健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

高糖分、高脂肪の食事と認知機能

2015-07-11 08:30:03 | 研究
高糖分、高脂肪の食生活は心と体の機能を損なわせるとの研究が発表されたそうです(財経新聞)。マウスに高糖分もしくは高脂肪の食事を4週間与えたところ、精神機能および身体機能両方に衰えが確認されたというもの。特に認知的柔軟性の衰えが顕著であったそうです。人に置き換えると、たとえばいつもの帰り道が途中通れなくなってしまい迂回路を探さなければならないといった場合、認知的柔軟性の高い人であればその状況に直ちに適応できるが、認知的柔軟性が損なわれていた場合、この作業は非常にストレスが多く苦痛や困難を伴うものになるとのことです。認知的柔軟性が衰える原因は、腸内細菌のバランスの変化にあると考えられるそうです。腸内細菌は神経伝達物質を放出することが知られているそうで、感覚神経や免疫システムを刺激し様々な生物学的機能に影響を与えているというのです。脳も同様に影響を受けるといい、その経路や作用などは今後さらに調べていくそうです。また、特に高糖分の食事での影響が大きく、短期および長期記憶の両方において学習障害が認められたとも。
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地球史上6回目の大量絶滅

2015-07-10 08:30:42 | 日記
世界は地球史上6回目の大量絶滅を迎えつつあり、これまでの約100倍のペースで生物種の消滅が進んでいるとした研究論文がScience Advancesに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文では、人類も早期に死滅する可能性があるとして警告しているそうです。地球では現在、6600万年前に恐竜が絶滅して以降、最も速いペースで生物種が失われているというのです。研究は脊椎動物など内骨格をもつ生物の記録や、化石などの歴史的データの解析に基づき、人類の活動が支配的になる以前の生物種の自然な消滅ペースと現在の消滅ペースを比較。地球の45億年の歴史の中で発生した事象を人類は正確に知り得ないため、自然計数率(バックグラウンド計数率)と呼ばれるこうした値を算出するのは難しいそうです。そのため、広く使用されている算出方法の倍の速度で過去の絶滅速度をあてはめたそうです。100年間で1万種の生物種のうち2種類の哺乳動物が絶滅するとすれば、前世紀の脊椎動物の平均消滅速度は、生物種の消滅に関する最も控えめな見積もりに依拠したとしても、人類の活動がなかった頃の最大114倍にあたるそうです。
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軽度認知障害を血液で高精度に判定

2015-07-09 08:30:44 | 研究
アルツハイマー病の予備軍とされる軽度認知障害の発症を血液成分から判定できる検査法が開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。アルツハイマー病は、原因たんぱく質「アミロイドβ」が脳内にたまり、神経細胞を傷つけて起こるとされており、認知症の7割を占めるそうです。2001~2012年、茨城県利根町の住民約900人を対象に発症と、血液成分の関係を調べ、軽度認知障害、アルツハイマー病と進むほど、アミロイドβの脳外への排除などに関わるたんぱく質3種類が減ることが判明したそうです。さらに、この3種類のたんぱく質を測ることで、軽度認知障害を高精度に判別できる検査法が開発されたというもの。7cc程度の血液が必要で、全国約400か所の医療機関で検査を受けられるようにしたそうです。保険はきかず、検査費は数万円で、約80%の精度だそうです。
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「健康判定」の喫煙経験者

2015-07-08 08:30:22 | 研究
基本的な肺機能検査で問題なしと判定されたとしても、喫煙者もしくは過去に喫煙経験のある人の半数以上は、未診断の肺疾患に罹患している可能性があるとの研究結果が、Journal of the American Medical Association Internal Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。今回の研究は、1日に1箱以上の喫煙を10年間続けていた45~80歳の9000人近くを対象に行われたそうです。研究対象者の約半数は「肺機能検査結果に基づき、病気はないとみなされていた」そうです。ですが、呼吸器症状、CTスキャン結果、投薬使用、生活の質に関する問題などを含む他の判定基準を調査した結果、「『病気のない』研究対象者の55%に何らかの呼吸器機能障害があった」ことを発見。その多くは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の初期段階。COPDは、米国の死因の第3位。また、全体の42%に肺気腫や気道壁の肥厚が認められたほか、23%に重度の息切れがあったとも。
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スキニージーンズに健康リスク

2015-07-07 08:30:42 | 研究
超タイトなスキニージーンズを着用してしゃがんだ姿勢をとり続けると健康を損ねるおそれがあるとする研究論文が、Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatryに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文では、スキニージーンズを数時間着用して一時的に脚の感覚まひに陥ったオーストラリアの35歳女性の症例を紹介しているそうです。親戚の引っ越しを手伝っていた女性は数時間にわたって戸棚に食器を移す作業をしていたが、その翌日に転倒して病院に搬送。女性はタイトなスキニージーンズを着用して作業をしていたが、時間が経つにつれて締め付け感と不快感が増していったと回想。その日の夜には足の感覚がまひし、歩行困難に陥った女性はつまずいて転倒。病院に搬送された女性は脚部が膨張し、ジーンズを切断して脱がさなければならないほどだったそうです。足首やつま先も正常に動かせず、膝から下の感覚がなくなっており、点滴をうけて元通りに歩けるようになったのは4日後だったそうです。この症例では、きついスキニージーンズでしゃがんだ姿勢をとったために脚の筋肉への血液供給が滞ったうえ、長時間の圧迫によって下腿部につながる神経線維が損傷して、麻痺や制御不能に陥ったと説明しているそうです。
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道路の騒音で寿命が短くなる

2015-07-06 08:30:04 | 研究
道路の騒音が激しい地域に住んでいると寿命が短くなり、心臓発作を起こす可能性が高まるという研究結果が、European Heart Journalに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、2003~2010年にかけて英London市内の騒音のレベルと死亡数や入院データを比較。 日中の道路の騒音が60dBを超えている地域では、55dB以下の静かな地域より、死亡数が4%以上多かったそうです。世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、住宅地の騒音が55dB以上になると健康に問題が生じる恐れがあるとしているそうです。騒音が激しい地域は静かな地域に比べて住民が心臓発作で入院する割合が5%高く、この割合は高齢者の間では9%になるとも。夜間の道路の騒音が55~60dBの地域では心臓発作の割合が高齢者の間でのみ5%高まることも明らかに。研究チーム以外の専門家も、騒音がもたらす健康リスクの増大は小さいが、リスクが高まることは明らかだとコメントしているそうです。今回の研究結果は、騒音によって循環器疾患の要因となる高血圧やストレスが増えるという他の研究内容とも合致しているそうです。
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インスリンパッチ

2015-07-05 08:30:29 | 研究
糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具が、実験動物を用いた前臨床試験に合格したとの研究報告が先日Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。人間での臨床試験で効果が証明されれば、インスリンを注入するために注射針の使用を強いられる糖尿病患者に、より痛みの少ない代替手段を提供できる可能性があります。このパッチの大きさは1セント硬貨ほどの大きさだそうで、極小の針が100本以上埋め込まれているそうです。極小針1本1本に内蔵されている「超小型の格納装置」には、インスリンとブドウ糖を感知する酵素が入っており、血糖値が高くなりすぎた場合に速やかに内容物が放出されるそうです。糖尿病のマウスを用いた実験では、極小針パッチをマウスに貼付すると30分以内に血糖値が抑えられ、その状態が数時間継続したそうです。一方、マウスにインスリンを注射器で注入した場合、血糖値は正常に戻るが、次の注入が必要となるまでの時間が、パッチを貼付したマウスに比べて短かったということです。世界の糖尿病患者の数は3億8700万人以上というので、この成果が人体に応用できればすごいことです。
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自発的に酒を飲む野生チンパンジー

2015-07-04 08:30:50 | 研究
野生チンパンジーがアルコールを含んだものを嫌悪することなく採食することが明らかになったそうです(財経新聞)。ヒトとアフリカにすむ大型類人猿は、アルコール代謝を可能にする遺伝的変異形質を共有していることが分かっているそうですが、習慣的かつ自発的なアルコール消費は、これまでヒトでのみ知られていたものだそうです。ギニアのボッソウでは、地域住民はラフィアヤシの木の上にポリタンクを設置し、朝と夕方に自然発酵したパームワインを回収するそうです。アルコール度数は平均すると3.1%だったが、6.9%に至るものもあるそうです。ボッソウにくらす野生チンパンジーは、このポリタンクを発見すると道具となる葉っぱを浸し、パームワインを飲むことが観察されたというもの。この行動は性別を問わず、6歳の子供から大人までにみられ、1995年から2012年にかけて、計20回、51個体で観察されたそうです。このような行動は、野生チンパンジーがアルコールを含んだものを嫌悪することなく採食することを示していることに。
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遺伝子治療

2015-07-03 08:30:05 | 研究
全身の筋肉がうまく動かず、寝たきりになってしまう小児の神経難病「芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症」に対する遺伝子治療が、国内で初めて実施されたそうです(YOMIURI ONLINE)。この難病は、神経の間で信号を伝える物質(神経伝達物質)が、生まれつき作れないそうです。この遺伝子治療は、厚生労働省の承認を得た上で、6月29日、AADCを作る遺伝子を組み込んだウイルスを、15歳の男性に投与したそうです。同様の治療は台湾で16例行われ、一部は介助付きで歩けるようになったそうです。
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人の顔の特徴を言葉で表すと・・・・・

2015-07-02 08:30:14 | 研究
人が人間の顔をいったん覚えた後に、「目が大きい」「鼻が高い」などの特徴を言葉にすると、顔の記憶を間違って思い出してしまうという研究結果がPLOS ONEに掲載されたそうです(財経新聞)。覚えた後に言語化することで顔の記憶が妨害されてしまう現象は、「言語陰蔽効果」と呼ばれているそうで、これまでの多くの研究でこの効果が示されてきているようです。しかし、この現象を説明する理論には諸説あり、どれが正しいかは決着がついていなかったそうです。今回の研究では、コンピュータシミュレーションを用いて実験を行ったところ、改めて言語陰蔽効果が再現可能な現象であることが示され、言語陰蔽効果は、言語によって顔の記憶そのものが歪められてしまうことによって生じるという理論的な説明が成り立つことを示したというもの。今回のような研究の蓄積が、犯人の誤認による冤罪の防止や、捜査方法の改善に役立つという意義があるということです。
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