汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

あなたの唇から滴る愛を欲している

2016年01月23日 | 妖艶の詩
深い場所から響く声 美しく歪み 微笑みを浮かべる 夜闇に塗れた顔
震える手を翳して 闇に呑まれる 身体の線が無くなるまで 抱き締めて居て

求め合い忍び寄る あなたの気配に怯えて 目を塞いだ
宛ての無い声が 夜風に流れて 甘く見つめるその瞳に絆される
逃れられない魔の手に きつく縛られた身体
その眼が胡乱に沈み 渇いた喉が あなたの唇から滴る愛を求めた

この感情が崩れてしまうまで どうか離さないでいて
理性に重く抑圧されている 心を解き放つ その瞬間まで
求め合う 忍び寄る魔の手に縛られた身体が 息絶えるまで
欲望に忠実な瞳が あなたの枯れた唇を 見つめ離さない

鮮やかなる花びらが舞い 冷たい夜風に流れて行く最中
やがて散る定めに抗えず もがき苦しむ

この黒く腐敗した身体が 妖艶なる匂いに包まれて 葬られる時
窪んだ眼窩の花は美しく咲き乱れて その腐敗した姿が 麗しく香り出す
縛られたまま逃れられない 闇に横たわる身体
その可憐なる花々に彩られて 息絶えるのを待っている

心が崩れてしまうまで どうか抱き締めて居て
いずれ闇の彼方に葬られる その時までは

枯れた喉が あなたの唇から滴る愛を欲している
逃れられないように縛られた身体が 美しく歪み 恍惚の瞬間を迎えるまで

夜闇に塗れた表情が 微笑みを浮かべている
求め合う度に 枯れた唇を見つめて 離さない 貪欲に色めく瞳
枯れた花々の甘い匂いに この身体が埋まって行くまで 愛してる

忍び寄る気配に抗えず もがいている
縛られたまま腐敗して行く 身体に降り注ぐ 鮮やかなる花びらの葬い
その舞い散る花々の甘い香りに 身体が呑み込まれて行くまで
この枯れた喉が あなたの唇から滴る愛を 欲している
コメント

赤く色付く月が嗤う

2016年01月17日 | 悲哀の詩
塞ぎ込んだ唇を弄ぶ指 染み渡る温もりに歪む 眼差し
鮮やかなる花々が咲き乱れる 此処には あなたの声は無くて
狂おしい感情だけが谺する 枯れた空には 暁月の眼差しが浮かぶ

揺れ動く赤い花弁 何処までも奥底へと堕ちていく 寂しさの最中に
あなたの歪んだ表情が 雨に降られ 濡れている

忍び寄る気配が 理性を揺るがす
憂いを秘めた眼差しに縛られた心 あなたの手のままに 朽ちて行く
花々の麗しい香りに包まれて 疲弊して行く身体
甘く纏わりつく花弁は 唇を可憐に染める
赤い花は微睡む夢の渦中で咲き満ちて
愛に飢えた瞳が その首を締め付ける 終焉の風が吹く最中に

求め合う手が重なる 甘く弛緩する口元に 溢れ出す吐息
もう二度と離しはしないと この腕の中で 微笑みながら殺される
その歪む唇が救えないと 花弁が舞い散り 赤く色付く月が嗤う

此処にはあなたの声は無くて 眼差しだけが揺れ惑う
忍び寄る気配に揺るがされる感情 その澱に沈み行く身体が枯れて
あどけない微笑みだけを遺して散って行く

あなたの壊れた表情には もはやあの頃の優しさは無くて
咲き満ちる赤い罪が 色鮮やかにその身体を 埋め尽くして行くだけ

紡がれし夢の跡に 降り注ぐ雨
冷たく疲弊した微笑みが取り残されて 崩れてしまう空
乱れた花々の群生に取り込まれて 儚く命を終えて 永遠に流れ行く
微笑みながら殺されて この腕の中で抱かれ 眠る
甘い花々の群生に彩られて 命を終える この寂しさの最中に
コメント

はじめに ~言葉と次元の力学系へ~

2016年01月16日 | このブログについて

ただの文字が、意味を与えられた瞬間、紡がれし世界は胎動を始める 。

そのような言葉の発生を、あなたが持っておられる感受性で、どうか感じ取って欲しい。

そう、決して「理解」で、その生命の萌芽を摘んでしまわないように。

この作品に触れる事とは、あなたの感受性と、この紡がれし言葉とが感応する体験です。

あなたがこの作品と触れ合う事で得られるものは、まさしく言葉の世界と共鳴する歓びなのです。

しかし、ここに表現された世界に宿る言霊は、決して理解するものではない。

それは、言葉とあなたが「共鳴し合う」という事です。

そしてそのような現象は、表現されし生命の輝きを、より美しく彩るでしょう。

みやすけが描く言葉に、あなたの感受性が重なる時、

ここに想い描いた情景は、この既成の表現に収まらず、

さらにどこまでも、遥かにその次元を超えて行くものです。

言葉の感受性、それは空間や次元さえも超越して行く、不思議な力です。

しかし、このふれあいの最中に溢れ出す感情は、決して、具体的な形に出来なくても良い。

みやすけの言葉と、あなたの感受性とが呼応する、

ただその事実こそが、無数の出逢いを、そして世界を育んで行くのだと思っています。                    

                                                                                      筆者 みやすけ

コメント

欠け行く月の徴

2016年01月16日 | 悲哀の詩
零れ落ちる涙が 闇に溶けて行く 寂れた感情が 夜風に燻る
響き渡る鐘の音 闇夜に反響する悲しみに 浮かぶ月の明かりは暗く鎮む
滴る水に映る表情 その胡乱なる瞳の色が 終焉を誘惑している

呼び寄せる 煩悶の眼差し 死の気配に色めく 暗黙の瞳
此処にはもはや 居場所は無い
鋭利に叫ぶ声が 凍り付いた水面に反響する
誰も居ない この場所で 息絶える事が ただ切なくて

恐くて泣いていた
静けさに満ちた 夜空に浮かぶ月の陰影が 茫漠と輝く刻
振り向きざまに 浮かんでいた あなたのその悲しそうに微笑む表情を見て
もう縋るものの無い 枯れた背中を 抱き締めていた

狂おしい程に 愛してる
悲しみに彩られた この手が 鋭利な刃で 赤い憂鬱に塗れる
此処にはもはや居場所など無い
今にも途切れそうな糸が この胸にわだかまる最中
淡く色付く 薔薇の花びらが 可憐に散り この首を重く締め付ける

やがて 憂いを象った唇が あなたの言葉を欲して 迫り行く
血に飢えたこの手が あなたの紅い唇を切り裂くまでは どうか消えないで
あなたの枯れた背中を抱き締める この腕が ただ切ないから

見つめていて 冷たく触れ合う肌は 欠け行く月の蒼白の徴
暗闇の中 振り向きざまに 微笑んでいた あなたの壊れた虚ろな瞳に
月の陰影が明滅しては 差し迫る
乾いた唇の 赤い眼をしたあなたは 一体誰
この鼓動が絶えるまでは 喉を切り裂くのを 止めないで
斬り刻む度に 嗤うあなたの手が 美しく歪み
噴き出す血が その手を深い赤に染めて行くのが とても悲しいから

逃れられない 闇の中を彷徨い 口づけはさらに重く重なる
此処には居場所など もはや存在しない
血に飢えて 熱く噴き出す声が あなたの微笑みを妖艶に呑み込む
それまでは その愛を どうか止めないで

あなたの声が欲しい
凍りついた水面が揺れて 響き渡る鐘の音が 闇夜に反響する
此処にはもはや居場所は無い
静けさに満ちた夜空 忍び寄る気配に怯えて あなたを探していた
月の陰影が明滅する最中 その静寂に映る表情が とても悲しかったから
どうかこの苦しみを あなたのその手で 殺めて欲しい
コメント