汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

愛を身籠り続ける身体

2016年04月29日 | 奇想の詩
綺麗な表情をしたままの あどけない想い出
遺された言葉は 水流に呑まれ 深い闇の裡で 窒息している

この世に零れ堕ちた身体が 反響する鼓動に包まれ
そのもがいている姿を あなたの瞳に植え付ける

もうこれ以上愛さないで欲しい
この身体を生み出したあなたは 宿命に翻弄された依代
見つめ合う視線の渦中に 突き放された手
重ね合う指先 優しき愛撫に この身は穢されてしまった

愛を交わし合う最中 その愛おしさを見紛うあなたが 切なく悲しいから
あなたの身体は永遠に愛を身籠り続ける

響き合う身体は 言葉を交わし 心が溶けてしまう程に愛している
もう二度と この手にあなたの温もりを感じたくはない
このまま深く悲しみを刻む 運命の渦中で果ててしまいたい

身体と身体を引き裂く空谷は 愛を奏で
その果たせぬ運命の澱の中で 激しく見つめ合う

やがて知った この身体に植え付けられた 慟哭の声を
決してあなたの秘密の姿を見たくはなかった
握り締めた手が震えて 朽ちて行く
全てが瓦解して やがて消えて行く定めにある
切なき愛を辿る途に

その悲しみを紡ぐ調べは 溺れるこの身を包み
やがて闇の底へと沈み 煌めく愛の源へと霧消して行く

もう二度と 優しき運命の裡で 愛し合いたくはない
そしてこの身は 優しい眼差しの中で 儚く壊れて行く
あなたはそれでも この身を宿す愛を奏で続けるだろう

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まだその世界の始まりを知らない

2016年04月15日 | 奇想の詩
弾ける水 その一滴一滴の裡に煌めく宇宙の声が聴こえる
流れて行く 何もかもが美しい景色の最中に
その花の輪郭に揺らめいて 躍り出す
永遠と夢の間で 醜くく歪められた あなたの表情
それは花の陰に隠れて 誇らしげに微笑んだままの姿

壊れてしまう 心
握り返した手が冷たい
弾け飛ぶ水の一滴一滴に煌めく こちらを見て嗤う宇宙

堕ちて行く 何もかもが綺麗な身体のまま 死に絶えて
重ね合う唇が 鮮やかな景色の渦中で 霧消してしまう

この手は未だに 闇へと続く その終焉を知らない
塞いだ瞳の中を廻る 幽遠なる宇宙
そこではもう 安らぎは失われ 萎んでしまった

目紛しく呻き 騒めく意識 やがて咲き誇る花は息絶えて
流転する季節の 美しい憂愁の声に 呑み込まれてしまう

腐食した身体を抱き締めて 響き合う
心へと沁み渡る声に 幾重にも重なる 紅い唇の影
まるで胎内に居るかのような 幻想の果てに
腐敗したあなたに抱かれたまま 死に絶える

求め合う手 塞いだ瞳の中を廻る 愛煌めく宇宙の嗤い声
その影に蝕まれ 目紛しく流転する意識
交わし合う指に 塞ぎ込む瞳は
まだその世界の始まりを知らない
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肉体の迷宮に堕落して行く

2016年04月04日 | 奇想の詩
強く塞ぎ込んだ 赤い眼
重ねる手 噴き出した水に溺れ 堅く握り締める

鮮やかな色彩に景色が歪み 微睡む雨に打たれて 深く息をした
溢れ出す 夢想の波に流され 呑まれてしまう
その渦中 冷たい手を握り締め より深い夢へと覚醒する

降りしきる風雨に打たれ 凡ゆる肉感が疲弊して行く
やがて時間の感覚さえも摩耗して
心狼狽えて 夢と現の狭間に 消えて行く

押し潰され その呻く声が滲み出し 空白の刻を震わす
触れる琴線 響き合う鼓動の さざ波に揺られ
心地の良い夢へと 墜落して行く

無限に堕ちて行く 感覚に惑わされ 重ねた手
触れる鼓動 跳ね上がる雨粒に 心怯えて 逸らした瞳
もう二度と 浮上する事のない 闇に溶けてしまいたい
潰れた眼球 拡がる肉体の迷宮に 群がる雨粒は
全身の痛覚を刺激する

その激しい痛みが 意識を混乱の渦に陥れる
助けを呼ぶ指が 蠱惑の雨に濡れて 妖しく煌る
逃れられない肉感 はやる雨脚に表情は痺れ 摩耗して行く
果てしのない迷宮に 肉体は滅び 生命は悲鳴を挙げる

魅惑の手を握り締め 震えている
もう何もかもを喪った そう 生きている理由さえも
そしてその実感からさえも 二度と逃れられない
ただ果てしない肉体の迷宮に 堕落して行く
やがて冷たい雨粒に濡れて 疲弊した 花が咲いている


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背徳

2016年04月01日 | 妖艶の詩
噴き出した血が肌に伝う
燃え散る身体 その終焉に
あどけない温もりを感じて 恥らう
燻る硝煙に巻かれ 想いを返す
明けない夜空が 色取り取りの星の瞳で犇いて
白く肌蹴た身体の稜線が 弾く水の残響で滲む

眉を冷たく潜めて 色めく微笑は虚ろに歪む
その優しき生命を貪り喰う この眼は可憐な死を纏い 躍る
淀んだあなたへの瞳が 壊れてしまう程に
揺れ惑う夢を映す その紅い唇に激昂した

狂い咲く花 それが艶やかであればある程に
この手は あなたの優しい血の色彩に染まっていくのに

身体を迎え入れる 恥ずかしさもまた 孤独を穿つ 蜜の味
意識が混迷する 噴き出す血の流れに呑み込まれて
乱れ散る花の妖艶なる香りに唆されてしまう

冷ややかな肌に触れて あなたを想い 煩悶する
唇を重ね 響き合う温もりもまた 寂れた風に吹かれ
いずれ闇の中へと撹拌してしまうから
まだ形の遺る あなたの姿を貪っていたい

壊れた白い身体を這う無数の視線 赤い血が躍り上がり
あなたは背徳の香りを漂わせ その死に酔い痴れる
細く陰る指に 滴る 鼓動を失った鮮血
それは鮮やかに口元に飛散して 空白の感情を染める

名前を喪った表情が 生命を失くし 赤く萎びて行く
炎に巻かれ 噴き出す硝煙は風に靡き やがてあなたの死を彩る



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