この世界は 混沌
虚な響き 紛う 白髪の光
照らされて 托鉢の木々が揺れる
輝かしい 憂鬱なひと時は
揺籠の中で 拡がって行く
騒々しい 波風に煽られ
涼やかなる 湖畔の静寂
この手にすくう
白水の心地 涙に燻る 寂れた時間の綾
それは 永遠の夢路
かつての夢に
潰えた 風の旋律
愛猫に唆され その尾に導かれる
繰り返される
迷宮への路のり それは何処の風に
退廃の香り 一抹の不安に駆られ
この命 黄葉に散る
定めに抗えず 退廃への一途
再び訪れる 眠りの瞬間に
一抹の不安
鮮やかなる 色彩に
紅葉色めく伽藍は かつての静寂に
訪れし 夕闇に 優艶の湖
艶やかな 波に揺られ 湖沼は震える
夜闇の声音 微かにそよぐ平穏に
釣鐘は鳴り響く