汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

あの場所で待ってるから

2016年06月17日 | 愛の詩
この場所で ずっと待っているから
ぼんやりと霞む 花園に包まれて 眠っていたの

あなたの甘い言葉が この身体に浸透して
響き渡るのが 恥ずかしくて 顔を赤らめてしまう

あなたがこの身体に触れると
光が弾けるように 声が洩れてしまう
この曖昧な心地の中で いつまでも果てていたい
だからずっとこのまま あなたのそばで 眠っていたかったの

それでも寂しさが押し寄せては
確かな温もりを感じたいと 傷を舐め合ってしまう

冷たくぼやける白い肌に 唇を擦り合わせて 墜ちて行く
溢れ出す声音 不意に 視界が優しく滲むような 恍惚に彩られて
いつの間にか 腕の中で 泣いていたの

この沁み渡る あなたの体温が とても心地が良いから
もっと見つめていて欲しいかった
花弁が風に舞い散るように 不安定に揺れ動く感情が怖いから
あなたのその腕で きつく抱き締めていて

あなたの吐息 それは 可憐な花が散って行くような心地
交わし合った秘密が 決して枯れてしまわないように
この身体を受け入れて欲しい

だから この感情が蕩けてしまうような証をちょうだい
ねえ もうこれ以上 あなたを傷つけたくないから
ああ もう二度と あなたの腕の中で傷つきたくはないから

あの場所で ずっと待ってるから
だからねえ ぼんやりと霞む 甘い花園に包まれて
いつまでもこの夢の中で 眠っていたい
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幽かに揺れる花々の香りに

2016年06月16日 | 愛の詩
幽かに揺れる 花々の甘い香り
渇いたこの世界の空白を埋める
あなたのその指の優しさに
すべてが包まれてしまいそう

悲しみを湛えたその眼差しを
どうか隠さないで

風に舞った 花びら
それは群青の宇宙に 儚く散って行く 悲しい定め
その優しき姿が 厚く湿った唇に重なり
どうやら醒めない永遠の夢へと
堕とされてしまったみたい

流れ落ちるあなたの甘い涙に 絆されて
感じ合う心の隅々にまで 絡まってしまった糸
それはもがけばもがく程に きつくもつれて
深く求め合ったまま 離れない

融け合う最中に 溢れる感情
その染み渡る群青の海に あなたの瞳が覗き
熱くなった身体の自由をさらに奪う

その深い宇宙を見つめる瞳は
いつまでも優しさに満ちていたから
ずっと幸せだった

まだ この温もりからは 醒めたくない
いずれ何もかもが 虚ろな夢の澱に墜えて行くのなら
どうして あなたを求めてしまったのだろう

消えかけた花々の甘い輝きに
どこまでも自惚れて居たいから
この星の輝く夜空の下で 抱き締めたままでいて

ねえ その指の奏でる 曖昧な感覚が心地良いから
ずっと触れていて欲しかった
いずれすべての時間が 終わってしまう
その瞬間までは

だんだんと時間の感覚が退化していく最中
色褪せて行く景色の渦中で 小さく泣いていた

この冷たい手を ずっと握り締めていて欲しかった
あなたと触れ合う 心地の良い穏やかな時間も
いずれ過ぎ去ってしまうのなら

流れる花びらの群れに包まれて
あの群青の宇宙へと 永遠に染み渡って行く
あなたの姿を ただ目で追っていた

やがて一人となり
吹き抜ける冷たい風に 身を屈めた

あの時間の果てに散って行く 宿命に
小さな花々の影は それでも輝いて
甘く切ない香りに包まれながら 命果ててしまう

だからその冷たい指で もっと触れて欲しかった
脳裏に浮かぶ あの時の温もり そして切なさが
この世界の空白を 優しい色彩に染めてくれるから

すべてが終焉の時を迎えて
一人 感情の海を彷徨っている
この眼に浮かぶ涙 その淡く色づく残像に
もう一度 触れたくて
あの群青の宇宙へと冷たく沈んで行く
あなたの身体を抱き締めた
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見つめれば見つめ合う程に

2016年06月03日 | 妖艶の詩
口から零れ落ちる言葉
流れてしまう 吐息を混ぜた声に 胡乱な表情

酩酊の眼差し あなたを捕まえて この瞳で絆してあげる
もう二度と這い上がれないように きつく抱き締めて
心が求める あなたの事が好きだから
見つめれば見つめる程に 熱くなるの

この赤くなる果実が蕩けてしまう前に その手で殺して欲しい
瑞々しく剥き出しの唇は まるで熟れた果肉のよう
その手で触れて そして握り潰して欲しい
あなたの泣く姿 まるで子猫のように 怯えた瞳が愛しいから

あなたの声で この唇を塞いで
ねえ もう後戻りは出来ないから
何処までも 深く朽ちて行きましょう
口元から零れ落ちる言葉が 優しさで汚れてしまわない内に
この唇で感じて居たいから

ねえ あなたの事が好き
ああ 見つめ合う程に 壊れてしまいそう
だからもうこれ以上 優しい言葉を掛けないで

唇から溢れ出す 吐息が切ないから
ずっと抱き締めて居て欲しいの
そう きつくこの身体が窒息してしまうまで

もう後戻りはしたくないから
ああ 見つめれば見つ合う程に あなたを求めてしまうの

降り注ぐ雨に打たれて
ねえ 苦痛に歪むあなたの顔が可愛いの
ああ この眼で感じてしまうから
もうこれ以上 優しくしないで
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響音の滲む空に

2016年06月01日 | 奇想の詩
ひらひらと零れ落ちる花弁
漆黒の空 歪な響音を滲ませて 今に開花のその瞬間を待っている

後ろを振り向けば あなたの嗤う黒い姿
鎮まり返る空に ひらひらと拡がる花弁

ずっと眠って居たい
響音に馴染ませたこの耳が その内奥まで 侵食されてしまうから

あなたの黒い姿が この眼に染み付いて 離れて行かない
後ろを振り向けば そこには 死んだあなたの嗤う姿が浮かぶ

もう二度と 触れないで
鎮まり返る背後に蠢めく この世に無い筈のあなたが泣いている

ねえ 聴こえる
清風が吹き渡る あの空に ひらひらと散って行く花弁の聲が

もう二度と産まれる事も無い
やがて花弁は ひらひらと沈んで行く

眠ったままの表情は とても綺麗で
いつまでも こうして居たかった

後ろを振り向けば あなたはもうそこには居ない

そして聴こえる
二度と生まれ変わる事も無い ひらひらと沈む聲が

ずっと眠って居たかった
こうしてあなたの嗤う聲が滲む あの暗い空で

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