汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

記憶の源

2014年08月29日 | 奇想の詩

風に乗り 何処と無く 現れた

言葉が滴り 風穴の吹き抜ける あぜ道に

不穏な寂しさが 過る

 

声に成らない ありのままの姿で 待っている

此処はあなたの知らない 深い水の底

吹き出す泡の 幽遠なる孤独

それは意識の深淵に 流れる 鮮やかな花の芽吹き 

 

何処までも 深く 沈む 枯れる事の無い 記憶の源

温もりを感じ 呼吸している 

傷を抱えたままの あどけない 微笑みを浮かべた あなた

 

手から零れ落ちる 想い 

紡いでは解ける 言葉の綾に 重なり合う 感情

息吹を始めた 花 開いた唇は 光の誘う場所へ 向かう 

風にこの命を乗せて 飛来する運命の風下へ 

 

融けた 心 不意に 瞳を逸らした 

静けさの まだ冷たい 海の中で 射す光に眩み

 

身体を抱き締め 時間の流れる 最初の口づけを

胸に谺する 鼓動を聴きながら 

涙は枯れる事無く 溢れ この海を困惑させる

 

失くした 生命が還る場所へ

羅列する言葉の 届かない想い

もう あなたは 何処にも存在しない 

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頬の哀切

2014年08月29日 | 奇想の詩

拡がる 空間の波紋に 触る眼差し

物悲しい 隙間の空いた心に 降り掛かる灯火

月明かりの 恋しい 夢見がちな あなたの傍で

 

いつものように 不意の 胸騒ぎ

取り留めの無い感情 

言葉を 捜すうちに 宵は更ける

さざ波に揺れる あなたの影が 

雨脚の早い 水面に ざわめく

 

色付く夜空の 果てしない広さを 見つめる

何処に居ても その声のする 眼差しの向く方へ

たなびく雲からは さんざめく星の 時の幻

 

重ねる言葉 暖かく消える この胸の徒

眩い月の 下弦の静寂が 優しい風の眠りを誘うように


手を繋ぎ 指で辿る 頬の哀切  

肉体の幻想に 決して 惑わないように 

ずっと隣で 観る 宇宙の物語

 

寄り添う 言葉の融け合った 身体を見つめ

夢と現の境を 何処までも回遊して 

優しさに満ちた 瞳を 逸らさないままで

 

明滅する浜辺の 涼しげな 佇まい

涙の跡を辿る 砂と貝殻の眩惑が 仄かに懐かしい

 

風に揺られ 戻った意識の 淀んだ視界に

琥珀の柔肌の 胡乱な煌めき 

さざめく木々の 眠りは 滑らかな 唇の戸惑い

 

瞳を伏せ 目まぐるしく変わる 夜空の流れに

 

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妖しき瞳

2014年08月24日 | 妖艶の詩

愛する悦びも 妖しい涙の 中で 融けて行く

雲間から射す 月明かり 

肌けて あらぬ姿のあなたは 微笑みの楽園

 

未知なる想いが 喉元を突き刺す 苦しみ

ままならぬ感情 色めく瞳の 情愛の徴

愚かに 手を伸ばして 張り裂ける 身体の奥底から

 

記憶が混迷に 沈む 夕間暮れの空

鮮やかな調べの流れる 唇は詠い あなたは嗤う

この身に染まる 業 醜い私の身体を どうか愛して

悲しげに瞬く 瞳が あなたの恋情をさらう

 

愛おしき ありのままの姿で 温もりに縋る 

この肉体の稜線に どれだけ罪が重なろうとも

過信に満ちた 愛は 融けはしない

 

あなたを見つめ 遣り場の無い愛おしさを 交わす

情愛は乱れ 妖しき瞳の 涙は 朧な視界に拡がる

何処までも 咲き乱れ 狂い惑う 吐息

 

あなたは 嗤い 何処までも深い誘惑に 誘う

 

 

 

 

 

 

 

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葉の揺籃

2014年08月24日 | 愛の詩

零れる水の音 掠れる葉の揺籃

掬い採る手の爪弾く 音色に 重ねる唇

記憶も朧に さざめく風の冷たさが 身体を感じさせる

 

冷め行く 恋 悲しき情緒に

この燃える明かりさえも 虚ろに輝く

星は揺蕩う 流し目の せせらぎ

 

曇る視界の中で あなたは消えて 

何処までも 一緒にと 手を取り 歩いた道のり

いつまでも 指で辿る 砂浜の荒漠の中を

廻り巡る 哀切の感情に任せながら

 

そっと手を寄せて 照らす月の 陰影に かざす

濡れた頬に 滲む仄かな優しさが 重ねる唇を濡らした

あなたは寂しげに 瞼を閉じ 心地良く拡がる 宇宙を感じる

 

言葉を掛け合い 不意に感じる 終焉を 

月の満ち欠けに 見紛う 

決して触れられないもの あなたはさり気なく微笑み

唇を 哀悼の涙に染めた

 

朱に染まる 十六夜の空 そっと手を掛け

瞳を逸らさず 見つめ続ける

この寒々しい 心の行き場所を 見つける為に

何処までも堕ちて行こうと 誘う 妖しき 時の凪ぎ

 

鏡に映る 哀れな姿に あなたはそっと 抱き締めるだけ

月の影が霞む その小さな背中に 掛かる風の音

そっと眼を伏せて 水面の波紋のような 鼓動を聴く

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甘い果実

2014年08月24日 | 奇想の詩

降りしきる雨 暗い海の流れる 時間

淀んだ空に 悪癖の風が 吹き抜ける

 

甘い果実が 滴る 重なり合い 吐息を感じる

あなたは塞ぎ込んだ 心を 見失う

寄り添う身体の 温もりさえも 深淵に沈む

 

此処は安らぎの居場所 言葉の綾が 漆黒に

煌めく焔のように 包み込む

いつの間にか 離されていた その手の 滲む血の温もり

 

記憶の陰に ずっと遺っている

重なり合えぬ 優しさ 寂しさがまた 犯す罪

崩れ落ちる蒼天 艶かしき吐息を 感じる

 

見失い 過ちを犯した その手は白く綺麗で

何度でも この身体を穢した 燃え上がる 炎に焼かれ

強く握られた あなたを 何処までも愛した

 

舞い上がる 情愛の揺蕩う 寂しき戸惑い

やがて朽ちる この夢の 記憶を抱き締める

 

 

 

 

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夢と現実は 見境を失う

2014年08月05日 | 妖艶の詩

無意識の奥底へと 沈む 傷痕を舐める 舌触り

強く抱き締め 諦めの無い闇の内側へと 流れる感情

消えて行く定めの 虚ろな眼差しに 夢と現実は 見境を失う

 

いつまでも 時の経つ度に 忘れ去られた 言葉を

過ちは繰り返し 傷つけ合う憎しみも 重ねる唇の優しさをも

一切の闇の流動へと 愛の裡に混ざり合う  

瞳の胡乱な寂しさ 身体を求め 慰撫し合う 荒廃した夜の雨に

 

流されて行く この身と共に朽ち果てる この運命の掟に

離さない あなたの残像 暮れ行く太陽 波打ち際に 寄せては返す記憶

せめぎ合う感情 意識は遠く歪み 交わした接吻に 生命は燃え上がる

 

いつまでも夢の続きを 愛らしい瞳の 零す涙

暗い胸の裡に 灯す恋情を 

    

 

 

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見失った瞳

2014年08月05日 | 奇想の詩

小さく脈打つ 鼓動 棄てられる表情

汚れた身体に 張り裂け 飛び散る 血流

 

禁じられた関係に 恋情の重なり 

幾つかの夜を過ごし 視えた幻 繰り返される物語り

夢と それを彩る哀しみが 別かつ身体を 色目に染める

 

見失った瞳が 孤独に朽ちた 情愛を灯す

浅はかな言葉を吐く 胡乱な唇に 口吻は重なり

甘い夢に揺れる 酔いは廻り 取り戻せない過ちを知る

 

暗い海の流れ 時の重奏に 身体の悦び

朱色に滲む 暗雲 雨は冷たく降りしきり 

淀む情景に 溶けるように 表情は困惑を示す

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