健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

「肥満でも健康」というのは一時的な状態にすぎない

2015-01-15 08:30:55 | 研究
先日、肥満でも健康な人はいるという研究結果を紹介しましたが、今回はある意味でその正反対の研究成果を紹介します。肥満と診断された人で健康状態が良好な場合、それは一時的なものであることが多く、時を経るにつれて状態が低下する可能性が高いとした研究論文が、Journal of the American College of Cardiologyに先日掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。2500人以上を対象に、この種の調査としては過去最長規模となる20年間の追跡調査を行い、過体重の人は痩せている人に比べ、心臓発作や脳卒中、特定種のがんなどを発症するリスクが月日を経るごとに高まるとした従来説を裏付ける結果が出たというもの。研究では「肥満でも健康」の状態について、高血圧や高コレステロールではなく、また糖尿病といった代謝系のリスク要因もない状態と定義したようです。39~62歳までの男女2521人を対象に、体格指数(BMI)やコレステロール、血圧、空腹時血糖値、インスリン抵抗性の測定。このうち、初期段階で肥満とされた対象者は181人で、うち66人は「肥満でも健康」と。しかし20年の研究期間中に、これらの健康な肥満とされた人の約半数の健康状態が低下したそうです。また、肥満とされた人のうち、期間中に減量して標準的な体重になった人の割合は11%にとどまったとも。健康な肥満の成人は、長い年月の間に不健康になる傾向があるというのです。さて・・・・・。
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