缶ビールを買うとき、大抵の人は350㎖缶を基準にして考える。
家で呑むときも、旅行の列車の中で呑むときも350㎖缶を買う。
一本じゃ足りないな、と思うときは350㎖缶を二本買う。
缶ビールに関しては350㎖を基本とする、十進法ならぬ350㎖進法が人々の中に定着している。
500㎖缶というものがあることは誰もが知っているが、普段はそっちに目が向かない。
500㎖缶を呑む人はどうか?
普通の人より酒が好きな人、350㎖缶では足りない人、呑むぞという意欲が盛んな人、呑み意地が張ってる人。
などといい印象が一つもない。
500㎖缶であったばっかりに、これだけのマイナス評価を並びたてられてしまう。
350㎖缶を呑んでる人は、ごく自然に呑んでる、という感じを人に与えるが、500㎖缶はどうしてもまずい空気になる。
500㎖缶の人は、みんなと吞んでいても無口で人の話に加わらないのだが、あるとき急にみんなの話に反応し、「するとなにか…」と、からんできそうな気配がある。
つまらなさそうに呑み、「ウメー」とかを顔に出さないタイプのひとが多いのではないか。
と自分勝手に解釈しているのであった。