線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

黒部市<郷土芸能の祭典>①

2011年11月03日 20時31分08秒 | おまつり
11月3日に、富山県黒部市で<郷土芸能の祭典>が行われた。
黒部市合併5周年記念ということもあり、市内の12団体の民俗芸能や民謡が披露された。


黒部市というと、<沓掛の獅子舞>と、<明日の稚児舞>を見たことがあった。また、民謡では《しばんば》と《布施谷節》を聴いたことがあった。
12団体も出演するということで興味深く、今回出かけてみた。会場は黒部市国際文化センター「コラーレ」だ。


今回はステージでの披露で、しかも15分以内ということであり、各団体とも時間内で、演目を調整してのおられた。こうした芸能は、本来祭りの場で行われるもので、ステージ演出のもとで行う性格ではないが、広く市民の前で演じることで交流できる意味はあると思う。それぞれが、大変よく工夫されておられた。

1 栃屋獅子舞保存会
 ①大門先 ②獅子起し ③大天狗六尺棒 ④らんま踊り ⑤小天狗猩々舞 ⑥大天狗一丁傘 ⑦鵠僊(こくせん) ⑧花笠囃子 ⑨両の手 ⑩大天狗・小天狗 天狗舞


祭礼日は、かつては10月17日であったが、現行では10月第3日曜日に行われている。22演目も伝承があるという。大天狗、小天狗、女子手踊りがつく。獅子頭は、珍しく熊獅子だった。天狗の群舞がなかなか勇壮だった。


2 下立青年団
 ①獅子起し ②竹の天狗舞 ③猩々舞 ④花の舞


下立(おりたて)は、保存会でなく青年団だ。祭礼日は10月21日。
真っ赤な獅子頭が印象的。当地域に多い、獅子を起こす舞から始まった。独特な天狗の動きが、何ともいい。

3 荒俣獅子舞保存会
 ①獅子乗り ②大神楽 ③傘踊り ④酒注ぐ


昭和54年から青年団から保存会になった。沓掛から習ったものという。祭礼は10月19~21日。
天狗が肩車でならぬ、下の人の肩の上に乗って登場。やはり天狗が傘を持ってダイナミックに舞う。呉西に多い「獅子殺し」のように獅子を退治する場面が印象的。

4 布施谷節保存会



 布施谷節(ふせんたんぶし)保存会では「正調布施谷節」と「新布施谷節」を演じている。新の方は尺八と三味線が入り、正調は尺八のみの伴奏。踊りは農作業を模したような演出がされている。 
 この唄は大変難度が高く、そう簡単には歌えないメロディ。一節には日本海沿岸の「まだら」が伝わったものともいう。大変メロディが美しい。自分も大好きな曲の1つだ。

5 しばんば踊り保存会

♪イヤーエー波に流れた 新治村が 今は生地と 名が変わるイヤー
という歌詞の通り、海辺の町、生地地区の民謡だが、かつてあった新治が津波によって海中に沈んだという伝説が残る。踊りは穏やかな雰囲気である。やはり、塩を焚く作業を模した演出がされている。
 この曲も好きな唄なのだが、旋律が独特だ。いわゆる「民謡音階」ではなく「呂音階」に聞こえる。

6 立野獅子舞保存会
 ①華神楽八段 女からかさ舞い ②草神楽桜笛九段山かつぎ ③草神楽桜笛刀かつぎ

 ここも明治期に、沓掛から習ってきたという。男児、女児の振りも可愛らしい。獅子頭はやはり熊獅子だ。ただ…未確認だが、ライトの光線の関係からか茶色に見えた。もしかして、茶髪の熊獅子か(笑)

(続く)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 入善町の名水 | トップ | 黒部市<郷土芸能の祭典>② »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

おまつり」カテゴリの最新記事