健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

がんの原因は「不運」

2015-01-06 08:30:46 | 研究
がんは、家族歴や環境的要因ではなく、細胞分裂時に起きるランダムな変異の「不運」に見舞われることによって発生する場合が多くを占めるとの研究論文が、Scienceに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、さまざまなヒト組織に発生する多様ながんを含めた統計モデルに基づくものだそうですが、女性で最も患者数の多いがんの乳がんと、男性で皮膚がんに次いで最も患者数の多いがんの前立腺がんは、今回のモデルには含まれていないそうです。評価対象とした成人がんのうちの約3分の2は、腫瘍の成長を促す遺伝子で起きるランダムな変異で原因を説明できる一方、残りの3分の1は、環境的要因や親から受け継いだ遺伝子に起因するものだったそうです。今回の研究結果が示していることは、喫煙や他の好ましくない生活要因によってがんになるリスクがさらに増す恐れがあることとしながらも、多くの種類のがんは生活要因や遺伝要因の有無に関係なく、がん促進遺伝子に変異が起きるという不運に主に起因していると。長年にわたって喫煙していたり、日光を大量に浴びていたりしているにもかかわらず、がんにならずに長生きしている人々は「優れた遺伝子」を持っているわけではなく、その大半は、ただ運が良いだけというのです。「運」ですか.....。
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