汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

マテリアルな夢に

2017年10月24日 | 奇想の詩
遠く 煌めいている
蜃気楼の中で 揺れている
枯れた景色が 仄かな光を 翳して
深く息を吸う 流れに乗り
遠く煌めいている

マテリアルな夢に 掻き乱された
深層意識に 呑み込まれる
煌めく模様 波に揺れて 揺られて
その瞳 悲壮感に満ちた 幻
この世界を彩る 花々は 暗黙の了解


拡がる空 底無しの水面
無数の気泡が溢れる
擦れ違う手と手が 離別を恐れて
しがみつく 無数の手が 壊れないように

マテリアルな夢に乱される
この世界は 幻
まるで 夢のような 恋に溺れる
流した涙の数だけ 潰えてしまった
両手から零れ落ちる 水
まるで夢のような 恋情に満たされて

まるで 夢のような
夢のような 世界に

消えて行った 遥かな光を
追いかけて

マテリアルな夢に乱される
流した涙の数だけ 潰えてしまった
次々と壊れて行く
壊れて 壊れて 消えてしまう
この夢のような世界に 恋をした
心満たされて 恥ずかしくて

壊してしまう

何もかもが 卑猥な夢心地で
ぎこちなく いじらしい この生きている心地が


壊してしまえ

この夢のような世界に 堕とされた
何もかもが卑猥な 夢心地で
この 生きている心地さえも 見失うから
叶わない夢のような 恋をした
無尽の底へ 叩き堕とされて
この 夢のような世界に 恋をするため
この身体は産まれて来た

まるで夢のような
夢のような世界に

まるで 夢のような
夢のような世界へ

壊してしまえ

壊してしまえ


やがて 叶わない夢のような恋をして
この身体は産まれて来た


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シグナル

2017年10月23日 | 奇想の詩
なみなみと注がれる
不可思議な旋律 不意打ちの合図

蠢く言葉たちが 溢れ出す
この口蓋には ねぇ 何もないの
不確定な時間が じぐざぐ 突き刺さるのは
そう 夢の中のあの光景だったから

血だらけのこの手に 燈る光
何度振り返れば 報われるの?
それはもう 二度と訪れない あなたの背中

なみなみと 注がれる
コップから水が零れ落ちるように
不可思議な旋律が 鳴り止まなくて
不意打ちの合図 蠢く言葉たち
無尽に溢れ出す この口蓋には 何も無いから

ねぇ 何も感じないの
不確定な時間が じぐざぐ 突き抜けるのは
そう あの夢の中で 見た光景だったから

何度振り返れば 救われるの?
記憶の中で 派生する 言葉
何度繰り返せば 救われるの?
夢の中で見た あの光景 いつかはきっと
何度も振り返っては 手を振った

エンドレスな繰り返し
もう 何も感じないの
だからせめて その手で殺して?
迷いの森を駆け巡る
もう 何も感じないのは そう

言葉は要らない
言葉は要らない

それよりも見て見て
口蓋から溢れ出す 蠢くこの言葉たちを
もう何も 感じないくらいに
この首を絞めて 殺して?
無尽に溢れ出して 口蓋で蠢く
言葉たちを 塞いで欲しいから

言葉は要らない
言葉は要らない
それよりも見て欲しいの

この唇から零れ落ちる
吐息 その温もりを ねぇ ちょうだい?

言葉は要らない
蕩ける瞳に まとわりつく言葉たち
惑わして? 無尽に溢れ出す 吐息を辿って
さあ 唇を開いて ねぇ
寂しくて 寂しくて 凍えそうだよ
この無尽に湧き出る 赤いものは 何?

その手で 触れる鼓動
ううん きっとそこには 夢のような世界

言葉は要らない

ただ その手に滴る赤く
赤い あなたの言葉が欲しい
そう あなたの生きた証
滴る 言葉の赤い屍を

ねぇ ちょうだい?
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幻想の水面

2017年10月13日 | 奇想の詩
せせらぐ 川の流れに身を浸す
心穏やかな 時雨に降られて 送り出す

あなたの背中に 施しの合図
ただ静かに 流れ行く 飛跡に辿りし
笑顔のままの 綻ぶ声は 交わる唇の徴

遠浅の沖へ 流れ着く 満開の花々
掠れた砂地の文字 それは浅はかな指先の戯れ

揺蕩う 木の葉 さざめく蒼穹は 風に煽られ
風光を散らす 星々の犇めく 幽玄の刻を奏でながら
それは優しい声で 囁きかけてくれるから

煌々と爆ぜる 火粉 今に心覆い尽くされる瞬間
渦巻く焰 揺らめく記憶に 鼓動が沁み入る
それは幻想の水面 揺ら揺られ 綻び行く 心

沈み行く彩光に揺られ 解かれてしまう
記憶の像に 幾重にも重なり合う 唇の寂寞を

包み込みたい 仄かな吐息を感じながら
月明かりの中で抱き締めてあげる

もう既に この手には 何も無くて
零れ堕ちる声 あなたは何処へ行ったの?
涙は溢れ 静寂の泉に射す明かりが寂しくて

声を押し殺して すすり泣く時 流れた泪は
枯れた樹木に沿って 無尽の闇へと 滴り落ちるから

あの夜空の赴くままに 深く呼吸して
あなたの影を捜す せめて触れさせて欲しいと
何処までも 落ちて 遥か永遠を行く

仄暗く 可憐な花々に 蒼き月の光は注ぐ
淑やかな風を舐める 心 震え
沁み渡りし 静寂の薫りを感じながら

煌めく夜露に 麗しき 花弁の絢爛
降り頻る 流星に濡れた 紅い唇が
尊し生命の詩を奏でるから ただ 寂しくて

それは揺られし 幻想の水面
残り僅かな時間を遡る 小舟に乗りながら
今宵も更けゆく
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あなたを象る証し

2017年10月02日 | 愛の詩
しっとりと香り華やぐ 夜の花
ねぇ 震えているの? 空に映る星々の輝き
こんなにも 寂しい夜には そう
天翔ける 流星の群れを追いかけ
ずっと 一緒に行こうね

もう何も寂しくはないから
ふと悲しくなってしまうのは ねぇ
どうしてなの? ううん
こんな夜には そう 手を握ってあげる から

そばにおいで 零れ落ちる 水滴に
水面は煽られ 乱された 心 ここに見せてみて

なにも怖がらなくてもいいから
ねぇ 雨の降る夜には きっと
想いの端々に 産まれる 感情
淋しくて 辛いから そばに居て どうか

もう何も寂しくはないよと
頭 撫でて欲しいから
ううん 傷ついた心
慰めの言葉なんて 要らない から
ただ ここに居て欲しい

昏れなずむ 陽に 心擽られて
ううん なんだか 恥ずかしくて そう
もうこの世界には 帰らないと 決めたから

ねぇ 何かちょうだい?
震える夜には こんな事しか言えなくて
ごめんね 抱き寄せて 精一杯の優しさを くれるけど
もう既に ここには

ねぇ こんな夜には 手を握って居て
ずっとこのまま 離さないでと 瞳を丸めるけど
ううん 解ってる そう
こんな夜には きっと あなたは居ないから
そう 星空の向こうに消えた 流れ星は
もう この世界には居ないから

ううん 解ってる そう
こんな夜には きっと もうあなたは居ない から
夢を見ているようね まるで
ここには居ない あなたを 想像しているとね
触れ合う 度に 流れた悲しい感情が
淋しくて 淋しくて つい 求めてしまうから

そうそれは 確かに居た あなたを象る証
ううん もういいの でも 決して そんなんじゃなくて

そうね あの夜空の向こうで瞬いて
いつまでも こうして 夜が更けて行くのを
ただ 見ていたくて だから
もう行かなくちゃ
ううん そんなんじゃなくてさぁ

決して そういう事じゃなくて
うん どうか また逢えますように
この広い世界のどこかの時代で 再び

ねぇ 遥か遠い未来のどこかで また
あなたと出逢えたらいいね
その時までは 永遠に

「さよなら」


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