健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

大腸菌が外部情報を活用するメカニズム

2015-07-17 08:30:51 | 研究
大腸菌が餌に反応する際に生体内で情報が果たす役割に関する論文がNature Communicationsに発表されたそうです(財経新聞)。生体システムを維持するためには、絶えず変動する外界についての情報を取得し、それを活用することが不可欠。例えば、大腸菌は細胞内で情報をうまく処理し、環境の変化に適応しながら餌を探すことが知られているそうで、これを「走化性」と呼んでいるそうです。今回の研究では、分子を一つ一つ観測してその情報を使ってフィードバック制御をする存在「マクスウェルのデーモン」と、大腸菌の走化性におけるシグナル伝達の類似性に着目し、情報熱力学によって生体内の情報伝達のメカニズムを追究。その結果、大腸菌の細胞内を流れる情報量が、大腸菌の適応行動が外界からのノイズに対してどのくらい安定であるかを決めていることが分かったというもの。また、大腸菌の適応のメカニズムは、通常の熱機関としては非効率(散逸的)だが、情報熱機関としては効率的であることが明らかになったそうです。
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