糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具が、実験動物を用いた前臨床試験に合格したとの研究報告が先日Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。人間での臨床試験で効果が証明されれば、インスリンを注入するために注射針の使用を強いられる糖尿病患者に、より痛みの少ない代替手段を提供できる可能性があります。このパッチの大きさは1セント硬貨ほどの大きさだそうで、極小の針が100本以上埋め込まれているそうです。極小針1本1本に内蔵されている「超小型の格納装置」には、インスリンとブドウ糖を感知する酵素が入っており、血糖値が高くなりすぎた場合に速やかに内容物が放出されるそうです。糖尿病のマウスを用いた実験では、極小針パッチをマウスに貼付すると30分以内に血糖値が抑えられ、その状態が数時間継続したそうです。一方、マウスにインスリンを注射器で注入した場合、血糖値は正常に戻るが、次の注入が必要となるまでの時間が、パッチを貼付したマウスに比べて短かったということです。世界の糖尿病患者の数は3億8700万人以上というので、この成果が人体に応用できればすごいことです。
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