汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 震撼

2010年04月30日 | 初期中期の詩
冷静さを失い
かくある毎に押し寄せる海辺の潮風に
頬はその赤味を増し
垂れ下がり力を失う指先

風の調べが世の儚さを演出する
狂詩曲の旋律
晴れやかな音律が天空の光を奏でる

冷めやらぬ熱気は その渦の中で
新たな生命の灯を創り出すのだろう

神霊が吹き荒れる木霊の中で
その声音を私の耳に囁きかける
よじれるような身体の性感に
震撼した心は 太陽の熱気を切望し
そして朽ち果てる
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みやすけの詩 混乱

2010年04月29日 | 初期中期の詩
情緒に湧く汚泥の流れは
更なる理性の狂乱を待ち望んでいる
さり気無い言葉の過ちに気づいて
交わした接吻の ほの甘い感覚も
今は 遠い沖の彼方へと消えて行く

怒号する勇気もない
枯れ葉のような情緒の焦りに振り回され
太陽がその影の中に奇跡を照らし出してくれるのなら
柔らかな韻律の心地良さでさえ
寡黙へとその口を閉ざすだろう

光を追い求めるのは
一重に 命を断ち切る勇気の無い浅はかな
心の裏返しでしかない

滝の水は絶えず下方に
引きずり込まれる宿命にある

恍惚と輝いている虚妄の世界の只中に居るのは
己の定めを知らない腺病質で
息の細い愚民の塊に過ぎないのだ
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みやすけの詩 無常

2010年04月27日 | 初期中期の詩
灯籠を流した日の名残りの中に
哀しみに灯された憂鬱を思い出す

くつわをはめられた馬のように
その矛先に照らされた未来の風が一陣

水滴に閉じ込められ もがき苦しむ
一匹の蟻は 
その眼に映る現をどう呑み込むのだろう

奈落の底へと引きずりこまれる
無情な泡の響き

こけしに彩られる色彩の魅力は
今も変わらず世界を震撼させる
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みやすけの詩 辛酸

2010年04月25日 | 初期中期の詩
歓びも束の間 再び欲望に踊らされる
無情な響きの中でさえ
あなたは辛酸を舐め回し 舌は痺れる

子供達が笑いながら あなたの心に唾をかける
夜闇の漆黒が招いたのは 歓びに飢えた
人間の貪欲な波風

数千年の誓いに叛く反逆者の竪琴は
その旋律の中で 新たな境地を見出す
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みやすけの詩 彼方に

2010年04月21日 | 初期中期の詩
決別の後に残るのは訪れる事の無い歓びと
吐き気を催す 許嫁の卑劣な高笑い
淀みきった精神 ろくろを回す掌に触発され
己のはち切れた血管から流れ出した血液を
身体中に塗りたくる

教師の弱気の滲んだ冷汗は
教え子たちの冷ややかな目線に馴染んで行き
心成しか平静を保っているような錯覚を生み出す

地平線に彩った陽の紅い狂乱に唆されて
手を出してほくそ笑むのは
子供心に支配された人間の悲壮じみた表情の硬直
冷酷なのは淋しさに惑わされた瞳だけではないだろう
要望に応えられず落ち目を見る悲惨さは
今生を生きるための必須な事項なのだ
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みやすけの詩 夜の遊牧民

2010年04月20日 | 初期中期の詩
孤独に悶える魂の叫び 徒然を奏でる旋律に
恐々とした日々を思い出す
月が海に沈み行く 
冷血の滴る夜空に響くのは
ノクターンの悲しみに乗せられた遊牧民の涙

苦労を重ねて身体を引きずり
凍えきった掌に感じるのは
光さえも照らす事を拒否した 未来の風

あまねく歓びの賛歌よ 
この混乱期の渦中に消えて無くなればいい

苦痛がやがて快楽に変わる時
おぞましい琥珀色に染められたのは
幾つもの時代を生き抜いた
小さく怯える盗賊の生きた鼓動なのだ
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みやすけの詩 吸引

2010年04月19日 | 初期中期の詩
雷鳴が轟くのが聴こえる
心の奥底に溜まったあらゆる信念の塊が
音も無く無の海に消え去っていく

落日を迎えた空の色は
豪奢な理想とは裏腹な様相に染められ
点在する沈黙の理由を
今は語る事の出来ない夢の話のように待っている

何かを超える事というのは
定義に則された孤高の調べを帳消しにするということ

待つのが苦しく 
奥ゆかしい理想に苛まれているのなら
言葉にならない憶測を海に流せばいい

論理思考の成れの果てには
嘲りに満ちた冷酷な一国の残骸が犇いている
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みやすけの詩 筋肉弛緩剤

2010年04月18日 | 初期中期の詩
刻銘に印されたのは どの時代にも氾濫していた
赦される筈の無い川の汚染に
熱意に昏倒した人間の浅ましい悦びの印

ドジョウの頭を剥き晒し その頭蓋骨と
脳を走る血管を見つめていると
この世の愉しさを見出してしまう

強張る筋肉を弛緩させて
遥かな地平に眼を配らせるあなたの姿が
何やら異様な臭気を放している

独房生活は あらゆる情緒の黄昏を要求する
絶え間ない笑顔の裏に 疼いている
蚊の大群を払い除け その無数の黒い滲みに
妖精はまた一つ溜息を吐く

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疼いて→うずいて
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みやすけの詩 憂悶

2010年04月15日 | 初期中期の詩
さめざめと泣くもの
孤独の潮に揉まれ 
躍動する恐怖の念と 嘲りの哄笑
睡眠剤が誘導する 憩いの世界の景色
蒸留された水はその優雅な流れの中で
絶え間ない煩悶の痕跡を植え付けられる

戦勝国の憂鬱は
日増しに膨れ上がる負債の苦しみを分かち合う
統率する間もなく崩れ去った楼閣のように
その口元に滲み出る泡の放つ臭いは
遠い過去の言葉を 再び思い起こさせた
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みやすけの詩 過去との戯れ

2010年04月14日 | 初期中期の詩
幸福など とうの昔に忘れた
鷲掴みにされた粉塵に染み込んでいくのは
滔々とした水の冷ややかな肌触り

劣等動物達が今夜も宴を上げる
息絶えた兎の眼に映る白い靄の塊は
明日の願いに沿った川の流れに流すための
灯籠の灯

切なさが込み上げてくる梅雨の時期に
感じた哀愁の感情も
今は絶え間なく流れ行く川の底に降り積もる
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