北海道美術ネット別館

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■神内康年展 ON THE FLOOR ‐september- (9月10日で終了)

2007年09月18日 21時53分45秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 江別出身で、現在は京都造形芸術大の准教授をつとめる陶芸家神内さんの、道内では15年ぶりとなる個展。

 門馬よ宇子さんが亡くなって初めて、ギャラリー門馬での展覧会になります。
 今回は、アネックスと同時開催です。

 ギャラリー門馬は、門馬さんの自宅を開放したもので、居間がすこし低くなっていたり、中二階があったり、変化にとんだつくりが特徴です。
 冒頭の画像は、ふつうの視点の高さから撮ったものですが、奥の居間部分はすこし低くなっているので、そこから見たのがつぎの画像です。



 つぎは、中二階から見下ろした構図。



 ごらんになればわかるように、床の上に、大小の球と、びんを割ったようなかたちが散乱し、傍らに錆びた金属の板が置かれています。

 これが、理屈抜きで美しいのです。
 時間が一瞬とまった空間に、ちいさな宇宙をつくっているように見えます。

 床に置いた板は、通常は立体として立たせているのだそうです。

 玄関や、奥のピアノの上などには、業務用のびん(染料や薬品などを入れておくのに使うもの)でかたどりした陶の置物があるので、それを焼成後にがちゃーんと割ったように思えてきますが、じつは、神内さんが、あたかも割れた後のようなかたちに焼いたものだそうです。
 磁器用の土を使っていますが、焼成温度はすこし低くしているそうで、それが独特の質感を生んでいます(たしかに、磁器の土をそのまま焼けばきれいに仕上がりすぎるのでしょう)。



 この画像は、中二階の窓に置かれていた、びんでかたどった作品。


 以下3つの画像は、アネックスで撮影したもの。
 こちらも、破片状のものや小さな球が、絶妙の配置で床に散っています。







 陣内さんは江別生まれ。
 幼いころは、れんが工場や、アイヌ民族の竪穴住居跡などが遊び場だったそうです。
 すっかり宅地化が進んだいまとちがって、江別は、まだ飛行場の跡もあり、平坦な土地が広がっていました。
「地面から、きれいな形をした黒曜石のやじりが出てきたりすると、わくわくしたねえ」
 ふるさと江別のれんが工場や倉庫の跡などで個展ができれば-と、構想を抱いているそうです。 


07年9月1日(土)-10日(月)10:00-19:00
GALLERY 門馬(中央区旭ヶ丘2-3-38)


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