インドネシアの熱帯雨林の奥地で、卵ではなくオタマジャクシを産む新種のカエルを世界で初めて確認したとの研究論文が、PLOS ONEに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。アジアに生息する「牙を持つカエル」に分類されるこのカエル(学名:Limnonectes larvaepartus)は、インドネシア出身の科学者によって10年前に初めて発見。科学者らは長年、この特異なカエルがオタマジャクシを産んでいる可能性が高いと考えてきたそうですが、交接や出産の様子が直接観察されたことはこれまでなかったそうです。雄とみられる1匹のカエルをつかまえたところ、このカエルは実際には雌で、生まれたばかりのオタマジャクシを十数匹連れていたそうです。世界中に生息する6000種以上のカエルのほぼ全ては、抱接(ほうせつ、カエルの交接時の抱擁)で雄が雌に抱きつき、雌から卵が放出されている最中に雄が精子を放出する体外受精を行っているそうですが、この新種のカエルは、体内受精を進化させた10種か12種しかいないカエルの仲間で、その中でも、子ガエルや受精卵ではなく、オタマジャクシを産む唯一の種とのこと。子孫を生み出すことに関しては、カエルの世界にはこの他にも特異な行動様式が数多く存在し、アフリカに生息し、体内受精を行う一部の種のカエルは、オタマジャクシの段階を経ない子ガエルを産むことが知られているとも。
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