国立がん研究センターによりますと、適量の飲酒はリンパ系腫瘍のリスクを低下させるということです。飲酒によるリンパ系腫瘍のリスクに関しては、すでに欧米でいくつかの症例対照研究が行われているそうです。その結果、飲酒量が多いと悪性リンパ腫のリスクが低いことが示されていますが、形質細胞性骨髄腫のリスクについては一致した結果は得られていないそうです。アジアでは欧米に比べて悪性リンパ腫や形質細胞性骨髄が少なく、リンパ系腫瘍の中でも頻度の高いタイプが異なるということです。一方日本人に関しては、明確な結果はこれまでなかったそうです。そこで、40~69歳の男女約96,000人について平均約13年間の追跡研究を行った結果、リンパ性系腫瘍発生のリスクは、時々飲むグループと比べ、アルコール摂取量が多いグループでリスクが低くなったというのです。また、日本人には欧米人と比べて飲酒により顔が赤くなる人が多いですが、飲酒で顔が赤くならないグループと赤くなるグループに分け、リンパ性系腫瘍発生のリスクを比べてみると、赤くならないグループでは飲酒量が増えるとリスクが低下するものの、顔が赤くなるグループでは飲酒量が増えてもリスクは変わらなかったというのです。残念ながら、飲酒によるリンパ系腫瘍発生リスクの低下のメカニズムは明らかではないようです。とにかく、適度(ビール大びん1本、ワインならグラス2杯)程度な飲酒は生活習慣病予防の観点からも身体とってよいことなのではないかということです。愛飲家にとっては朗報?でしょうか。
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