汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

細雪の幻影

2015年11月28日 | 愛の詩
触れられぬあなたの素顔 想い重ね 交わす視線
この場所には何も無い
ただ拡がる蒼空に 差し伸べる手が冷たかった

あの時の涙 その意味にさえ気づけなかった
季節は移ろい 降り散る細雪が 頬を赤く染める時節
その降り積る冷たい眺めに 寂しげな手は 再び重なる

その淋しげな瞳に絡まる 一縷の願い
しかし それを求めれば求める程に
かけがえの無い温もりをも見失ってしまうから

果てなき蒼空に 舞い上がる雪
その冷たい温度から 身を護るように抱き合った
交わし合う温かな口づけ その最中にも関わらず
この想いも また 優しい言葉の綾に埋もれて行くのだろう

そして降りしきる雪の煌めきに 惑わされていた
あなたの涙の訳もろくに知ろうとせず
ただ深々と降り積もる雪は その理由をも隠してしまうから

時の移ろいは 無常にも 早く
その冷たき瞳から伝わる 時間の空白が切なくて
いつも以上に無理に微笑みかけた
それでもあなたを斥けてしまう
大切に想うこの心は 決して 見えないように
あなたのその笑みと共に あの麗らかなる風花に眩んで行くから

降りしきる雪の放つ彩光が 涙の跡を隠すように
乱反射する光に包まれる その手を握り締めた
やがてこの歪んだ景色に 涙の滲んだ理由が 重なる瞬間
あなたの眼に浮かぶ哀しみは 柔らかな微笑みに変わる
それは 散る雪の最中に 誇らしく交わされた温もりの筈だった
そう もう戻れない あの頃のような 優しき瞳の筈だった

それでも温かく舞う粉雪に照らされて
薄っすらと微笑みを浮かべる あなたは
交わし合う指の優しき色に ためらっていた
降り止まぬ細雪
その輝きは あの涙の痕さえも見えなくしてしまうから
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虹に照らされて咲く花

2015年11月20日 | 愛の詩
おぼろげな 想い出を巡り 辿り着いた最果ての地
駆け巡る走馬灯 降り出す雨に しぼみ行く花の残像
その総てが この胸の裡で 確かに佇んでいた

あなたの面影 そしてこの心象を映す瞳
それらは あらゆる闇に溶け込んで
いずれ涙に変わる季節を待っている

巡り逢って 再び接吻をした その夢の最中に
交わす指先の 触れ合う優しさが とても愛おしくて
この終わる事の無いの時間に抱かれたまま
やがて 身体中のあらゆる感情が融けてしまうまで
ずっと見つめていたいと願った

吹き抜ける清風に煽られて 見上げた未来
雨粒は光の中で輝き その蒼き眼差しに満ちている

でも あなたはただ俯いて 何かを呟いている
やっと掴んだ幸せをも 素直に果たせないで
ただ笑顔を見せる姿が なんだか淋しそうだった

ねえ ずっと傍に居て
不意に隠した表情は 確かに 誓いを立てた 微笑みを象っていた
降り止まぬ雨に打たれ 雲間から射す陽に照らされている
例え その蒼白の手を 胸にかざしても
もはや あの時流れた 涙の跡さえも判らないから

降り止まぬ雨は 深々と 記憶の底に沈みながら
あなたの表情を覆い隠して行く
やがて雨粒で光り輝いた虹に 染まる花が導く
永い道のりで培った想い出が 再び咲き誇る あの場所へと

雨が麗しく降りしきる中で 虹は光輝き あなたの手を握る
その満ち満ちる花々に囲まれて 今再び 瞳を見つめ合う
でも あなたと繋いだ瞬間の この手の温もりも
雨に濡れ その歓びの裡で交わし合った接吻や
光満ちる肌に触れて 溢れた優しい感情でさえも
ねぇ 本当に信じてもいいの?

あなたの瞳に写るもの
それはどんな景色で この想いを彩っているのだろう
鮮やかなる虹に照らされて 咲き誇る花々の麗しい輝き
しかし降り止まぬ雨は それでも 本当の涙を隠したままでいるから
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甘い花々の蜜に溺れて

2015年11月15日 | 愛の詩
深い 深い あの入り口まで 駆け巡る
あなたは 今 何処にいるの
その迫り来る足音を聴きながら 淡い記憶を辿る

不意に あなたの小さな背中に そっと 接吻を施した
その恥じらいに紅く染まる 微笑みは
まるで 淋しさを隠すように あどけなかった

白い薔薇が冷たく咲き満ちる 星空の下で
甘い花々の香りと戯れていた
その手でもっと触れて居て
もっと愛して欲しい
きつく抱き締められた瞬間に 鼓動は柔らかくほとばしる
それはとても温かに この身体中を響き渡って行くから

夜空に咲き満ちる白い薔薇の群生
光の入り乱れる花弁が 紡ぐ言葉は 甘く愛おしく
その口から溢れる厚い感情に また心が絆されてしまったみたい

それでも運命の硬い糸は 絡まったままで
身体から溢れ出す鼓動の裡に 不安が微かに醸し出されていた

あなたに触れて 溢れ出す吐息
咲き誇る白い薔薇が 夜風に揺らめいては その輝きを散りばめる
その満開の星空に抱かれて 心はより高鳴って行くから
何処までも行こう 心が深く壊れてしまうまで

この色めきに その指先で もっと 触れて欲しい
儚く揺れる白い薔薇の群生に護られて 抱き締め合う
例え 不条理な現実に 傷つけられても 良いから
ねぇ 見つめ合う度に 流れる
その涙の訳を教えて

そして 繰り返される運命に翻弄されても
あなたと絡め合う指先に 感じるの
逃れようと もがけばもがく程に より絡まって行く赤い糸に
この身体が厚く蕩けてしまう 恍惚の瞬間を

あなたの全てが壊れてしまうまで 愛してる
ずっと 二人だけの秘密を 交わし合っていたいから
冷たく怯えるこの手を離さないでいて欲しい

いずれ 総ての瞬間が 葬られても
溢れる涙は 触れ合う体温に 溶けて行くから
だから ねぇ もっと見つめて もっと触れていて
終わらない瞬間は 甘い花々の蜜に溺れながら
どこまでも 続いていく
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氷晶をまとう体温

2015年11月14日 | 愛の詩
降り出した雪 風に吹かれ舞う 季節の変わり目に
月の白影に重なるように 止めどなく溢れる 冷氷の灯り

永遠をまだ信じていた
誰かを想う歓びも まだ果たせないままで
ただ雪の明かりの裡で わだかまっていた
それでも煌びやかな刻が 冷たく風月を彩るのは
手を繋いだ瞬間に伝う 温もりを確かに感じたから

そして不安な表情を見せるあなたは云う
「たとえ この雪が溶けてしまう時期が訪れようとも
ねぇ このままで居られるよね...」

かじかむ手と手 触れ合う度に 周りの景色は色褪せていく
ねぇ いつまでも握っていて
氷晶をまとう強風は 身体の温度を奪って 走り抜けて行くから
だからもうこれ以上 あなたに期待を抱かせないで

ああ あとどれくらいだろう
惑い泳ぐ二人の視線は まだ この温もりを信じてるのに
確かに感じた この温もりさえも
くだらない嘘のように ただ 揺らめいているだけで

降り出した雪は 風に吹かれて
この溢れる灯りに 月の白影は ぼやけて行く
そして降りしきる冷風の渦中に あなたは苛まれてしまう

どうか 消えないで
冷たく揺れる結晶は とても脆くて
繋いだ手の温もりで 儚く融けてしまうから
それでもあなたは 決して気付かないふりをして
繋いだままの私の手を 強く握り締めた
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