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■北海学園大学二部写真部写真展「撮ルモノ、撮ラレルモノ」 (9月16日で終了)

2007年09月19日 22時57分21秒 | 展覧会の紹介-写真
 通称「にぶしゃ」。銀塩モノクロもデジタルのカラーもあり、バラエティに富んでいます。

 やはり圧巻は、「Takuma Ito/Matsuda」さん名義による13枚のモノクロでしょうか。とくに題はついていないようでした。
 この作者が「伊藤琢真」さんだとしたら、どうしてこういう名義で出品しているのか、そして、彼のブログがもう1年余りも放置されているのはなぜなのか、いろいろ気になることはあるのですが…。

 写真は、酒屋の裏に積み上げられたカートン、建物の壁際に飲みさしのまま置かれたウオツカのびん、コンクリート護岸で固められた都市の小河川と橋の欄干、「閉店のおしらせ」の看板、ゴミ棄て場の落書きなどです。人間はほとんどフレームに入っていません。
 札幌で、これだけうらぶれた光景ばかりを撮るのも、なかなか大変だと思います(札幌だという確証はないのですが)。
 そのうらぶれた光景を、感傷をいれずに、淡々と撮影しているところに、共感を覚えました。
 作者の心のうちにひろがる、或る種の空虚さみたいな感情が、そこに反映しているのでは-と思ったのです。

 若手では、目貫霞さん。
 モノクロ8枚で、やはり題はありません。
 会場にあった、感想を記すノートでは、古い階段とその下の小さな花群れにレンズを向けた写真が好評だったようですが、筆者は、住宅街の中の道を撮った1枚がすきです。
 手前は日陰で暗く、向こう側が明るくなっているのですが、ちょうどいい露出におさまっています。
 ヒマワリを写した1枚は、覆い焼きをしているのでしょうか。ちょっと異質な作品です。

 猪狩典子さんも、カメラをほぼ45度傾けて撮った風景写真があって、この1枚が全体を特異な感じにしていると思います。写っているのは、大学からほど近い、水車町の住宅街なのですが、このあたりは以前、市場などがあって、小さいながら商店街の風情をかもし出していました。
 扉の前にかぼちゃをごろんと置いた写真なども、ふしぎな感じをただよわせています。

 江波戸剛さんは、モノクロ4枚。
 4枚目の夜の川べりの街並みが、印象にのこりました。


07年9月12日(水)-16日(日)10:00-19:00(最終日は-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階 地図G

(以下、ほとんど画像なし)
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2 コメント

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Unknown (伊藤琢真)
2007-09-23 02:24:58
北海学園二部写の伊藤琢真です。
毎回、自分が参加した展示の記事を見るのを楽しみにしていますが初めてコメントさせていただきます。

まず、名義ですが実は在学中に苗字が変わり、今回は両方の名を名乗っていました。本来なら本名の松田と名乗りたいのですが伊藤琢真という名前で覚えてもらっていることが多いためにいまだに伊藤という名前も使っているという理由です。
ブログについてはmixiをはじめたために更新をすることがなくなりました。mixiのほうが楽しかったもので…笑

ちなみに、展示していた作品はすべて札幌でした。
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たくまさん、ありがとう (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-09-23 10:13:29
 まさかご本人からコメントいただけるとは思ってませんでした。感謝いたします。
 なんだか、プライヴェイトなことまで書いちゃってすいません。
 でも、写真は良かったですよ!

 そろそろ卒業ではないかと思うのですが、がんばってください。
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