汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 欲望の世界

2009年12月31日 | 初期中期の詩
夢の世界に彷徨う紅
歓びに虚けた私の瀟洒な軌跡は
暮れなずむ憶測に整然と伏していく

所構わず酔狂な戯言を打ち鳴らし
夕暮れの村雨に身体を洗われた
あなたの背中に滴る艶美な憂鬱を
血に飢えた舌先で優しく舐め回す

オリンポスの静寂に泪は
平伏さんばかりの混濁に消えて
露骨な精神論など
孤独な秘蹟にのた打ち回り
全ては虚ろな虚構の中で木霊している

幾度となく愛の戦慄は
混濁液に溶けて行く律動さながら
主旋律に酔い痴れたコンダクターの情欲に勝り
理性に殉じた褥に覆い被さる欲望に
肉体の快楽までも喰い尽すだろう

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瀟洒→しょうしゃ
虚けた→うつけた
褥→しとね
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みやすけの詩 憂いの言葉

2009年12月30日 | 初期中期の詩
世の光に折れ曲がった信念は
涙を呑んだ欲望の切れ端に佇んでいる

この上なく幸せな現の幻影を
息を呑むほどの凄惨な輪廻の退廃に
移し鏡のように照らされた自我の廃れた身体を
弄りながら、唐突に風に吹かれて
その萎びた思想はまた一つ廃れていくのだろう

混沌とした躍動は、一体どこに源流を持つのか
世の習いに涙したならず者は
いつの世で温かみに触れるのだろうか

慈しみの幻想の中で
不均衡な世界の悲しみは音も無しに木霊していて
今日も精神の慰めの言葉を探して
彷徨う屍は腐臭を放しながら明日の詩を唄っている

太陽の目覚めが今も朦朧と
大地の亡霊達を照らし続けている
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みやすけの詩 夕日

2009年12月29日 | 初期中期の詩

 「夕日」

光に照らされた雪の哀しみ
川の流れにそっと佇むあなたの涙は
草原に靡いた風の囁き

やがてさめざめとその白い両手で
人の命を摘み取る時が来るのなら
快楽は溢れる涙のように
シトシトと止む事のない村雨さながら
鼓動に刻み込まれる罪の意識を
冷酷な聴衆達の蔑みの視線を受けながら
石のように冷たくなった身体を引きずり
途方もない帰結を望むように彷徨い行くのだろう

面目は潰れた玩具に伸びる陰影のように
果てもない途に跪いた老婆は
返る事のない旅人の憂愁を感じながら
その渇ききった瞳を伏せるのだろう


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靡いた→なびいた
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みやすけの詩 青い花

2009年12月28日 | 初期中期の詩
青い花に彩られた
憂愁は今も月明かりの中で
細やかな踊りに耽るあなたの面影を見つめている
湿潤した追憶の痛みは
覚束ない意識の波間で彷徨い
快楽の後の余韻のような
つまびやかな旋律に震えた心は
あなたの柔肌に包み込まれるような夢心地に
小さく怯える瞳に涙は滴る

朦朧とした賭場の慈しみの感情は
煌びやかな星屑に蠢く大気の扇動のように
愛撫の後の寂しさに震えている

海原に犇く憂鬱の調べ
月に導かれし愚者の悲鳴に想うのは
一途な心の蟠りに、にわかに差す悦びの雫

勾配した道すがらに想い付いた
凄惨な美しみの世界
そして、街に木霊していく哀しみの歌声

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朦朧→もうろう
犇く→ひしめく
蟠り→わだかまり
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みやすけの詩 悪夢

2009年12月27日 | 初期中期の詩
雪に眩まされた呟きを探して
幽かな会話の紡ぎ合いの馴れ初めに
厳かな現実の風雨に晒された醜態を恥じ
尊厳な思惑にまどろんでいる
愛の囁きに爪弾きにされた空隙は
心に宿るあなたの紅涙が滴った
あの幻想に煽られて今を見る

露骨な精神の躍動など
覚束ない瑣末な砂漠の上を走るように
臆病に殻を閉ざした貝に似た
あなたの存在に固執した魂の戦慄を
感じずにはいられない

愛の語らいは夜を徹した夢に消え
真空の海原に漂う小瓶は儚き現
夢幻の夜に蹲るのは、愚かな娘の恋文
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みやすけの詩 この世の終わり

2009年12月25日 | 初期中期の詩
生き死に言葉の彩を滴らせ
この世の散漫とした亡骸に
苦渋の接吻を施す

要因などけしからぬ生の取引に消えてしまえ
憤りを越えた幽かな幸せのために
ほくそ笑んだあなたの香りを
この世が終わり果てるまで、ずっと嗅いでいたい

楽園が蔓延る憂鬱に
当てどない逡巡はこの世界を越えて
生命の危機に瀕した人間は
己の滑稽さを苦虫が擦り切れる快楽に乗せる
労苦に苛まれた野獣よ
絶え間ない苦渋の蜜を吸わされている下僕よ

ロマンチックな狂気のほとぼりに
冷めやらぬ欲望が、まだ犇いている
露骨な嫌悪に、
無情はあたかも平和を望むように寄り添い
静かにその首の血管を引き抜くのだ

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犇く→ひしめく
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みやすけの詩 幻想

2009年12月23日 | 初期中期の詩
冬の寒々とした淋しさを抱え
臆病になった僅かな心の空隙
凍てつく寒さに悴んだ虚ろな瞳に世界は震撼して
虚ろにはにかんだあなたの微笑みには
私の姿は存在しているのか

行き着く未来の一端には
朧に散っていった抑揚の欠片たちが
無残に博物館に展示されるように
その抜けた命の呟きが
恐ろしい形相をした老婆にけしかけられるように
狼狽に縮こまった身体を慣らしながら
虚空彼方を駆け巡る

灯はやつれた男の頬をちらちらと照らし
焼け焦げた肉に振掛ける香辛料さながら
いくつもの夜を越えた哀しみに
安らぎの表情を浮かべたあなたは
今でも、小癪な悪戯を私にけしかける
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みやすけの詩 純情の死

2009年12月21日 | 初期中期の詩
慈しみの影に廃れた
藍色の空の向こうへ
苦悶に拉がれた表情を
あなたの胸の中へ宛がえば
苦渋に悶絶する少女の艶美な眺めも
奇跡に殉じた浅はかな純情に哄笑する快楽に
今は苛まれている

孤独に向き合う悦びも
辛辣さによじ登る悦楽の感情も

全ては真実

宵の明星の陰影に朽ちていった
欲望丸出しの薄汚い奴隷に唾を吐き捨て
青春を謳歌する為の存亡の憤りに
どれだけの屍が蛆に喰い尽された事か

怒涛に叫びを上げる
狂気に満ちた狂人たちの言霊
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面白かった本 「賭博者」

2009年12月20日 | 初期中期の詩
賭博者 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社

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金に狂い、賭博に溺れ、女にたぶらかされ、ああ、何という忌まわしい物語の展開なのだろう! と、悲鳴を上げたくなる内容の小説でした
この小説を、口頭で、しかも締め切りの悪魔という、圧迫に限りなく押し潰されながらも、頑張って書いたという、労作中の労作です。
それなのに、この魂の髄まで小癪に震わせる濃厚な旋律は何なのだろうか?
ああ、神よ、あなたはなぜドストさんみたいな、崇高な物書きを作り給うたのか?
いくら歩み寄っても到達される事はないであろう、エデンの園のような淑やかな庭園に、私は見えない壁に縋り付きながら、枯渇にまみれた接吻をいつまでも、気が狂いながら施し続けるのだろう!

ああ、なんという快楽
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みやすけの詩 生命の崩壊

2009年12月20日 | 初期中期の詩
蝋燭に揺らめいているのは一途な可憐な薔薇の相
口ほどにもない戯言をこねり出しては
はにかむ笑顔が堪らなく憎らしい
餓えに狂い、歓びに騒ぐ血の温かさは
一番奥の方のまだ汚されていない心の湿潤に
シトシトと降る雨に濡れて
覚束ない微笑みに還された憩いの日々の名残りを

僕は忘れない

暮れに垣間見た魅惑に覚束ない視界は闇雲に空を切り
切なさが滲み出した追憶の調べ
苦渋の定めに、風に揺れる灯

野卑な生命の尊厳を、ガムと痰で汚れた足で踏みつけ
それを押し隠すように、残酷な踏襲の快楽に耽る
低劣な飯事、命の連鎖
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