えて 心を閉ざしてしまうのは

「ねえ どうして?」

あの瞬間
波に拐われ 肉体の何もかもが 引き裂かれ
ばらばらになって 赤く海原を染めて
皆 跡形も亡くなってしまったのに

もはや誰も居ない この地上で
心を閉ざしてしまうのは

「ねえ、どうして?」

こっちにおいでよ
このままじゃ さみしいから...
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恋の終焉

2016年11月11日 | 悲哀の詩
せめぎ合い 塞ぎ込む あなたを愛するが故に
腐食した恋に せがむ 無情なる雨に打たれながら
横顔に掛かる髪 せせらぐ刻に身を任せて
このまま消えてしまいたい もう何も要らないから...

ねえ 見つめ合う度に 震える心 苦悩の涙に果てた願い
せめて聴かせて? 愛する本当の意味を
この手に掛けられた魔法 もう 握り返す事も無い
運命の渦中で 潰えてしまう あなたが微笑んで居るから...

まるで総てが幻だった
腐食した愛を抱き締めながら 眠る
無情なる恋に揺れ動きながら それでも求めた
横顔に掛かる髪に隠された 本当の気持ちを

ねえ 知ってる?
この胸の裡にわだかまる想い 濡れた肌に写る哀しみも
生温い雨粒の伝う 想い秘めたる この虚ろな瞳も
未だ 恋してる事を

二度とは触れられぬ この熱くたぎる想いよ
あの空に解き放て 冷たい雨に濡れた肌が恋しい
脱ぎ捨てられた過去に 重ね合う 寂しげな瞳
もうこれ以上は 触れ合う事もない
幸せな恋の終焉 あの時 あなたは言った

「触れ合う度に感じるの...
この心の隙間 まるで悠遠なる宇宙を漂うような
愛の極致 でも 拡がる不安に呑まれてしまいそう...
ねえ 教えて? この胸の鼓動は 確かな愛ゆえなの?
それとも... 見境の無い距離に 心を失っているの?」

あの瞬間 あなたは云った
幸せな恋の終焉 一度喪った心はもう戻らない

愛する意味を教えて?
本当は もうこれ以上 傷つきたくはないから
ねえ あなたの雨に濡れた肌も
その 想いを秘めた虚ろな瞳にも
未だ 恋してるから...
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夕暮れの積雪

2016年09月15日 | 悲哀の詩
指先に感じる
この身体が優雅に溶けて失くなる 心地を
幼い肌に 映る 積雪の風
この仄暗い夕暮れの空が 覆い尽くされるまで
どうか待っていて欲しい

まだ見失いたくはないのに 儚く萎れていく
花々の相に揺られ まるで永遠の夢路

もう二度とは 這い上がれない
静寂の濃霧に咳き込む

ふと見上げれば 星々が渦を巻いている
深々と吹雪く雪で 撹拌された姿で
あの蒼穹は脆くも 壊れてしまうから

やがてこの刻も 瞬く間に消えて
何もかもが あの手の中で 墜えてしまう

涙は くすむ夕空を映し 小さく震えた
その陰に雪の明かりが散らつき 心狼狽えてしまう

何処にも行かないで
眠りに就くまで ずっと...

深々とせせらぐ雪は 燦々と輝きながら
夕闇の彼方へと落ちて 溶けてしまう

眠りに就くまで ずっと
この手を離さないでいて
遠い積雪が 冷たく響く渦中
この震える身体が哀しいから

もう二度と 触れる事もない その寂しげな瞳
あの涙は 今でも夕闇を湛え 震えているから

やがてこの命も
夢の裡へと 薄れてしまう

触れ合う指先に感じた 雪の重さ 生きる心地
その手はいずれ夕暮れの彼方へと
消えて行ってしまうから
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赤く色付く月が嗤う

2016年01月17日 | 悲哀の詩
塞ぎ込んだ唇を弄ぶ指 染み渡る温もりに歪む 眼差し
鮮やかなる花々が咲き乱れる 此処には あなたの声は無くて
狂おしい感情だけが谺する 枯れた空には 暁月の眼差しが浮かぶ

揺れ動く赤い花弁 何処までも奥底へと堕ちていく 寂しさの最中に
あなたの歪んだ表情が 雨に降られ 濡れている

忍び寄る気配が 理性を揺るがす
憂いを秘めた眼差しに縛られた心 あなたの手のままに 朽ちて行く
花々の麗しい香りに包まれて 疲弊して行く身体
甘く纏わりつく花弁は 唇を可憐に染める
赤い花は微睡む夢の渦中で咲き満ちて
愛に飢えた瞳が その首を締め付ける 終焉の風が吹く最中に

求め合う手が重なる 甘く弛緩する口元に 溢れ出す吐息
もう二度と離しはしないと この腕の中で 微笑みながら殺される
その歪む唇が救えないと 花弁が舞い散り 赤く色付く月が嗤う

此処にはあなたの声は無くて 眼差しだけが揺れ惑う
忍び寄る気配に揺るがされる感情 その澱に沈み行く身体が枯れて
あどけない微笑みだけを遺して散って行く

あなたの壊れた表情には もはやあの頃の優しさは無くて
咲き満ちる赤い罪が 色鮮やかにその身体を 埋め尽くして行くだけ

紡がれし夢の跡に 降り注ぐ雨
冷たく疲弊した微笑みが取り残されて 崩れてしまう空
乱れた花々の群生に取り込まれて 儚く命を終えて 永遠に流れ行く
微笑みながら殺されて この腕の中で抱かれ 眠る
甘い花々の群生に彩られて 命を終える この寂しさの最中に
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欠け行く月の徴

2016年01月16日 | 悲哀の詩
零れ落ちる涙が 闇に溶けて行く 寂れた感情が 夜風に燻る
響き渡る鐘の音 闇夜に反響する悲しみに 浮かぶ月の明かりは暗く鎮む
滴る水に映る表情 その胡乱なる瞳の色が 終焉を誘惑している

呼び寄せる 煩悶の眼差し 死の気配に色めく 暗黙の瞳
此処にはもはや 居場所は無い
鋭利に叫ぶ声が 凍り付いた水面に反響する
誰も居ない この場所で 息絶える事が ただ切なくて

恐くて泣いていた
静けさに満ちた 夜空に浮かぶ月の陰影が 茫漠と輝く刻
振り向きざまに 浮かんでいた あなたのその悲しそうに微笑む表情を見て
もう縋るものの無い 枯れた背中を 抱き締めていた

狂おしい程に 愛してる
悲しみに彩られた この手が 鋭利な刃で 赤い憂鬱に塗れる
此処にはもはや居場所など無い
今にも途切れそうな糸が この胸にわだかまる最中
淡く色付く 薔薇の花びらが 可憐に散り この首を重く締め付ける

やがて 憂いを象った唇が あなたの言葉を欲して 迫り行く
血に飢えたこの手が あなたの紅い唇を切り裂くまでは どうか消えないで
あなたの枯れた背中を抱き締める この腕が ただ切ないから

見つめていて 冷たく触れ合う肌は 欠け行く月の蒼白の徴
暗闇の中 振り向きざまに 微笑んでいた あなたの壊れた虚ろな瞳に
月の陰影が明滅しては 差し迫る
乾いた唇の 赤い眼をしたあなたは 一体誰
この鼓動が絶えるまでは 喉を切り裂くのを 止めないで
斬り刻む度に 嗤うあなたの手が 美しく歪み
噴き出す血が その手を深い赤に染めて行くのが とても悲しいから

逃れられない 闇の中を彷徨い 口づけはさらに重く重なる
此処には居場所など もはや存在しない
血に飢えて 熱く噴き出す声が あなたの微笑みを妖艶に呑み込む
それまでは その愛を どうか止めないで

あなたの声が欲しい
凍りついた水面が揺れて 響き渡る鐘の音が 闇夜に反響する
此処にはもはや居場所は無い
静けさに満ちた夜空 忍び寄る気配に怯えて あなたを探していた
月の陰影が明滅する最中 その静寂に映る表情が とても悲しかったから
どうかこの苦しみを あなたのその手で 殺めて欲しい
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光の眩しい朝に

2015年07月15日 | 悲哀の詩
日差しの強い 朝はしんみりとしてる
蝉は鳴き始めて うるさく想いを競い合う
辺りは まぶしくて 思わず目が眩む
起きて間もない僕は
光に満たされた空を見上げた

この手に満ちる 生きてるという実感
でもそれは 時として 自分の不確かさに埋もれる

僕が この世で 生きている
十分に呼吸して たくさん食べて また寝て
そうして日々は刻々と過ぎて行くのに
なんだろう
不意に 立ち止まる
その一瞬の間隔に 吸い込まれてしまいそうだ
僕はそこで脅かされて
ただ虚しく頭を抱えている
なぜなんだろう
なぜなんだろうって

差し込む朝の光は
ただ優しくて 僕を包み込む
あの一瞬の出来事は
まるで無かったかのように
また こうして時間が過ぎて行く
なぜなんだろう
どうしてだろうって

起きて間もない早朝に
僕は 光に満たされた空を見上げた
そこには何も無い 蒼白の景色が拡がってる
そんな時間がいつも通りに流れていく中で
蝉のうるさい鳴き声は
今日もまた
想いを競い合ってる
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降りしきる雨に

2015年07月14日 | 悲哀の詩
雨の季節は とても憂鬱だね
あと一息の 告白が 届かないまま
時間だけが 過ぎて行く

雨の雑音は 乱れた心の音
雨足が早くなる度に 混乱して
僕の想いはまた 伝えられなかったよ

君への想いは 満ち溢れるのに
その溢れる分だけ
余計に身体が強張ってしまって

ごめんね
あの時の言葉は
そんな意味じゃなくて
ただ戯けるだけの僕は
萎びた花のように 滑稽で
それでいて悲しくて
でも君に触れた この手は
確かに 感じていたよ

降り注ぐ 雨に
この詩は また 流されて行くんだね

降りしきる 雨は
本当の涙を隠してしまうから
君に捧げる この想いもきっと
雨の雑音に掻き消されて
見えなくなってしまうから
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再び会える事を信じてる

2015年07月14日 | 悲哀の詩
悲しい思いは 遠くの海で 鳴っている
カモメは空を飛び 優雅に 太陽を浴びてる
流れるままに 空想を 遥かに延ばして
君に会いに行く

心の穏やかな 君は
まだ この世界には居ないけど
きっとあの世界で 僕を見守ってくれてるから

我が友よ
最愛の徴は 伝えられて居ないけど
きっとまたこの世界で
再び会える事を信じてるよ

この時間が ずっと流れて行くのなら
またどこかで きっと
あの頃と同じ笑顔を 見せてくれるから

ねえ 君が好きだよ
愛してるから
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瓦解の調べを紡ぐ

2015年06月29日 | 悲哀の詩
空白の時が 押し寄せる
波の白い息遣い そこには薄明の月が 狼狽える
見つめ合い あなたを選んだ この指が
満たされぬ間に 空を切る

打ち拉がれて 涙の流せない 安らぎの中で揺蕩う
不始末の愛に 飛び火する 感情
戸惑い 堕ちる あなたの瞳の 胡乱な輝きに浸されて
この想いは果てし無い 夢の中へと 霧消して行くのに

まだ消えない
寂れた身体が発する 臭いに釣られ
羽ばたいて来る 天使に 頭を垂れた

帰らない 記憶の困惑
決して戻れない 道を 今歩む
遠くせせらぐ月影の 冷たい吐息
あまねく天の声に 耳を塞がれて
どこまでも朽ちていく
この身は 瓦解の調べを紡ぐ
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