
谷口大さんは陶芸家で、2012年から毎年のように札幌のギャラリー犬養で「●●との対話」と副題をつけた個展をひらいています。
土の味を生かした焼き締めの作品が多いという印象があり、実用性は排したオブジェを中心に制作・発表してきた点が、他の多くの陶芸家と異なります。
ただし今回は、花瓶などとしても使える作品も、実用性のないオブジェも、両方があります。
タイトルの「両義性」はここに由来するものと思われます。
これを機に、谷口大さんが、食器や花器を作るふつうの陶芸家に変わっていくのかどうかは、わかりません。
今回の個展で、筆者が考えさせられたのは、谷口さんの作品がもっている「作為のなさ」です。
陶片は、ギャラリーの床や台に置かれ、数百円の値付けがされているからこそ、それが作品だということがわかります。
しかし、もしこれらがギャラリー犬養の前の道端に転がっていたら、誰かが作った作品だとはわからないのではないでしょうか。
ふつうの石ころと、少なくても筆者の目には区別がつきません(いばることではないでしょうが)。
絵が落ちていれば、それが人為的なものであることは一目瞭然でしょうが…。

付け加えるなら、だからダメな作品だと決めつけるつもりは、筆者にはありません。
天然の産物に近いものや、単なる物質を、あえて提示するという方法論も「アリ」だと思うからです。
まあ、土という素材であることが、陶芸の絶対的な条件であるわけですから、自然に還っていく、あるいは近づいていく姿勢じたいは、なんら不自然ではないともいえるでしょう。
ギャラリーという人工的な空間のなかで、わたしたちはあらためて、自然に向き合っているといえるのかもしれません。
2017年10月6日(金)~16日(月)午後1時~10時半、火曜休み
ギャラリー犬養(札幌市豊平区豊平3の1)
■防風林アートプロジェクト (2015)
□防風林アートプロジェクトの関連ページ http://tokachiart.jp/minus-art/artist/taniguchi/
土の味を生かした焼き締めの作品が多いという印象があり、実用性は排したオブジェを中心に制作・発表してきた点が、他の多くの陶芸家と異なります。
ただし今回は、花瓶などとしても使える作品も、実用性のないオブジェも、両方があります。
タイトルの「両義性」はここに由来するものと思われます。

今回の個展で、筆者が考えさせられたのは、谷口さんの作品がもっている「作為のなさ」です。
陶片は、ギャラリーの床や台に置かれ、数百円の値付けがされているからこそ、それが作品だということがわかります。
しかし、もしこれらがギャラリー犬養の前の道端に転がっていたら、誰かが作った作品だとはわからないのではないでしょうか。
ふつうの石ころと、少なくても筆者の目には区別がつきません(いばることではないでしょうが)。
絵が落ちていれば、それが人為的なものであることは一目瞭然でしょうが…。

付け加えるなら、だからダメな作品だと決めつけるつもりは、筆者にはありません。
天然の産物に近いものや、単なる物質を、あえて提示するという方法論も「アリ」だと思うからです。
まあ、土という素材であることが、陶芸の絶対的な条件であるわけですから、自然に還っていく、あるいは近づいていく姿勢じたいは、なんら不自然ではないともいえるでしょう。
ギャラリーという人工的な空間のなかで、わたしたちはあらためて、自然に向き合っているといえるのかもしれません。
2017年10月6日(金)~16日(月)午後1時~10時半、火曜休み
ギャラリー犬養(札幌市豊平区豊平3の1)
■防風林アートプロジェクト (2015)
□防風林アートプロジェクトの関連ページ http://tokachiart.jp/minus-art/artist/taniguchi/