
卒展のシーズンもピークをむかえているけれど、個人的には、北海道芸術デザイン専門学校の卒展はかなり好きなほうだ。
そのくせ、たんなる偶然だと思うけど、毎年
「見る時間が足りないなあ」
と感じている。すいません、来年こそはもっと時間をとって見ます。
この学校の卒展が見ごたえあるのは
1.とにかく人数が多いこと
2.ぶっ飛んだ作品がすくないかわりに、やる気のない作品も皆無で、いずれも、すぐに本物の広告版下に使えそうなレベルに近いところにまで達していること(水準がおしなべて高い)。
3.中途半端なファインアート志向ではなく、「使えるデザイン」にきっちり的を絞って作られたものが大半であること
というあたりが理由だろう。
「下手だけど魅力がある」という作品はひとつもない。見事なまでに、どれも一定の水準に達している。そして、「プロが流してやった」という雰囲気の作品もひとつもない。そこは若者、みんなすごく一生懸命に作ったのがわかる。
たとえば、カフェのプロデュースというテーマで、ポスターやメニューはもちろん、オリジナルの包装紙やカップなどまで作ってしまう人がけっこういる。その情熱には、ほんとうに頭が下がる。
架空の映画やCDのポスターやフライヤー、宣伝材料などもある。「高島オバケ」なんていう映画の宣伝を見ていると、実在しているわけではないこの映画のほんものが見たくなってくる。
環境問題や世界平和を訴えるポスターもあるが、高校生などがコンクールに応募してくるのとはちがって、情緒的ではものばかりではない。意外な(筆者も知らなかったような)データをもとに訴えているものも多く、目を引く。
こういうところで、全体的な傾向を語ってもあまり意味がないかもしれないが、イラストがメーンの作品では、丸みを帯びてかわいらしい、メルヘン調の絵柄がわりと多い。
とくにゲームデザイン分野では、いかにもアニメふうのものが多いのは当然だけど、全般的には、たとえば桜沢エリカのような奔放なタッチの絵柄は減ってきているような印象がある。
おもしろいなーと思ったのは、山本ことみさんの建築設計「HOME +」。
バリアフリーの家の模型だが、実物大キリンのおもちゃ(の模型)が置いてあるのだ。
もちろん、ファインアートのほうにすすんでもおもしろそうな人材はけっこういる。
小林龍一さん「L'evolution Creatrice 創造的進化」では、巨樹が胎児をはらんでいるという着想に意表をつかれた。縦長の構図が特徴的な、はなばなしい生命讃歌になっている。
獅子原和子さん「Mr.sentiment」は、パネルにはられた紙が途中から床へと垂れ下がっているのがユニーク。「表現したい欲求」が画面からつたわってくる。
竹内真悠香さん「2615 relic st.」は三双六曲の屏風仕立ての作品で、城から飛行機まで作者のイマジネーションの限りを詰め込んだような絵だ。
冒頭画像の看板は、坂本佳奈さんの「SUNRISE CIRCUS」。思いっきりサイケな色彩の氾濫。
角田優紀さんの銅版画はどこかで見た記憶があると思ったら、昨年の道展入選作であった。
研究生の作品も展示してあり、そのなかには、昨年の道展で協会賞を得た阿部正子さんや、ハイパーリアルな画風が話題になった武田かほりさんの絵もあった。
08年2月13日(水)-17日(日)10:00-18:00(最終日-15:30)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 地図G)
□北海道芸術デザイン専門学校 http://www.bisen-g.ac.jp/
そのくせ、たんなる偶然だと思うけど、毎年
「見る時間が足りないなあ」
と感じている。すいません、来年こそはもっと時間をとって見ます。
この学校の卒展が見ごたえあるのは
1.とにかく人数が多いこと
2.ぶっ飛んだ作品がすくないかわりに、やる気のない作品も皆無で、いずれも、すぐに本物の広告版下に使えそうなレベルに近いところにまで達していること(水準がおしなべて高い)。
3.中途半端なファインアート志向ではなく、「使えるデザイン」にきっちり的を絞って作られたものが大半であること
というあたりが理由だろう。
「下手だけど魅力がある」という作品はひとつもない。見事なまでに、どれも一定の水準に達している。そして、「プロが流してやった」という雰囲気の作品もひとつもない。そこは若者、みんなすごく一生懸命に作ったのがわかる。
たとえば、カフェのプロデュースというテーマで、ポスターやメニューはもちろん、オリジナルの包装紙やカップなどまで作ってしまう人がけっこういる。その情熱には、ほんとうに頭が下がる。
架空の映画やCDのポスターやフライヤー、宣伝材料などもある。「高島オバケ」なんていう映画の宣伝を見ていると、実在しているわけではないこの映画のほんものが見たくなってくる。
環境問題や世界平和を訴えるポスターもあるが、高校生などがコンクールに応募してくるのとはちがって、情緒的ではものばかりではない。意外な(筆者も知らなかったような)データをもとに訴えているものも多く、目を引く。
こういうところで、全体的な傾向を語ってもあまり意味がないかもしれないが、イラストがメーンの作品では、丸みを帯びてかわいらしい、メルヘン調の絵柄がわりと多い。
とくにゲームデザイン分野では、いかにもアニメふうのものが多いのは当然だけど、全般的には、たとえば桜沢エリカのような奔放なタッチの絵柄は減ってきているような印象がある。
おもしろいなーと思ったのは、山本ことみさんの建築設計「HOME +」。
バリアフリーの家の模型だが、実物大キリンのおもちゃ(の模型)が置いてあるのだ。
もちろん、ファインアートのほうにすすんでもおもしろそうな人材はけっこういる。
小林龍一さん「L'evolution Creatrice 創造的進化」では、巨樹が胎児をはらんでいるという着想に意表をつかれた。縦長の構図が特徴的な、はなばなしい生命讃歌になっている。
獅子原和子さん「Mr.sentiment」は、パネルにはられた紙が途中から床へと垂れ下がっているのがユニーク。「表現したい欲求」が画面からつたわってくる。
竹内真悠香さん「2615 relic st.」は三双六曲の屏風仕立ての作品で、城から飛行機まで作者のイマジネーションの限りを詰め込んだような絵だ。
冒頭画像の看板は、坂本佳奈さんの「SUNRISE CIRCUS」。思いっきりサイケな色彩の氾濫。
角田優紀さんの銅版画はどこかで見た記憶があると思ったら、昨年の道展入選作であった。
研究生の作品も展示してあり、そのなかには、昨年の道展で協会賞を得た阿部正子さんや、ハイパーリアルな画風が話題になった武田かほりさんの絵もあった。
08年2月13日(水)-17日(日)10:00-18:00(最終日-15:30)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 地図G)
□北海道芸術デザイン専門学校 http://www.bisen-g.ac.jp/