昨年、千葉県の観光セミナーの題材にもなった、豊後高田「昭和の町」は、
商店街が最後に元気だった時代、昭和30年代の賑わいをもう一度よみがえらせようという
願いをこめて、平成13年にまちづくりがスタートしました。
なぜ昭和か?
550メートルの区間にある4つの商店街の建物を調査したところ、昭和の建物が7割残っていたので、
これをそのまま生かすまちづくりで活性化を図ろうと考えたわけです。
はじめは10店舗ほどしかなかったそうですが、メディアに取り上げられた事も追い風となり
一旦、廃業していた店舗も再開してくれたケースもあったそうです。
景観条例でのしばりではなく、4つの条件をクリアすれば、昭和のまち認定店とする手法で、
その条件は、
1.建築再生 外観・建築 その建物が建築された当時の趣を再現
アルミ製の建具を木製に復元
看板 木製やブリキ製の「昭和の看板」に改修
2.歴史再生(一店一宝)そのお店に代々伝わる珍しい道具等の展示
3.商品再生(一店一品)そのお店自慢の商品を販売
4.商人再生 お客様と店主が向かい合い、会話する商い
で、1店舗あたりの経費は幅が広く10万円~500万円くらいと聞きました。
-例えば、お肉屋さんは手動ミンチマシンを展示し、揚げたてのこだわりコロッケを明るい会話付きで
売ってくれました。小学生の時に、お肉屋さんの前でコロッケをほおばったのを思い出しました。
昭和のまちにある、昭和ロマン蔵”の建物は、明治から昭和にかけて大分県きっての
大金持ちといわれた”野村財閥”が米蔵として建てた倉庫ですが、現在は昭和のお宝が
ぎっちりと展示されています。
これは、25万点を越える収蔵品をお持ちの福岡市在住の小宮裕宣氏へ何年もかけて
ラブコールをし、平成14年に豊後高田市に移住して頂き、館長になって頂いた経緯があります。
つまり、昭和の町のためにあれこれ集めて回ったのではなく、莫大な収蔵品をすでにお持ちの
方を誘致してきたことで成し得たのです。
まちづくりにはビジョンが必要です。
景観を整備するとき、一番大切なのはそこに住んでいる住民とご商売をしている方のご意見です。
どこに進もうとするのか?
わかりやすく言えば、城下町の再現か?現状保全もしくは昭和の町?
今年度、佐倉市の景観計画策定重点地区の新町・裏新町の協議会で6回のワークショップが
予定されています。
先進例も参考にしながら、佐倉ならではのまちづくりのために、今出来ることをコツコツと
積み重ねていこうと思います。