愛した痕跡を 海辺の砂に描いた
悩み 抱き合った 切ない瞳を隠したまま
この世界に 生きた証しを 刻み付ける為に
消えない傷を 抱えたままの
虚ろな声が 鼓膜を揺さぶる
途切れない生命 輪の廻る 静寂の流れを感じながら
慰撫を繰り返す 汚れたあなたの身体を 離さないように
いつまでも あなたを見つめ その震える唇に 指を添える
壊して欲しい 心の綾に彩られた 淋しさの滲む この身体を
すぐに枯れてしまう 愛を 抱き締めて居たい
心の奥底で 待っている 繋いだ手の 温もりさえも
この皮膚に遺る あなたの唇が醸した 過ちも
叶わぬ夢の途中で 散る花弁の 赤い憂鬱に
汚れてしまった 心を 慰撫する
愛に散り あなたと融解し 頬の線に沿って流れる涙が
唯一の生きる証し
温かな感触 抱き締める身体を 浮遊する冷たい 感情
波に揺れる心地のように 交わした 口づけ
今でも憶えている 冷めやかな 唇の表情を
歓びと悲しみに歪む あなたの瞳
満ち溢れる 気泡の揺れる 未知なる海へ
淡い碧の安らぎ あなたへの 愛を 探す その深みに
いずれ待ち受ける 終焉を見た