高齢の慢性閉塞性肺疾患患者は、長時間作用型吸入β刺激薬(LABA)や長時間作用型吸入抗コリン薬(LAMA)を開始した後数週間は、心血管イベントリスクの上昇が見られるということが、研究で明らかとなったそうです(QLife Pro)。LABAとLAMAは、中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患患者に対する第一選択となっている薬剤だそうです。この薬剤が心血管イベントリスクの上昇と関係していることを示す研究はこれまでにあったが、ランダム化比較試験ではリスク上昇がなく、これまで議論が続いていたそうです。そのため、薬剤の使用と心血管イベントによる入院と救急受診のリスクの関係を評価するために、高齢患者を対象とするネステッドケースコントロール研究を行ったもの。これまでに使用している患者は忍容性が高いため、有害事象が現れにくいと考え、新たに処方された患者だけを分析対象としたそうです。対象はカナダのオンタリオ州の住民であり、医療情報を登録した複数のデータベースから治療を受けた患者を抽出。短時間作用型や長時間作用型のβ刺激薬もしくは抗コリン薬の処方を受けた時点で組み入れていたそうです。確定例としても薬剤の処方がなかった患者は除外していたとも。
新規の使用例では、心血管イベントのうち急性冠症候群、心不全のリスクとの関係が示されたそうです。使用する薬剤によってリスクが上昇するレベルとしては、あまり差はなかったとも。
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