汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

茨の絡まる夢へと

2015年01月24日 | 奇想の詩
幻に消えて行く 月の明かり
埋没する 身体は 茨の絡まる夢へ

枯れた森の奥 残骸が風に舞い
天蓋が墜ちて行くのを 観ている
天使が 嗤い 矢を射るその眼が 絢爛とする
射られた 獲物は 興奮し 血液は蒸発する
生命は 粘着く舌を垂れ 叫びを挙げ
干乾び行く身体を もてあそぶだけ

残骸は 茨に絡め取られ やがて腐食して行く
枯れた森は 呻き声を 轟かせる
腐乱した 命が 無残に彷徨う

光の無い 淀んだ空
烏の歪な 声が微睡む 夢幻の途に
蠢く無数の手が 血を求めている
捕らわれた生命は 干乾び
身体は 分散して 呑み込まれる
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言葉の海に埋没する

2015年01月24日 | 奇想の詩
言葉の海に 溺れた
感覚は麻痺し 宇宙のより深淵へと 下落する

身体は浮遊し
波の穏やかな琥珀の海に 流れ着く
星は瞬き 月は覗き込む

意識のより深淵を 掻き乱す
幻惑の視線を この胸に
躍動する人影が 行進して行く
鮮やかな海の光に照らされた 夜空に

朧げな瞳 より深い 感情の穏やかな波を
見つめる琥珀の月の 表情

麻痺した口を 開き 言葉の海へと 埋没する
淀んだ海は 渦巻き 月の亡骸と 沈没して行く
穏やかな表情の月は 破壊を望む

淀んだ海が 泣いて 世界を呑み込む
永遠の真実を求めた 赤い月が 嘲笑う夜に
言葉の海に溺れた 感情が覚醒する 瞬間を
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記憶の中の悪夢

2015年01月22日 | 奇想の詩
餓えた口を開き 滴る水を舐める
虚ろに歪む 瞳から 流れる涙が
肌を伝い 墜ちて行く

張り裂ける 肉体を 指で辿って
誇らしげに 微笑んでいる
ここに有るのは 単なる肉塊
愛らしい笑顔 歪んだ皮膚に 触れる
冷たい感触 総てを呑み込んだ 哄笑を浮かべた

あなたはまだ身悶えの 記憶の中で
悪夢にうなされている

引き裂かれた 喉から 溢れる 高笑いの表情
夢幻の欲望に
瞳は青ざめて 深淵に流れ込む

身体が融解して行く
溢れ出す血液に溺れ
身体中に隙間無く 染み込んで来る
暗鬱な瞳から 滲み出る 悪意が
肉体に喰い込む 哀愁の夢に
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夜闇の白馬

2015年01月21日 | 奇想の詩
せめぎ合い 胡乱に歪む 世界を観た
宛も無い道の先には 宇宙の声が蠢く
鮮やかな 夢を視て 眠る
漆黒にくすむ 夜闇に彷徨う 光

宛も無い 風の行く 幻に ちらつく
夢の果てへと 導く
明ける事の無い 夜の寒さに
怯える手が 肉体を引き裂くように
探し求めた 幻想の街

まだ焔が揺れている この命
翳す手の温もりを 忘れないように 口を紡ぐ
瞳の色が 微睡む あやふやな夢
夜闇を駆け抜ける白馬が風ように 消えて行く
涙が流れ 一瞬の灯火に 崩れ堕ちる 感情

焔の波が 絶え間なく 揺れる
夢と現の境界が 溶けて無くなり
闇の果てへと 引く手に 導かれる
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胡乱な瞳の月

2015年01月21日 | 奇想の詩

形の無い 留めどなく溢れる 水の音
残響が微睡む 陽の翳る 時は幽玄を映す
暗鬱なる景色が 過る 音の弾ける 水滴に揺られ
何処までも 浮沈を繰り返す

水面の輝きに照らされて 躍る 魚の群れ
浮上する 波に浚われ 腐食して行く
この眼に映る 森羅万象の嵐が
音も無く 瓦解して 脳髄を侵す

速く滴る 水滴の音 時間は乱れ 墜ちて行く
意識は 鼓動を打ちながら 腐乱し 匂いを放つ
明かりの消えた 水面に 月影の胡乱な瞳が覗き込む

この身体は 流れて行く 抑制の外れた感情
総てを呑み込む 抑えられない欲望に
潰えた世界が 泣いている
胡乱な瞳の月が 覗き込む 鮮やかな海が
朽ち果てた 身体を抱き締める
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祭り囃子

2015年01月18日 | 妖艶の詩
さざめく風に 遊覧する 葉の薫り
季節の流れ 果てぬ夢の 繁る緑葉の影に
訪れし 未知の刻

色めく頬の柔肌 密やかなる 言葉を交わし
微睡む日がなの 刹那を 想い
まだ視ぬ開花を待ち臨む 瞬間を行き急ぐ
か弱く袖を引き 流れ行く時間の微睡みへと 落ちて行く

舞う花弁の 斑模様の色づく 琥珀の宙に浮かぶのは
恥ずかしく竦みながら 言葉を象る 朱い唇
それは鮮やかなる 想いの開花を 待ち侘びる 寂寞の色

幾重にも降り積もる 言葉を抱き締め
蠱惑に揺れる 手の温もりを 握り返した
瞳の妖艶なる 陰に 照らされ
火照る 花園の 華やぐ 囃子に踊る
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揺籃

2015年01月16日 | 奇想の詩
揺籃に揺られ そっと目を閉じる
穏やかな 時の流れの 一瞬の風を 感じたから
返す波に 想いを届けよう
古の海に 流れる この憂鬱を

遥か彼方に 満ちる 温かな海水
色付く海藻の揺らめきに 胸はときめき
もっと深い場所へ より大きな源へと
惹き込まれる 螺旋を描く魚の陰に 隠されて
何処までも落ちて行く

此処は 満ち足りた あなたの揺籃
締め付けられた胸の 高鳴りに 心は満たされて
静寂の夢の中へと 何処までも 微睡む
もう戻れない ざわめく気泡に 映る瞳の色
涙が溢れ 少しずつ途絶えて行く 意識の明かり

波は穏やかに 満たされた心を 流して行く
遠退く意識の狭間に見た 鮮やかな海の光に照らされた
揺籃を遺したまま
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断罪の刻

2015年01月16日 | 奇想の詩
地に落ちる 羽のように 螺旋を描く 鴉
焦げた身体の 哀愁に 雨は降りしきる
掴もうともがき 散って逝った 花の薫り

太陽の凋落 繋いだ手に 涙の線が滴る
寂しげに微笑んで見せる 古びた写真
その瞳の奥 鮮やかな色彩を映して 壊れて行く
一瞬の想い出さえも 炎に焼かれ 朽ち果てる

冷たくなった身体に 打ち付ける雨
断罪の刻 彷徨い続ける 亡骸の群れは
光に包まれ やがて消滅する 宿命
雨に打たれ 匂い立つ
破壊された歴史の死臭
総べてを呑み込み 薙ぎ払い
炎に焼かれ 逃げ惑う 断罪の刻
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