人が人間の顔をいったん覚えた後に、「目が大きい」「鼻が高い」などの特徴を言葉にすると、顔の記憶を間違って思い出してしまうという研究結果がPLOS ONEに掲載されたそうです(財経新聞)。覚えた後に言語化することで顔の記憶が妨害されてしまう現象は、「言語陰蔽効果」と呼ばれているそうで、これまでの多くの研究でこの効果が示されてきているようです。しかし、この現象を説明する理論には諸説あり、どれが正しいかは決着がついていなかったそうです。今回の研究では、コンピュータシミュレーションを用いて実験を行ったところ、改めて言語陰蔽効果が再現可能な現象であることが示され、言語陰蔽効果は、言語によって顔の記憶そのものが歪められてしまうことによって生じるという理論的な説明が成り立つことを示したというもの。今回のような研究の蓄積が、犯人の誤認による冤罪の防止や、捜査方法の改善に役立つという意義があるということです。
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