チョコレートはお菓子の一種です。
でありながら、夢と希望とロマンと愛と恋とお伽話の世界に誘ってくれる幻のツールでもあります。
特に最近のチョコレートは見るだけで楽しい。
表面にほどこされているパステル調の色のあれこれ、ハートや丸や花型や菱形のロマン溢れる形のあれこれ。
鼻を近づければ立ち昇ってくる南国の香りのいろいろ、もう手に持っているだけで夢の世界。
ここで煎餅を持ち出すのは気の毒ではあるが、どうしたって煎餅に出てきてもらわないわけにはいかない。
一枚を手にしてみると、立ち昇ってくる醤油の匂い。
表面茶色、ざらざら、しわしわ。
どうしたって渋茶の出番。
どうしたってじーさんばーさんの世界。
となれば話題は年金、老人ホーム、霊園、納骨堂へと進んでいく。
片やチョコレートは夢と希望の世界へ。
片や煎餅は納骨堂へ。
同じお菓子でありながら何というこの違い。
バレンタインのチョコレートは特別なお菓子ではあるが、いつでも食べられる煎餅は、じじばばにはピッタリのお菓子なのでした。