汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの唄 宇宙

2010年07月30日 | 初期中期の詩
足跡を辿って行けば
僕は幽かな歓びに近づける
泡沫が語る人生の儚さの裏に潜む
あどけなさの烙印

淀む河の流れは 拠り所の無い子供の
強かな涙の痕跡
海に流れ着く 枯れ木の切なさは
宇宙に花開く生命の孤独

囀る小鳥の瞳の奥には 
明日への神話を抱く本能が眠っている


苦しみを別つ心に
僕は幽かな慈しみを感じる
精霊が語る欲望の恐怖の裏に存じた
戦う事の凋落

落ちる床の奈落は 昇る事の無い朝日に
対する祈祷の振る舞い
空に浮かび上がる 雲の混濁は
時間に追われる人間の渇望

強張る頬に流れる涙は
明日への希望を抱く切望が眠っている

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みやすけの散文詩 無題

2010年07月29日 | 散文詩
 抑えられない気持ち。言葉がうねりを持って乱立しているのが見える。震える掌に滴る水の冷たさは、堪えられない衝動と、成り行き任せの情熱の木霊。明日が怖くて、涙を呑んだ不甲斐ない気持ちの焦り。忽然と姿を消した光の温かさ。冷酷な世界の風当りに舞踏する人間性の定め。これらが、一瞬の内に、私の脳内に走馬灯を起こし、足早に小さな乱舞を起して通り過ぎて行った。熾烈なのは、こうした心の動揺だけではないだろう。私の周りに現存する様々な事柄でさえ、私の情緒を不安定にするには丁度良かった。石の周りにできる小さな水に渦のように、そこから出られる事も無く、一生の間、もがき苦しみ、そしてただ沈黙している。こうした感情の乱れは、希望の趣へと、その舵を向けるのだろうか。気持ちが定まらない。興奮した心をいさめてくれる存在も無く、茫漠とした未来への風だけが、僅かな隙間から吹き込んでいた。
 眼を覚ますと、いつもの日常が広がっている。閑散としている部屋の内部に、私の今の実存が音を立てて犇いていた。手には汗が噴き出していて、そのネトネトとした嫌な感触は、この世で生きて行くには何か辛辣すぎるものを感じ取っていた。湿気が異様な臭気を帯びては、私の鼻腔を舐め回していた。意識を集中させる。唐突な片頭痛のどよめきだった。私の内部で、何かが音も立てないでもがいているのが判る。何か判別する事の出来ない異様な異物の流動が、手招きしているようだった。私はその無数の手を振り払った。熱を帯びたそれらの意志を掻い潜りながら、脚はわなわなと震えていた。どうにもならないどよめきであった。私の身体の内から、何かが崩れてくのを感じる。
 そして、私はその日の内に呑み込まれて行くのだろう。夕焼けにまどろむ悲壮な案山子の佇まいは、私の淋しさに、一通りの希望を見せつける。ろくぼうせいの導きに照らされた幾分強かな途に咲く花のように、鼓動の奥底でシンクロしている様々な憶測の欠片達。その背後にしらを切ってなびいている白いハンカチのような哀愁の調べ。雲がたなびいている。影が流浪の使者の魂を貪り食う。植物のように色鮮やかで、香しい色調の強い香りを嗅いでいると、この世界の中で唯一のシンフォニーを聴いているようだ。私は、早速、見るも絶えない、その髪の毛に逆立った白髪を見つめる。苦労が、流浪を呼ぶ本末転倒な事態の成り行きに、心が弾む。にやけた表情に、髭の痕が厭らしく輝きを放しているようにも見えるのは、朝の光の幻惑的な心境のなせる技なのだ。鳥の弾むような心地を醸し出すハミングを聴きながら。昨夜犯してしまった、自傷の傷跡に、軽く接吻を施す。血が怖れをなして、まるで、潮が引いて行くように血相は碧く爛れて行く。悴んだ時に温かみを求めるような、眼差しをこんな時、誰に向けるといいのだろうか。頼れる筈の家族の放埓な戯言でさえ、この世界の中では主流に流される大河の躍動に過ぎないのである。つまずいて転び、体液を地表へと染み渡らせる。大地は、こんなにも麗しいものなのに、いざ私の魂を受け渡そうとすれば、命の隷属の根性が、そんな狂った私を引きとめようとする。壮絶な景色を見渡そう。そこから何が見える。森が見える。火が見える。そして、人々の残骸が見える。険しい顔をした老婆は、その場で呆然自失と立ち尽くしながら、今でも、死した夫の還りを待っている。
浴槽に脚を浸した時、とある戦慄が走ったのを感じた。滾々と湧いてくる恐怖の素顔。選別していくのは、理性の従僕と、混乱した狂気の満ち引きである。水は、この私の身体を流れて行く時、高笑いをする。哄笑が聞こえ始めると、私は、水を汲むのを止めて、しばらくの間、頭の中でのた打ち回るのであった。聴こえない筈の様々な欲望のどよめきが、粗暴に繰り広げられていく、意識の狂乱を間近に感じて、私の身体は忽ち、無の海へと放り込まれて行く。何かが必要であった。何か輝くものが必要であった。松明のようにその途を照らし出してくれる、何かの導きが必要であった。私は探し回った。所構わず、あらゆる場所を探し待った。岩の下や、海の底。草むらに落ちている僅かな証拠を見つけるために、私は奮闘した。湯気が立ち上り、煙幕を張る。身体に張り付いて離れない、水の小癪な悪戯。
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みやすけの唄 星の夜

2010年07月27日 | 歌詞
夜道をさ迷うのは
いつしか訪れる幸福を夢見ているから
蜃気楼に見えた孤独の痕跡も
後追いに始まる軌跡を信じている事の証

無数の木霊が吹き晒す
絶望に塗れた今生の宿命
一人身を隠す闇の中で感じる
温かな優しさに包まれた友の姿

変わり行く自然の成り行きに辟易する
確かな希望に託された歓びの聖域


夜道に流離うのは
孤高の存在に憧れるあなたを想うから
水平線に消えた至福の痕跡も
情緒に埋まる欲望に腐食された心の叫び

無数の言葉が掻き消える
刹那に見えたあなたの孤独
二人身を寄せる空の中で感じる
冷たい切なさにまどろむ涙の痕

移り行く時間の激しさに臆病になる
繊細な心に降り散る哀しみの今冬

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みやすけの唄 途筋

2010年07月25日 | 歌詞
未来の前に見えた
朧な眼差しをした少女の憂鬱
真赤な太陽が零した愛の雫を数え
溜息を吐いた夕暮れの渚

現実から隠れては
眼を背けて来た あなたの哀しみの表情に
幾つにも分かつ 奇跡の欠片を探した

粗暴な計らいに昏倒する 人間の慈しみ
妖艶さが滲み出る樹木に 集まる
虫達の壮大な命を賭けた戦い


未来を前に消えた
不遜な戯言に映える少年の悲壮
艶美な三日月が凍える愛の低落を見据え
溜息を溢した朝焼けの帳

現実から逃避した
安楽の中に 木霊する夢の景色でさえ
幾つにも滲む 蠱惑の花弁を見つける

孤独な途筋に傾聴する 人間の欺瞞さに
振り廻される命の価値は 強張る
動物の誇大な誇りを賭けた哀しみ


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みやすけの詩 流れ

2010年07月23日 | 初期中期の詩
木漏れ日が 親しみの輪の中へと落ちて行く
削り落された表皮の裏に潜んでいたのは 窮屈な意地の躊躇い
大地が揺れて その力を誇示するように
友を失った男の背中には 陽の熱が湾曲していた

乾涸びた荒原に残されて
残り少ない希望と 膨大な絶望との攻防を繰り返している
熱射に焼かれ ただれた皮膚から滴り落ちる あの時の優しさと想い出は
草原がまだ この地で繁茂していた時に
そこに住む少女の朗らかな笑顔によって 墓石に刻印されていた

しかし今は それもとうの昔に葬り去られてしまった
僅かな鍾乳洞の石の滴は 人々の記憶を塗り替えて行くだろう
あなたの面影を引きずって
わだかまる期待に重い意志を授けるように 今も懺悔し続けている
表札に書かれたその名を永遠に葬り去ったあの時と一緒に

平和を待ち侘びて泣き出しそうになる
その両の手には 人々の亡骸が 臭いを放ち横たわっている
女の流し眼で操られているのは 時代錯誤を繰り返した
人間の愚かな欲望の羨望と 崩壊した向上心


躊躇い→ためらい
繁茂→はんも
鍾乳洞→しょうにゅうどう
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みやすけの詩 絆

2010年07月21日 | 初期中期の詩
空を眺める事
越えられない壁に突き当たりながら 零した涙の重み
大気に惑わされ 震える星の光に 湖底に沈み行く想い

あなたの言葉が 溢れるばかりの愛を紡ぎ出すのなら
その両手に添えられた花は やがて森を彩る聖者となり
凍える魂に 植え付けられた呪縛でさえも
恒星が放つ歓びに変わる

季節は 順々に足跡を辿りながら
前を見つめる瞳には 荒廃した現実が無垢を演じている
先の事などに縛られる 少女の心は
絶えず安らぎに満ちた泉を探し求めている
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みやすけの詩 ダイヤモンドクレバス

2010年07月18日 | 初期中期の詩
繋がりを大切にしたいのに 零れ落ちる言葉の欠片達
宇宙にそっと囁きかけた想いが空しく 
鼓動を打ちながら流星に流れていく

誇張された気持ちなどいらない
素直な微笑みだけが あなたを大切にする僅かな架け橋となるから

巧みな言葉遣いに込められているのは
鎮められない偽りと 虚実が入り乱れた現実
契りを結んだ者どうしが互いに倦厭し合った昨日でさえ
今にとっては水面に乱反射する幻影でしかない

風が吹き去る一瞬に
あなたの孤独が見えたような気がした
煙が絶えず燻ぶりながら その今にも消えそうな命を保っているように
あなたの心にうずくまっている亡者の影が
この夕日の空に 淡い雲の景色を創り出している



僅かな→わずかな
倦厭→けんえん
燻り→くすぶり
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みやすけの詩 友達

2010年07月17日 | 初期中期の詩
あなたと手を繋ぐ事
あなたの声色にまどろむ 安楽を感じる事
幾万もの星が散らばる空に馳せた心の繋がりを
今 愛の言葉に顕わしてみる

友情とは 夢想に咲く花の香りを嗅ぐ行為である
あなたとの歓びを 華やかな詩に変えて
紡がれゆく未来の幸せをひたすら追いかけている

しおらしい言葉を掲げて 旅に出かけた少年は
世界に浮遊する奇跡を探し続けている
雨に濡れた肩に寄せる あなたの頬の温かさ
混沌とした過去の秩序は 新たな友情への途となるだろう

例え哀しみが この絆を支配しようとも
渇きに飢えた口元が 水を求めるように
あなたとのこれからも 優雅な朝日の光が 私達を包むだろう

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みやすけの詩 春の日差し

2010年07月16日 | 初期中期の詩
きつく結ばれる筈の 確かな言葉を漁りながら
弱く過ぎ去っていく恋心の奇妙な轟き
私の頭は弧を描いて空中を飛び回り
蜜蜂は その蜜を大きな湖に垂れ流した

虹に映る日差しを 互いに交わしながら
息つく間もなく壊れていく非情

草原が遠くの方で 風を呼んでいる
土埃に消えていくあなたの華奢な背中の美しさよ
豪奢な計らいなどもう要らない
接吻の瞬間に混ざり合う 途方も無い感情の高鳴りは
星空に漂う惑星のように しおらしく輝いている
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みやすけの詩 イキテルオト

2010年07月15日 | 初期中期の詩
あなたの吐息を感じる 
光さえも無限の彼方に到達する事は出来ない
空しい感情ばかりが傷口から噴き出して
あなたの涙に香辛料を加えている

マシュマロのように覚束ない心と心とが
互いを求めて 火の中で甘くとろけていく

時が小刻みに震えているのが聞こえてくる
一瞬の切なさが 私の瞳をあなたに釘付けにさせる

どうしようもなく滲み出た言葉の匂いが
あなたの瞳の行く末を見失わせてしまう
恥ずかしい気持ちなど 河の流れに任せて
互いがより 愛の比重の掛かった 唄を歌いながら
地表に揺らめく陽炎はまた 
二人繋いだ手の感触を大空へと隠してしまうだろう
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