健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

栄養失調による損失は1人あたり5万円

2013-06-14 08:30:13 | 研究
国連食糧農業機関(FAO)は、「食料農業の現状(SOFA)」(注:日本では「FAO食料農業白書」として紹介)を発表したそうです(QLife Pro)。報告の中で、「十分なカロリーを摂取し、肥満であるにもかかわらず、特定の栄養不足のため栄養失調の傾向がみられる」と、述べているそうです。「栄養の向上に向けた食料システム」と題された本報告書において、2010~12年に世界中で約8億7000万人が飢餓に苦しんでいると推測しているそうです。これは世界の人口の12%以上に。5歳未満の子どもたちのうち、26%が栄養不足からくる発育不全で、31%がビタミンA欠乏症に苦しんでいるそうです。また、20億人が栄養失調に苦しむ一方で、14億人が体重過多、そのうち5億人は肥満であると。そうすると、世界の人口の半分が栄養失調か間違った栄養摂取をしていることとなるとも。FAOは、同じ人が同時にいろんな種類の栄養失調に苦しんでいると推測しているそうです。FAOによると、栄養不良により、生産性が低下したり、医療費が増大したりすることで、世界の総生産額の5%が毎年失われていると。金額にして、3兆5000億ドル(約348兆5000億円)で1人あたり500ドル(約5万円)相当にあたるというのです。また、社会的側面においては、子どもと母親の栄養不良が、何百万もの人々の生活の質を下げ、寿命を短くしているとも。同時に肥満に関連した健康問題、たとえば心臓系疾病や循環器系疾患、糖尿病などがさらに何百万人に影響を与えているとい指摘。栄養失調による世界の損失額は、まだ肥満の結果よりもはるかに高い状況であるそうですが、貧しい国においても肥満の問題は拡大してきているとも。
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