汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 暗闇の中の葛藤

2009年10月30日 | 初期中期の詩
儚さの只中に
心の安らぎは横たわり
歴然とした面持ちは
更なる呪縛への涙になる

妖艶と立ち塞がる
旅の末路は見えない霧に阻まれて
厳かに心許せない逡巡は
闇雲に張り詰めた
気持ちを更に欲望へと駆り立てる

心成しか
時間は寄り添うように涙を流し始め
圧迫された身体は
思うように許す事が出来ずに
苦悶に歪む表情は
血の気の引いた青白い人形のように
冷酷なまでの寂しさを
静謐に暮れまとう怒りを
闇に響きかせている
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みやすけの詩 ダイアモンド・クレバス

2009年10月27日 | 初期中期の詩
懐で感じるのは
温かな優しさに包まれた
あなたの哀しい眼差し
乖離と切なさの
無情な響きに震えていたあの頃に
私達はこれからの愛を誓ったね

それは虚しさのさざ波
寄せては返す愛の拠り所のない祝福
あなたの冷たい溜息に
私の慌てた頼りない抱擁は
透き通っていく水のように
空しく通り過ぎていく

そして滞る儚い視線の先には
霞んで見える朧な二人の未来

寒さに脅かされて
悴んだ小さな手をいつまでも離さなかった
私の小心で大きな心の動揺
そして、求め合う度に荒んでいく
本当の愛情と、温かな幸福

何か深々と
降り積もっていく雪はただ悲しくて
灯籠は最寄りのない孤児のように
あてもなく彷徨い行く

二人は寄り添いながら涙に暮れる
灯は小さな抑揚に、幽かな希望をちらつかせる
そして、永遠のように触れ合う掌は
今でも最愛の人の温かさを感じている

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乖離→かいり
悴んだ→かじかんだ

シェリル・ノーム(May'nさん)の、ダイヤモンド・クレバスっていい曲ですね
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みやすけの詩 月の夜

2009年10月24日 | 初期中期の詩
乾涸びた心に
潤いは夜の空を伝って流れてくる
シンとした室内に木霊する冷酷
しょげかえるほどに明け暮れた日常の疲弊
水は流れるように虚空を打ち鳴らし
静謐に心奪われた純情は
いつともなく彷徨い果てて
疲れに暮れた身体はもはや言う事を聴かず
脆弱な夢心地に、厳かな感情は弛緩に打ち溶け
心置きなく味わう寂寞を
卑猥なほど赤らめた頬に溜めこんでいる

夜のまどろみは
ゆらゆらと揺れたカーテンのように
私の顔を賤しく愛撫して
私は、顔に火照る羞恥を隠しきれず
見つめるあなたの肩を優しく叩いた
瑞々しい流星の瞬き
垂れ下がる辛辣な過去の凌辱
私が仰いだ空の端くれには
今も変わらない積年も想いが
優雅に照らす月明かりに揺れている
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みやすけの詩 狂わされた愛情

2009年10月23日 | 初期中期の詩
苦痛に焦れた胸に
焼きつくようなあなたへの想いが
溢れる事を止まらず
膨れ上がる欲望に
腫れあがっていく虚しさは
貪欲に咽び泣く子供のようだ!

腐乱した屍に目を仰がせて
その手で腸をもぎり取るのなら
憎悪は限りのない祝福にも似た快楽に
その身は戦慄に狂喜する

怖れをなした聖霊は
惨禍に逃げ惑う人々を執拗に追い立てて
その手で連れ去ろうとする

憎しみは恐れをなした聖者を一人残らず焦がしていく
あなたへの賛歌を並べ立てて
私は今日もあなたを求愛している
溺愛は羞恥にも似た欲情を掻き立てる
あなたへ目を見張る様々な悪魔の薄汚い顔も
私の手の内に綻びて
あなたの妖艶さが
あなたへの限りのない愛着が
私をここまで狂わせて、怯えさせているのだ!
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みやすけの詩 破廉恥な欲望

2009年10月22日 | 初期中期の詩
臆病な心を隠すため
そして、柔肌に残るのは昨日の余韻とこれからの絶望
あなたの頼りない囁きを踏み締めて
通りを流れていく亡霊達は透かした身体を
私達に見せびらかすかのように
淀んだ陰鬱な流離いに身を痛めている

段々と身体が言う事を利かなくなって
人形に朽ち果てる苦しみを
私はおどけた視線で、あなたの瞳に訴えかけている
誘惑は何処までも、私を異常な夢心地に誘い、そして惑わし
枯れ果てていく花は、その可憐な姿に
蕩けそうな地獄の業火に跪く少女を思わせる

潤しく咲き乱れた花よ
乱舞は掻き乱された逡巡を、より一層臆病なものにさせる
滴る水の飛沫
うろたえた人間の浅ましい程の淫乱な姿
病気が更なる臭気にその身体を腐らせるとき
破廉恥な憤りは、薄汚れた詩集の中に納められる


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躊躇い→ためらい
流離い→さすらい
蕩けそう→とろけそう
跪く→ひざまずく
破廉恥→はれんち
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みやすけの詩 出会いと別れ

2009年10月22日 | 初期中期の詩
遠い海原を旅するように
出会いと別れの流動に虚しく平伏している

涙に暮れたのは
あなたの面影を、いつまでも遠巻きな夕日に映していたから

映写機が奏でる郷愁に調べが
憂鬱な太陽に薄らと纏わりつく幻影のように
響きは訪れる淋しさに打ちひしがれ
風に煽られては舞い上がる花弁に身を任せて
まどろんだ古に
二人は絶えず互いを見つめ合い
両の手に握りしめられているのは
遠い残像に掻き乱された変わらない願い

遠慮がちに見つめる感覚が
より一層と生い茂った蒼草のように
綻んだ身体をむやみに蝕んでいく

(拠り所のない羊は、その淋しさに身を震わせている)

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纏わり→まとわり
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みやすけの詩 初冬の朝のまどろみ

2009年10月21日 | 初期中期の詩
山並に光るのは一途な太陽の光
あなたを柔らかく抱擁し
なけなしの困惑した表情をあなたに送れば
大きな瞳にまどろんでいる偽りの心情が
私の心を容赦なく困惑に躊躇させて
陽の限りのない抑揚を孕んだ誘惑を
あなたの柔肌に感じている

初冬の日がなに、あなたと佇んでいると
遠い昔に渦巻いていた不安の焦燥が
透き通るような木漏れ日に浮き出るようで
ふと眼を虚ろに伏せて
恥ずかしげにあなたの事を想ってみれば
あなたの面影は
見るも絶えない無残な冬のからくりに
巻き込まれ、無情に四方へと発散していく

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みやすけの詩 破滅する愛

2009年10月18日 | 初期中期の詩
あなたの残滓に、憤る心は安らぎを知らず
まだ、あなたの体温が残るベッドの悲惨さに
冷酷に疼き廻るあなたへの欲望の塊が
私の心を見事に打ち砕いていく

あなたとの熱烈な愛の調べが
凄烈極まる極寒のシベリアのような哀愁に
私達の脳裏は疼いて
時は無常にも私達の愛を引き裂いていく
止めどなく迸る快感に、私は身を悶えている
取り繕う暇もないほどに困惑したあなたの表情
劣悪な環境が誘う、愛の破滅的な疾走

心の中が淋しい
私はあなたを求めている
紅に染まっていく私の掌
屍はあの時のまま、私の心の中で生き続け
不吉にまどろんだ楽園にて、幸福を求め続けている

満たされる事のない欲望
凄惨な想い出に縛られる優越感
私は一人罪を背負い
訪れる事のない朝を待ち続けている
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みやすけの詩 静謐な愛の灯

2009年10月16日 | 初期中期の詩
互いの触れ合いに満足は限りの無い祝福を与え
夜の寂しく、儚い生命の一端を
しとしとと降る雪のように
閑散とした愛は、更なる絆へと変容していく
灯は消える事なくさめざめと
霰は奇妙な戦きと、冷ややかな混乱を仄かに湿らせていく
夜は妖艶と、私はあなたの冷めやかな肌に憤りを感じ
あなたの姿を見る事が出来ない

深々と疑り深い欲動は
あなたを凄惨に引き裂いて
涙は溢れんばかりに、私を求め続けている
私は臆病な目線をあなたに向けた
はち切れんばかりに膨れ上がった感情に
私はなすがままに、あなたの欲望の彼方へと赴いていく

あなたを抱きしめる
快楽は憤る心を更に静謐にさせる
そして雪は尚も降り続く

躊躇いがちなキスの寂しさは
滞る倦怠に、淑やかに降り注ぐ
あなたは眼を閉じる
そして、健やかな快楽は、心地良い夢の余韻の中に消えていく

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霰→あられ
躊躇い→ためらい
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みやすけの詩 戦き

2009年10月15日 | 初期中期の詩
迫りくる恐怖、そして解放
死は病的な程、臆病な旋風となって
私達を呑み込んでいく
深淵に誘き寄せられ
捲し立てた叫びに操られ
翻弄は陽気な少女を異様な臭気を発した屍に変える
慟哭が咽び響き
涙が破廉恥に滴り飛沫を上げ
そして、妖艶な偽りに満ちた楽園に
小さな可憐な花を咲かせる

暗闇は恰好な獲物を見つけては
一瞬にして、その牙で私の身体の肉を削ぎ落とす
冷酷さは微塵にも、戦きに震える事は無い

嗚咽が響き渡る
貪欲が聖なる像を卑しい黒に染める
私は狂い咲いた植物に揺られ
そして微笑み
精神は更なる高揚を求めている

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旋風→つむじかぜ
誘き寄せる→おびきよせる
捲し立てる→まくしたてる
慟哭→どうこく
飛沫→しぶき
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